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GUIDE / 入居者と建物のこと

退去の立会いで、
オーナーが見ておくべきところ

公開日:2026年9月7日 更新日:2026年9月7日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

退去の立会いは、原状回復で揉めないための場であると同時に、次の募集をいつ始められるかを決める場でもあります。ここを後回しにすると、空室期間がそのまま延びます。

この記事の結論
結論

立会いでやることは3つです。①状態を記録する ②負担の区分をその場で確認する ③次の工事の範囲を決める。この3つが揃うと、精算も募集も止まりません。

記録のしかた
  • 部屋ごとに、引きの写真と、傷のある箇所の寄りの写真を撮る
  • 撮った日付が残る形にする(スマートフォンで構いません)
  • 入居者にも同じものを見てもらい、その場で認識をそろえる
  • 確認した内容を書面にして、双方で持つ
その場で決めておくこと

どこがオーナー負担で、どこが入居者負担か。後日の見積書で初めて伝えると、必ず争いになります。原則は「通常の使い方でついたものはオーナー負担」です。

確定しないこと

負担の区分は、契約書の特約や個別の事情で変わります。ここに書いたのは一般的な考え方です。

01立会いは、いつやるか

退去の予告は多くの契約で1か月前です。その連絡を受けた時点で、立会いの日程を決めてしまいます。

時期やること
退去の連絡を受けたとき立会いの日程を決める(退去日当日か、翌日)
立会い当日記録・負担区分の確認・工事範囲の決定
立会いの翌日〜見積もり依頼/発注
工事完了後クリーニング → 写真撮影 → 掲載
立会いが1週間遅れると、そのまま募集開始も1週間遅れます。家賃8万円なら、それだけで約2万円です。

02見る順番

部屋を一周する順番を決めておくと、抜けがありません。

  1. 玄関(ドア・鍵・たたき・下駄箱の中)
  2. 居室(クロス・床・建具・窓・網戸・カーテンレール)
  3. キッチン(コンロ周りの油汚れ・シンク・排水・収納の中)
  4. 浴室・洗面・トイレ(カビ・水垢・パッキン・便座)
  5. 収納の中(かび臭さ・棚板)
  6. バルコニー(排水口・手すり・残置物)
  7. 設備(エアコンの効き・給湯器の点火・換気扇・照明)
  8. 鍵の返却本数(契約書の本数と合っているか)

とくに収納の中とバルコニーは見落とされます。残置物があると、処分費が後から出てきます。

03負担の区分を、その場で伝える

後日の見積書で初めて「これは入居者負担です」と伝えると、必ず揉めます。立会いの場で口頭でも確認しておくと、その後が進みます。

状態負担の考え方
日焼けによるクロスの変色オーナー
家具を置いた床のへこみオーナー
画鋲・ピンの穴オーナー(下地に達していなければ)
たばこのヤニ・におい入居者(ただし経過年数を考慮)
掃除不足による水回りのカビ・水垢入居者
下地まで達する傷・落書き入居者

入居者負担になる場合でも、経過年数に応じて負担割合は下がります。クロスなら6年で残存価値はほぼ無くなる、という考え方が使われます。

04その場で工事の範囲を決める

原状回復(元に戻す)と、空室対策(次を決めやすくする)は別物です。立会いの場で、両方をまとめて洗い出しておくと、発注が1回で済みます。

同じ業者にまとめて頼むと、出張費と養生の手間が1回で済みます。分けて発注するより安くなるのが普通です。

05オーナーが立ち会えないとき

管理会社が立ち会う場合でも、次を求めておけば同じことができます。

写真さえあれば、離れていても判断できます。「立ち会えないから任せきり」にしないことが、精算でも募集でも効きます。

06よくある質問

入居者が立会いを拒んだ場合はどうしますか

拒否された場合でも、退去後に室内を確認して記録を残してください。ただし一方的な確認は後から争いになりやすいので、写真の日付と、確認内容を書面で通知しておくことが大切です。

敷金の精算はいつまでに行いますか

契約書で期限が定められていることが多く、1か月以内としているものが一般的です。ご自身の契約書を確認してください。

鍵が1本足りないと言われました

鍵の本数は契約書に記載があるのが通常です。紛失であればシリンダー交換の費用が発生します。防犯上、返却本数が合わない場合は交換するのが基本です。

07当社でできること・できないこと

できること

  • 立会いで確認する項目の一覧をお渡しする
  • 写真と見積もりから、負担区分と工事の優先順位を整理する
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%)

できないこと

  • 個別の争いについて、法律上の判断を示すこと(弁護士の領域です)
  • 入居者との精算交渉を、オーナーに代わって最終決定すること
  • 契約書の特約が有効かどうかを断定すること
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この記事について
原状回復の負担区分は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもとづく一般的な整理です。実際の判断は契約内容と個別の事情によります。