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分譲マンションの賃貸管理
管理組合との違いと貸す準備

公開日:2026年10月05日 更新日:2026年10月05日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

分譲マンションを貸すときは、建物の管理と貸した部屋の管理を分けて確認します。管理会社が付いていても、入居者対応まで任せられるとは限りません。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの貸す準備で、管理組合・入居者向けの解説は対象外です。

この記事の結論
結論

管理組合からの委託とオーナーからの委託では、契約の当事者が異なります。会社名ではなく契約上の役割を確認し、依頼する業務と担当窓口を書き出します。

貸す前にそろえるもの
  • 窓口:共用部・室内設備・家賃の相談先と時間外の連絡方法
  • 規約:最新版の管理規約・使用細則と入居者への案内
  • 支出:管理組合への支払いと賃貸管理の委託料
  • 委託範囲:受付・手配・承認・報告を担当する人
判断の出発点

室内にある設備でも、専有部分に属するとは限りません。管理規約や図面で区分を調べ、修理の手配先と費用負担者をそれぞれ確認します。

01管理組合側と賃貸管理側を分けます

建物の管理と入居者対応の二系統を分けて示す図

共用部・敷地と入居者・専有部の役割

区分所有法第3条は、区分所有者全員で構成する団体を定めています。建物や敷地、附属施設の管理を行う団体で、通常は管理組合と呼ばれます。部屋を貸しても、所有者は引き続き構成員です。

一般に、管理組合側は共用部や敷地などを管理します。賃貸管理側は、オーナーとの契約に沿って貸室の維持保全や入居者対応を担います。募集や家賃回収も含むかは、委託先に確認します。

同じ会社が両方の業務を受ける場合もあります。管理組合からの業務案内とオーナーの管理委託契約書を照合します。入居者対応の記載がなければ、依頼できる業務と契約手続を問い合わせます。

委託する業務の全体像は、賃貸管理会社の役割で確認できます。次の表を使い、対象ごとの窓口と確認書類を書き出します。

共用部の不具合と室内設備の連絡先

対象窓口確認書類
廊下・エントランスなどの共用部管理組合側の指定窓口管理規約・使用細則・連絡先案内
貸室の設備の故障や入居者からの相談オーナーまたは委託した賃貸管理会社賃貸借契約書・設備表・管理委託契約書
家賃の支払い・入金確認契約で定めた家賃管理の担当賃貸借契約書・管理委託契約書
配管など区分が分かりにくい設備事前に決めた受付窓口から関係先へ照会管理規約・図面・設備資料

入居者には、通常の相談先と時間外の連絡方法を案内します。原因が分からない不具合については、最初に連絡する窓口も記載します。受付後に他方へ照会する担当を、双方の窓口と決めておきます。

漏水など被害が広がるおそれがある場合は、指定の緊急窓口へ連絡します。発生場所・症状・写真を共有し、応急対応の手配と費用負担の確認を進めます。

02規約を受け取り、入居者への伝え方を決めます

管理規約の内容を入居案内へ反映する手順の図

ペット・楽器・ごみ出し・駐輪の確認

貸す前に、管理組合側から最新の管理規約と使用細則を受け取ります。購入時の資料だけでは、その後の変更が分からない場合があります。使用方法に関する集会の決議や、別配布の利用案内も確認します。

区分所有法第46条第2項は、占有者の使用方法に関する義務を定めています。入居者も、建物・敷地・附属施設の使用方法について義務を負います。規約や集会の決議に基づき所有者が負う義務と同じです。

項目確認する内容反映する先
ペット飼育の可否・条件・必要な届出募集条件・賃貸借契約・入居案内
楽器演奏の可否・時間帯・使用上の条件募集条件・賃貸借契約・入居案内
ごみ出し集積所・分別・搬出方法などの決まり入居案内
駐輪利用手続・利用場所・使用料の扱い募集時の説明・入居案内

規約上使える設備でも、利用申請が必要な場合があります。駐輪などは、空き状況と利用開始までの手続を管理組合側に確認します。募集資料には、確認した利用条件と申請の要否を記載します。

募集条件を広げる検討は、ペット可・二人入居などの条件を見直す記事で扱います。変更したい条件を規約と照合し、不明点は募集前に管理組合側へ照会します。

賃貸借契約と入居案内への反映

規約の写しと併せて、暮らしに関わる決まりを入居案内にまとめます。募集資料と賃貸借契約の条件を照合します。説明に違いがあれば、契約前に資料を修正し、入居予定者へ説明します。

案内には、参照した規約や細則の名称と、記載されている改定日を添えます。交付した資料と説明の記録も残します。貸した後の変更通知については、受取人と入居者への伝達担当を決めておきます。

ごみの問題が起きた後の対応は、入居者のごみ出しトラブルへの対応で確認できます。入居案内には集積所の場所と利用方法を記載し、引渡し時に説明します。

オーナーの承諾だけで、管理規約の制限を解除できるとは限りません。規約と異なる条件は、そのまま約束しないようにし、必要な手続や可否を管理組合側へ確認します。

03管理費・修繕積立金を支出として整理します

管理費と修繕積立金を家賃収入と分けて考える図

管理組合への支出と管理委託料の違い

一般に、管理費と修繕積立金は所有者が管理組合へ支払います。賃貸管理会社への管理委託料とは別の支出欄に記入します。規約と請求通知を確認し、支払先・金額・支払方法を転記します。

支出整理する内容確認する資料
管理費管理組合へ支払う金額と支払方法管理規約・請求通知
修繕積立金現在の支払額と変更予定の有無管理規約・総会議事録・修繕計画
管理委託料賃貸管理の報酬と対象となる業務管理委託契約書・見積書
個別の修理等の費用費用負担・事前承認・精算の方法規約・賃貸借契約書・管理委託契約書

入居者から受け取る共益費や管理費は、賃貸借契約に基づく収入です。管理組合へ支払う管理費とは別の欄に記録します。名称が同じでも、金額や支払義務が連動するとは限りません。

収支表では、家賃などの収入から各支出を差し引きます。送金時に控除済みの委託料は、重ねて差し引かないよう明細と照合します。空室中も続く支出は、規約や契約で確認して記入します。

収納や送金の委託範囲は、家賃管理を委託するときの確認事項で扱います。送金明細の項目が分からない場合は、委託先へ内訳を照会します。

修繕計画・議事録で将来の支出を確認

修繕計画と総会議事録から、積立金の変更や一時金の記載を探します。該当箇所を控え、検討中か決議済みかを記入します。計画に金額が載っていても、支払いが決まったとは限りません。

変更が決議済みの場合は、適用時期と支払方法を収支表に反映します。資料だけでは判断できなければ、該当箇所を示して管理組合側へ照会します。回答は、確認日と担当窓口とともに保存します。

修繕計画は将来の工事や資金計画を確認する資料です。実際の負担の有無や金額は、規約・決議・請求通知等を照合して確認します。

支出が増えても、家賃で全額回収できるとは限りません。決定済みの支出を収支表に反映し、未決定の変更案は別欄に記録して見直し時に確認します。

04貸す前にオーナーが決めることをまとめます

貸す前に委託範囲と連絡方法を確認するための図

自主管理か委託か、任せる業務を決める

入居者対応を自分で行うか、管理会社へ委託するかを決めます。一部を任せる場合は、残る業務の担当も書き出します。管理組合側の対応範囲と照合し、担当が未定の業務は引渡し前に割り当てます。

国交省の標準管理受託契約書は、賃貸住宅の一棟全体を対象とするひな形です。分譲住戸を貸す場合は、対象住戸と委託業務を個別に記載します。共用部など管理組合側が扱う範囲との重複も確認します。

登録業者には、原則として契約前の重要事項説明と、契約締結時の書面交付の義務があります。説明時に業務範囲と費用を確認します。契約後は交付書面と照合し、相違があれば訂正を求めます。

委託へ移る準備は、自主管理からの切替で確認できます。契約を比べる際は、管理会社の選び方を参照してください。

規約・連絡先・支出を確認して引き渡す

引渡し前には、集めた資料と決めた担当を照合します。口頭で合意した事項は、案内や契約書面に反映します。次の表を使い、未確認の項目に確認先・担当・回答内容を記入します。

最終確認確認する相手決めて残すこと
規約・使用細則管理組合側の窓口最新版の資料と入居者への交付担当
届出・利用申請管理組合側の窓口賃貸時に必要な手続と提出担当
連絡先賃貸管理の担当・管理組合側の窓口通常時・時間外の受付と相互の連絡方法
毎月と将来の支出管理組合側の窓口・委託先金額・支払方法・決定済みの変更
委託範囲賃貸管理の担当業務の担当・修理の承認条件・報告方法
確認を終えたら、入居者向け案内を交付し、オーナー用の控えを保存します。連絡先や規約の変更時に、誰が案内を更新して再交付するかまで決めて引き渡します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理規約等を確認し、賃貸管理としてお引き受けする業務の範囲をご案内する
  • 設備の設置・変更を検討する際に、規約上の制限と管理組合側への申請の要否を確認する
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 管理規約や必要な承認手続に反する設備の設置・変更を行うこと
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

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この記事について
管理組合の構成と使用方法に関する占有者の義務:建物の区分所有等に関する法律(第3条・第46条第2項)。一棟全体を対象とするひな形と業務区分・報酬・報告の確認:国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」。登録業者の説明・書面交付等の義務:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください