賃貸の管理会社を変更する手順。
解約予告から入金確認まで
管理会社を変えると決めても、解約の連絡から始めると、次の管理や家賃収納の準備が間に合わないことがあります。ここでは契約確認から切替後の入金確認までを順に整理します。この記事は賃貸オーナー向けの管理委託の変更を扱い、分譲マンションの管理組合による管理会社変更は対象外とし、サブリース契約の解約は別に考えます。
- 結論
先に現在の契約と新会社の受託条件を確認し、旧契約の終了日と新契約の開始日を合わせます。切替後の初回入金と旧会社の最終精算を確かめるところまでが、日程を組む範囲です。
- 解約予告の前に
- 予告期間・通知方法・終了時の支払いを契約書で確認する
- 新会社の受託可否・開始可能日・保証会社と家賃収納方法の手続を確認する
- 引継ぎと通知について、担当・期限・完了の証拠を決める
- 混同しない日付
入居者への通知日、対象となる家賃月、振込先・口座振替の切替日は、それぞれ別に書きます。管理開始日だけでは支払い方法は伝わりません。
01管理会社を変更する前に確認すること

変更に進む前提を確かめる
変更を決める前の事実確認は、いまの管理会社が何をしているかを確かめる手順で扱っています。ここでは、確認を終えて変更へ進む場合を考えます。改善を求める段階と契約を終了させる段階を分けると、相手に伝える内容も整理できます。
契約の種類と手元の資料を確かめる
最初に、手元の契約が管理委託なのかを確かめます。会社が物件を借り上げて転貸するサブリースでは、終了の条件や検討する法律上の論点が異なります。管理委託の予告期間を、そのままサブリースの解約に当てはめないようにします。
自主管理の物件を初めて委託する場合は、自主管理から管理会社に切り替えるときの確認事項が入口です。この記事では、現在の管理会社を旧会社、切替先を新会社として説明します。
02契約書で解約条件と精算方法を確認する

予告の期限はどこに書いてあるか
手元の契約書では、次の見出しを探します。国交省の標準書式では、第21条から第23条に当たります。
| 探す見出し | 標準書式の条文 |
|---|---|
| 解約の申入れ | 第21条 |
| 契約終了時の処理 | 第22条 |
| 入居者への通知 | 第23条。正式な見出しは「入居者への対応」です。 |
標準書式の第21条には、少なくとも○か月前に文書で申し入れて終了する規定があります。もう一つ、オーナーが○か月分の管理報酬相当額を支払って随時終了できる規定もあります。
空欄の月数を一般的な数字で埋めないようにします。手元の契約に同じ規定があるか、どの条件で使えるかを確かめます。
現在の管理会社への解約予告期間・通知方法・精算条件は、締結済みの契約書で確認します。旧い標準書式では3か月前の文書通知が例示されていました。
ただし、これは以前のひな型の説明です。現在の契約の期間や通知方法を決める根拠にはなりません。
終了時の支払いを確かめる
- 予告はいつまでに、どの方法で、どの窓口へ届ける必要があるか
- 契約期間の満了と途中解約で、手続が違うか
- 管理報酬相当額の支払い、違約金、特約に定める精算があるか
- 終了月の報酬と精算方法、立替費用、未払いの請求をどう扱うか
「違約金なし」でも、終了月の管理報酬や立替費用まで消えるとは限りません。請求の名称だけでなく、対象期間・計算方法・支払期日を確認します。終了月の報酬を当然に日割りと考えず、契約の定めと業務の扱いを旧会社とそろえます。
申入れの方法と記録をそろえる
解約を申し入れる段階では、希望する終了日と契約上の根拠を記載します。送付した文書と、到達を確認できる記録を残します。
契約で文書が必要なら、電話だけで済ませたり、メールで足りると決めたりしないようにします。方法が曖昧なら、正式な申入れの前に確認します。
この時点で整理するのは終了条件です。実際の解約予告は、次の新会社の受託可否と開始可能日を確認してから進めます。
03新会社の受託条件を確認して切替日を決める

新会社が引き受ける条件を確かめる
開始可能日のほか、保証会社の継続可否と変更届の提出先を確認します。家賃の振込や口座振替の切替手続も確かめます。管理開始に間に合わなければ、暫定の収納方法と対応担当まで相談します。
業務範囲は、募集・入居者対応・修繕の受付・家賃管理などを分けて確認します。新会社に受付窓口・対応時間・時間外の連絡先を確認します。
修繕などの承認依頼を、誰がどの方法でオーナーへ送るかを決めます。現在依頼している業務が、新契約にも含まれるとは限りません。別契約の点検や清掃があれば、継続や変更の手続も確認します。
登録を受けた賃貸住宅管理業者との契約は、賃貸住宅管理業法に基づく重要事項説明の対象です。契約締結前に説明を受け、締結時には書面交付の対象になります。
法令上の例外や、電磁的方法による提供の扱いはあります。説明と契約書面で業務内容・費用・終了条件を確かめることが大切です。これは新会社との新規契約の話です。
終了日と開始日を合わせる
旧契約の終了日と新契約の開始日を候補として置きます。引継ぎ、収納手続、通知に必要な日数から逆算します。
新契約の締結と解約予告の順番は、各社の条件によります。片方の日付だけを確定させず、管理の空白や業務の重複が生じる部分を確認して進めます。
予定日に必要な準備がそろわないと分かった場合は、まず未完了の手続と業務への影響を共有します。終了日や開始日の変更が必要なら、契約上変更できるかを関係者に確認します。
オーナーだけで日付を動かさないようにします。合意した日程に、通知文と収納の案内も合わせ直します。
担当と期限と完了の証拠を決める
次の表は、日程を決めるための実務上の整理例です。期限の欄は「切替まで」のままにせず、合意した日付に置き換えます。完了の証拠も先に決めると、連絡しただけで作業が終わったと受け取る行き違いを減らせます。
| すること | 誰が・いつまでに | 完了の証拠 |
|---|---|---|
| 受託可否と収納手続の確認 | 担当:オーナー・新会社。保証会社等にも確認 期限:解約予告の前 | 受託条件と手続日程の回答 |
| 解約申入れと終了条件の確認 | 担当:オーナーが申入れ、旧会社と確認 期限:契約上の予告期限まで | 通知控え・到達記録・終了日等の確認記録 |
| 書類・預り金等の引渡し | 担当:旧会社からオーナーへ。新会社への受渡しは別途合意 期限:契約と合意に沿う期日 | 受領記録・残高の照合結果 |
| 終了通知と新管理の案内 | 担当:終了はオーナー・旧会社、新管理の案内は新会社 期限:契約上の通知時期と支払手続に間に合う日 | 通知控え・送付記録・未達への対応記録 |
| 入金と精算の確認 | 担当:新旧会社が明細を提示し、オーナーが照合 期限:初回送金日と合意した最終精算日 | 明細・着金記録・差額の処理記録 |
標準書式の第22条で書類や保管する金員の引渡し先となるのは、委託者であるオーナーです。新会社へ直接渡す場合は、オーナーの指示や承諾を確認します。
受渡し方法と受領確認も、関係者で決めます。品目ごとの照合は、引継ぎで確認する書類・お金・鍵で整理しています。
04入居者への通知と家賃の切替、初回入金と最終精算の確認

通知の役割と日付を分ける
標準書式の第23条では、終了時の通知はオーナーと旧会社の両方の役割です。新たな契約に伴う管理業務や連絡先の案内は新会社側で確認します。
誰が通知文を作り、内容を照合し、発送や未達への対応をするかを決めます。引継ぎの完了後まで通知を待つ必要があるとは限りません。
- 通知日:入居者へいつ知らせるか
- 対象となる家賃月:何月分から支払先や支払い方法が変わるか
- 振込先・口座振替の切替日:いつの支払いから新しい方法を使うか
- 管理の窓口:旧窓口が対応する期間と、新窓口が対応を始める日
支払方法と通知内容をそろえる
家賃の対象月と、実際に振り込む月は一致しないことがあります。「来月から変更」だけでは、どの家賃をどちらへ払うか判断できません。
口座振替は申込期限と初回の引落日も確認します。切替月だけ別の方法を使う場合は、二重払いを避けるため、その月の案内を明確にします。
通知文は、新旧会社で同じ対象家賃月と切替日になっているかを照合します。保証会社の収納代行を利用している場合は、その手続結果も合わせます。
発送した記録だけで完了とせず、返送や問い合わせがあった世帯への案内を追います。訂正が必要なら、誰が伝えるかを決めます。
初回入金と最終精算を確かめる
切替後は、新会社の初回明細とオーナー口座への着金を照合します。入居者からの収納、新会社からの送金、旧会社側に残った入金を分けて確認します。
差があれば、対象家賃月・控除項目・送金予定日をたどります。新会社の明細にないだけで、入居者の滞納と決めないことが大切です。
最後に、旧会社の最終精算明細と着金を確認します。後から入る家賃や未確定の費用が残る場合は、担当と次の報告日を記録します。
切替日を迎えたことと、精算が終わったことは別です。数字が合わない、書類が届かない場合は、変更時の行き違いと初動に沿い、止まっている項目から確認します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 契約書で確認する項目と、切替に向けた担当・期限を整理する
- 当社との管理契約は、3か月前の予告でいつでも終了でき、違約金はありません(これは当社の条件で、一般のルールではありません。終了月の報酬など精算の有無は別にご説明します)
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 現在の管理会社との契約を確認せず、希望日に解約できると確約すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。契約終了と通知の説明は、国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」第21条・第22条・第23条を参照しています。3か月の記載は「旧・賃貸住宅標準管理委託契約書」の例示です。契約時の説明と書面は「賃貸住宅管理業法」第13条・第14条を参照し、登録業者への規定として記載しました。日程と役割の表は実務上の整理例です。解約の予告期間や精算の条件は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください