家賃管理を委託するには。
入金・送金・滞納時の役割
家賃管理を委託する際は、集金の方法だけでなく、送金と未入金時の分担も確認します。通常月と家賃が入らない月を分けると、担当する仕事が見えます。この記事は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けの話は対象外です。
- 結論
家賃管理では、入金の確認から送金と報告までを契約で決めます。未入金時は保証の有無と条件を確認し、連絡・請求・結果の報告を担当ごとに整理します。
- 分けて確かめること
- 通常月:集金先・送金日・差し引く費用と明細を確認する
- 未入金月:確認、契約に応じた連絡・請求、入金確認、報告の担当を決める
- 例外時:保証対象外や紛争化した場合の相談先を確認する
01家賃管理では何を委託するのか

入金確認・未入金の把握・送金・報告
家賃管理には、請求する金額と実際の入金を照合し、結果をオーナーへ伝える仕事があります。委託する際は、誰が何の記録を確認するかを業務ごとに決めます。
| 仕事 | 確認する内容 | 契約前に聞くこと |
|---|---|---|
| 入金確認 | 対象の家賃月、請求額、入金額の照合 | 誰が収納先の記録を確認するか |
| 未入金の把握 | 未確認の入金と未払いの切り分け | 不一致があれば誰へ照会するか |
| 送金 | 送金額、差し引く費用、送金先 | どの契約の期日と方法に従うか |
| 報告 | 入金と未収、費用、対応の状況 | 明細や経過報告をどう受け取るか |
入居者がオーナーの口座へ直接支払い、管理会社が入金情報を確認する形も考えられます。口座へお金を受け取る担当と、未入金を把握する担当を同じだと決めつけないようにします。
家賃以外の業務も含めて委託する場合は、賃貸管理会社の仕事内容と委託範囲で全体を確認できます。この記事では、お金の確認と対応の分担に絞ります。
管理会社と保証会社で役割が異なる
管理会社は、管理委託契約に沿って家賃の確認や連絡などを担います。保証会社は、保証契約で定められた債務について、その条件に沿って対応する立場です。
保証会社が収納を代行する場合もあるため、会社の名称だけではお金の経路を決められません。管理委託契約と保証契約を並べ、確認する担当と送金する担当を整理します。
「家賃回収業者を探す」という言葉には、毎月の管理と既に発生した滞納の相談が含まれ得ます。新たな委託で過去の滞納も対応対象になるとは限らないため、依頼する範囲を伝えます。
金銭管理だけを行う事業は、賃貸住宅管理業法の「賃貸住宅管理業」には該当しません。家賃の回収に関わる事業者すべてに、同法の登録業者の義務を当てはめないようにします。
02通常月の家賃はどうオーナーに届くか

集金先・送金日・差し引く費用を確認する
通常月は、入居者の支払先とオーナーへの送金元を先に確かめます。管理会社や保証会社を経由するか、直接受け取るかによって、照合する明細や問い合わせ先が変わります。
次に、どの家賃月の分をいつ受け取る契約かを確認します。入居者の支払期限、収納先で確認できる日、オーナーへの送金日は、同じ日とは限りません。
| 確認する項目 | 契約・明細で見る内容 |
|---|---|
| お金の経路 | 入居者の支払先、収納担当、オーナーへの送金元 |
| 送金の条件 | 対象家賃月、締めの扱い、契約上の送金日 |
| 費用の扱い | 管理報酬、立替費用などの内訳と控除の根拠 |
| 金額の不一致 | 差額の照会先、訂正の方法、未処理分の扱い |
送金日には、契約で決まった期日を使います。休業日に当たる場合の扱いや、締め後に入った家賃をどの明細に載せるかも確認し、送金日が休業日の場合と、締め後の入金をいつ送金するかを管理会社に質問します。
送金額が家賃の合計より少ないときは、未入金だけが原因とは限りません。管理報酬や立替費用など、何を差し引いたかを確認し、契約上の根拠と承認の記録を照合します。
国交省の標準書式には、家賃等の引渡しを定める頭書の欄があります。これはひな形のため、記載欄があることを全社共通の送金条件と受け取らず、実際の契約を確認します。
送金明細と分別管理の方法を確認する
送金明細では、対象月の請求と入金、差し引く費用、送金額がつながるかを見ます。合計が合わない場合は、どの部屋のどの項目に差があるかを分けて問い合わせます。
登録業者が預かる家賃等には、自己の財産と分けて管理する義務があります。口座の区分に加え、どの管理受託契約に係る金銭かを帳簿等で判別できることも確認する点です。
分別管理の方法は、契約書の記載と説明を照合します。口座があるという回答だけで終えず、受領した金額とオーナーへ引き渡す金額をどう把握するかを聞きます。
登録制度の対象と、登録業者に課される義務は 賃貸管理会社とは で整理しています。
03家賃が入らない月は誰が何をするか

未入金の確認と連絡の担当を決める
入金が見当たらないときは、最初に対象家賃月と収納記録を確認します。明細への反映待ちや支払先の違いなどを調べ、支払いがないと確定できる状態かを切り分けます。
確認を担当する者と、入居者へ連絡する者は契約で決めます。保証会社が連絡を行う場合は、管理会社やオーナーから重ねて異なる案内をしないよう、連絡状況を共有します。
| 段階 | 担当者に確認すること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 確認 | 収納先と対象月を誰が照合するか | 請求額、入金状況、不一致の内容 |
| 契約に応じた連絡・請求 | 入居者への連絡と保証請求を誰が行うか | 連絡の結果、請求の受付状況 |
| 入金確認 | 入居者または保証会社からの入金を誰が照合するか | 支払元、対象債務、金額、残額 |
| 報告 | 結果と次の対応を誰がオーナーへ伝えるか | 完了した事項、未解決の事項、判断の依頼 |
この順序は、担当する仕事を整理するためのものです。連絡や確認を並行して行う場合もあり、特定の会社を必ず経由する送金順序を示したものではありません。
初動の具体的な確認は、家賃滞納時に確認することで扱っています。ここでは、契約ごとの担当と報告先を決めることに絞ります。
保証契約の対象・請求手続・支払条件を確認する
保証会社への加入が分かっても、その月の請求が自動的に完了するとは限りません。保証の対象と請求の方法、必要書類を確認し、誰が手続を進めるかを決めます。
- 対象:家賃や付随する費用のうち、何が保証されるかを確認する
- 手続:請求する担当と提出先、契約上の期限や必要な記録を確認する
- 支払い:審査や支払いの条件、送金先、結果の通知方法を確認する
請求を出した段階と、受理され支払いが決まった段階は分けて記録します。支払いの条件がまだ確認できていなければ、保証会社の支払条件が未確認なら、入金予定日の根拠と確定の状況を管理会社に確認します。
請求後に入居者から支払いがあった場合は、関係する担当へ情報を共有します。保証会社への連絡や精算が必要かを確認し、同じ債務について入金を重ねて計上しないようにします。
対象外や紛争化した場合の相談先を確認する
保証対象外の費用がある場合は、理由と対象の金額を分けて確認します。請求の補足資料が必要なのか、契約上の対象外なのかで、次に確認する相手と対応が変わります。
管理会社が行う連絡や督促の範囲は、委託内容と案件の状況によります。滞納が発生しただけで一律に対応できなくなるわけではなく、すべての交渉を任せられるわけでもありません。
国交省の標準書式のコメント(第14条関係)は、代理する業務で入居者が適法な請求等に応じず紛争となった場合、非弁行為に該当するため管理会社はその業務を実施できなくなると説明しています。管理業務全体が止まるという意味ではありません。支払義務や金額などに争いが生じたら、弁護士へ相談する範囲と引継ぎ先を確認します。
04委託後にオーナーが確認すること

未収金と保証会社からの入金を区別して把握する
保証会社から入金があったら、どの月のどの債務に対応したものかを確認します。オーナーが受け取った金額と、入居者による支払いの状況を一つの欄で済ませないようにします。
保証会社による支払いと、その後の入居者への請求の関係は保証契約によります。入金後に誰が何を確認するかを共有し、管理側で同じ金額を再び請求しないようにします。
| 区別する状態 | オーナーが見る点 |
|---|---|
| 入金が未確認 | 収納担当への照会が終わっているか |
| 保証請求の手続中 | 受付状況と次に必要な対応が分かるか |
| 保証会社から入金済み | 対象月・金額と残る未収が区別されているか |
| 対象外・未解決 | 理由と次の担当、相談先が記載されているか |
報告内容と判断を求められる事項を確認する
報告では、金額に加えて、対応済みの仕事と次に動く担当を確認します。回答や承認が必要な事項が埋もれないよう、オーナーが判断する内容を分けて示してもらいます。
通常の送金明細と、未入金の経過報告を受ける時期が同じとは限りません。契約に定める報告方法を確認し、進展があった場合や判断が必要な場合の連絡も決めます。
登録業者の定期報告義務があることと、希望する明細が毎月届くことは分けて考えます。必要な報告項目や頻度を契約で確認し、不足する情報は窓口へ問い合わせます。
明細の修正があった場合は、訂正前後の金額と理由を確かめます。翌月に調整される項目があれば、その対象を記録し、次の明細で処理されたことを確認します。
問い合わせには、家賃の対象月と明細の項目を添えます。単に送金が少ないと伝えるより、管理担当が契約条件や収納記録と照合する箇所を絞りやすくなります。
05当社でできること・できないこと
できること
- 家賃の入金経路と、確認・連絡・請求・報告の分担を整理する
- 当社の条件(全室の保証会社加入を管理開始の前提にすること・空室の月は管理料がかからないこと)をご説明する
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 保証契約の確認前に、滞納家賃の支払日や回収を保証すること
その修繕費が何か月で回収できるか、先に整理できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。登録制度と義務は「賃貸住宅管理業法」、国交省の「制度解説」「管理業者の業務」を参照しています。契約の確認項目は「賃貸住宅標準管理受託契約書とコメント」を参考にした実務上の整理です。標準書式はひな形であり、全社共通のサービスを示しません。登録情報は国交省の「登録業者検索」で確認できます。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください