戸建て賃貸の管理会社
任せる仕事と責任分担
戸建てを貸す前に、庭や外構を含めて管理対象を書き出します。作業担当・承認者・費用負担者を分け、管理会社と分担表を作ります。この記事の範囲は戸建てを貸す賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 結論
- 戸建て1戸でも、管理会社へ任せる仕事は契約で具体化します。庭・外構・設備の分担表と空室中の作業表を作り、費用と報告方法を記入します。
- 契約前に整理すること
- 募集・家賃管理・連絡窓口と、オーナーが承認する事項
- 庭・外構・設備ごとの作業担当と費用負担
- 空室中の作業内容・頻度・費用・写真報告
01戸建て1戸で任せる仕事を整理する

募集・家賃管理・連絡窓口の委託範囲
入居者が使う範囲と、管理会社が作業する範囲は同じとは限りません。敷地図に庭や駐車場の位置を示し、管理対象に含める箇所を契約案へ記入します。
募集と管理は、依頼先が同じでも契約や業務範囲を確認します。募集条件の相談から内見対応まで、管理委託契約に含む業務と別途依頼する業務を分けます。
- 募集:募集条件を相談する窓口と、掲載・内見対応の担当を確認する
- 家賃管理:入金確認や送金など、委託する業務の範囲を確認する
- 連絡窓口:設備不具合や庭の相談の受付先と、時間外の連絡方法を確認する
業務全体は、賃貸管理会社とはで確認します。収納・送金は家賃管理を委託するにはを参照し、依頼する項目を選びます。
オーナーに残る判断と承認事項
管理会社が代理で判断できる範囲は、契約によります。募集条件の変更や設備交換について、オーナーの承認が必要な項目と、管理会社に任せる項目を書き分けます。
承認を求める際は、現状の写真と見積書を送ってもらう方法を決めます。不在時の連絡先も共有し、回答を受けるまで着手しない作業を契約案に記載します。
管理開始前に、設備一覧と保管している修繕記録を渡します。庭木や外構の気になる箇所は写真に印を付け、現地確認を依頼します。確認結果も記録に残します。
02庭・外構・設備の責任分担を決める

草刈り・剪定・雨どいの手入れと連絡
「庭の管理」だけでは、作業範囲を読み取れません。草刈りと樹木の剪定を分け、対象箇所を分担表へ記入します。刈った草や枝の処分も依頼に含めるか確認します。
雨どいや塀は、異常を知らせる役割と作業する役割を分けます。入居者案内に不具合の連絡先を記載し、管理委託契約には現地確認や業者手配の担当を記入します。
次の表は分担を相談するための合意例です。草刈りを入居者、剪定をオーナー側とする分担は、一律のルールではありません。物件の状態と契約内容に合わせて調整します。
| 対象 | 作業 | 担当 | 費用負担 | 記載先 |
|---|---|---|---|---|
| 庭の草 | 日常の草取り・草刈り | 入居者とする合意例 | 入居者とする合意例 | 賃貸借契約・入居者案内 |
| 庭木 | 剪定・枝の処分 | 管理会社が業者を手配する合意例 | オーナーとする合意例 | 賃貸借契約・管理委託契約・入居者案内 |
| 雨どい | 詰まりの連絡・清掃の手配 | 連絡は入居者、手配は管理会社とする例 | 作業内容・原因・契約を確認 | 賃貸借契約・管理委託契約・入居者案内 |
| 塀・フェンス | 破損の確認・補修の手配 | 管理会社の対応範囲を合意 | 原因・契約を確認 | 賃貸借契約・管理委託契約・入居者案内 |
| 給湯器・エアコン | 故障受付・修理や交換の手配 | 管理会社が手配し、承認者を別途指定 | 設備の扱い・原因・契約を確認 | 賃貸借契約の設備一覧・管理委託契約・入居者案内 |
賃貸借契約で既に定めた庭の手入れなどの分担を、表へ転記します。管理会社に任せたい作業と重なる箇所や、担当が空欄の箇所に印を付け、契約前に協議します。
設備故障時の手配・承認・費用負担
契約上の設備一覧と実際の設置状況を照合します。入居者が持ち込んだ機器などは区別して記録します。故障受付では、設備名と症状を聞き取ってもらう流れを決めます。
故障時は、業者の調査結果を受け取る担当を決めます。費用負担を協議する際は、原因の説明と契約上の根拠を確認します。受付時点で負担者を決めつけないようにします。
交換の相談では、見積書と設備の状態が分かる写真を送ってもらいます。判断項目はエアコン・給湯器の買い替えを参照し、承認結果を管理会社へ伝えます。
03管理報酬と作業の実費を分けて確認する

巡回・清掃・点検は報酬に含まれるか
国交省の標準書式では、管理報酬は頭書(4)、業務に要する費用は頭書(5)に記載します。費用は第5条も確認し、契約案で別途負担する項目を照合します。
巡回の範囲は、契約によって異なります。庭や外構の目視確認だけか、清掃まで含むかを管理会社に尋ねます。対象箇所と作業内容を契約案や別紙に記載します。
| 作業 | 報酬との関係 | 実費として確認する項目 |
|---|---|---|
| 敷地内の巡回 | 基本業務に含むか、別途依頼か | 訪問や報告に伴う費用の有無 |
| 庭の清掃・剪定 | 手配と現地作業を分けて確認 | 作業・運搬・処分の費用 |
| 設備の点検 | 目視確認と専門業者の点検を区別 | 出張・点検に伴う費用 |
別途費用が生じる作業は、依頼前に見積書を受け取ります。処分や完了報告が含まれるかも確認します。見積りを比較する場合は、対象箇所と作業内容をそろえます。
管理報酬の計算や契約全体の確認には、管理委託料の確認項目を参照します。別途費用の支払期限と支払方法も契約案で確認します。
修繕・緊急対応の承認と精算を決める
通常の修繕は、見積りを受けて承認する手順を決めます。立替費用は標準書式の第6条も参照し、承諾を省ける条件を契約案で確認します。精算時には明細を受け取ります。
標準書式の第11条は、災害や事故等で緊急の業務が必要な場合を定めています。承認を受ける時間的余裕がない場合の扱いです。連絡がつかないだけで適用すると決めつけないようにします。
同条では、実施した業務の内容と費用額を速やかに書面で通知する扱いです。契約案でも通知方法を確認します。応急対応後に必要な本修繕は、追加承認の要否を確認します。
04空室中の作業と報告を取り決める

通水・換気・郵便物・雪や落ち葉への対応
退去後は、入居中の分担表を見直します。入居者が行っていた庭の手入れなどについて、空室中の担当と開始日を決めます。募集のための訪問に含める作業も書き分けます。
通水を依頼するなら、水道の使用契約と開栓状況を確認します。換気では、開ける箇所と作業後の施錠を取り決めます。鍵の保管先と作業者への受渡し方法も記録します。
郵便物は、宛名に応じた連絡先と保管・転送等の手順を決めます。雪や落ち葉は、敷地図に作業対象を示します。追加作業が必要な場合の連絡先と依頼方法も記入します。
下表は契約前の確認用です。頻度欄は空欄にしています。地域や建物の状況、依頼する内容を確認し、合意した頻度を記入してから契約書や別紙へ反映します。
| 作業 | 担当 | 頻度 | 費用 | 写真・報告内容 |
|---|---|---|---|---|
| 通水 | 契約前に記入 | 作業費・水道料金を確認 | 実施箇所・異常の有無 | |
| 換気・施錠確認 | 契約前に記入 | 報酬に含むか確認 | 実施箇所・終了後の状態 | |
| 郵便物の確認 | 契約前に記入 | 保管・転送等の費用を確認 | 郵便受けの状態・対応内容 | |
| 雪・落ち葉への対応 | 契約前に記入 | 追加作業の見積方法を確認 | 対象箇所・作業前後の状態 | |
| 庭・外構の確認 | 契約前に記入 | 確認と手入れの費用を区別 | 草木・塀などの状況 |
担当・頻度・費用・写真報告を契約に残す
報告書の見本を受け取り、実施日・作業内容・写真の撮影箇所を確認します。未実施の作業は、理由と次の対応も記載してもらいます。写真で分からない異常には説明を添えてもらいます。
作業頻度と報告頻度は分けて記載します。標準書式では、報告は頭書(8)と第15条で確認します。異常発見時の連絡時期と方法は、定期報告とは別に決めます。
募集写真の撮影・更新と、掲載確認の担当を決めます。掲載先と確認結果の共有方法も記録します。内見時に管理作業を行う場合は、実施した作業を報告してもらいます。
募集は募集写真の確認とポータル掲載の確認を参照します。収支は空室による損失の考え方で確認します。
入居が決まったら、空室中の作業を終える日を担当者へ伝えます。最後の報告書で庭や設備の状態を確認します。入居者へ引き継ぐ手入れの範囲と連絡先は、入居時に案内します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 庭・外構・設備と空室中の作業について、委託範囲と費用負担の整理を相談する
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 契約確認なしに庭・設備の負担者を確定すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。業務・報酬・費用・緊急対応・報告の確認には、国交省の[賃貸住宅標準管理受託契約書](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)を参照しています。該当箇所は頭書(3)(4)(5)(8)、第5条・第6条・第9条・第11条・第15条です。標準書式はひな形です。部位別の分担表と空室中の作業表は、個別の合意に向けた実務上の整理例であり、一律の負担や頻度を示すものではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください