自主管理から管理会社に切り替えるとき、
何が変わって、いくらかかるのか
賃貸管理の記事は「いまの管理会社から別の管理会社へ乗り換える」話がほとんどです。しかし自分で管理してきたオーナーが、初めて委託するときは論点がかなり違います。解約予告も違約金もない代わりに、引き継ぐ情報を持っているのが自分しかいないからです。
- 結論
管理委託料の相場は家賃収入の3〜5%です。6戸・家賃8万円なら、月1.4万〜2.4万円が目安になります。ただし本当の負担は費用ではなく、引き継ぎに必要な書類がそろっていないことです。
- お金の話
- 委託料は家賃収入に対する料率。空室の部屋には家賃が出ないので委託料もかからない
- 金額より「委託料に入っていない業務は何か」で比べたほうが実態に近い
- いま自分でやっている作業にも、時間という費用が発生している
- 切り替えに向いている時期
入居者の入れ替わりが少ない4〜5月・7〜8月・11〜12月。繁忙期の1〜3月は、引き継ぎと募集が重なります。
- 見落とされやすいこと
委託しても募集条件・設備投資・入居審査の可否・売却の判断はオーナーに残ります。管理会社の役割は「判断を代わりにすること」ではなく「判断に必要な材料を出すこと」です。
01手元に残る家賃は、実際どう変わるのか
管理委託料は家賃収入に対する料率で決まるのが一般的で、相場は3〜5%です。空室の部屋には家賃が発生しないので、委託料もかかりません。
| 前提 | 金額 |
|---|---|
| 6戸・家賃8万円・満室 | 家賃収入 月48万円 |
| 委託料 3%の場合 | 月14,400円(年 172,800円) |
| 委託料 5%の場合 | 月24,000円(年 288,000円) |
ここで見落としやすいのが、いま自分でやっている作業にも、すでに費用が発生していることです。
- 入居者からの連絡を受けるための携帯代と、その時間
- 共用部の清掃を業者に頼んでいる場合はその費用
- 家賃の入金確認と、遅れたときの督促にかかる時間
- 退去のたびに立ち会い、原状回復の見積もりを取る時間
02委託料に「入っていない業務」で比べる
料率だけを見比べると、実態を読み違えます。同じ「3%」でも、次の業務が含まれるかどうかで内容がまったく変わります。
| 業務 | 確認したいこと |
|---|---|
| 入居者募集 | 委託料に含まれるのか、成約時に別途の報酬が発生するのか |
| 客付けの広告料(AD) | 誰が負担するのか。オーナー負担なら家賃の何か月分か |
| 入居者対応 | 夜間や休日も受けるのか。受けない時間帯は誰が受けるのか |
| 共用部の点検・清掃 | 回数と、報告が出るかどうか。別料金かどうか |
| 家賃の督促 | 何日遅れたら動くのか。保証会社を使うのか |
| 原状回復・修繕 | 委託料の外か。相見積もりを取れるか |
| 更新手続き | 更新事務手数料が別に発生するか |
「月額管理料0円」と打ち出している会社もあります。この場合、募集や工事など別のところで収益を取る設計になっているのが通常です。良し悪しではなく、どこで採算を取っているのかを聞いておくと、後から食い違いません。
03いちばん詰まるのは、費用ではなく書類
管理会社から管理会社への乗り換えでは、旧会社が管理台帳や鍵の管理表を持っています。自主管理では、それを持っているのが自分だけです。そして、そろっていないことが多い。
| 書類 | なぜ要るか |
|---|---|
| 入居者ごとの賃貸借契約書 | 更新時期・賃料・特約の確認。無いと更新を打てません |
| 敷金の預り一覧 | 退去精算の基準になります。金額が分からないと精算できません |
| 入居者の連絡先と緊急連絡先 | 管理会社の変更通知を出すために必要です |
| 鍵の本数と保管場所 | 内見の対応速度に直結します |
| 修繕の履歴 | 設備の交換時期の判断材料。将来の売却でも効きます |
| 保証会社・保険の契約内容 | 切り替え後も継続できるかを事前に確認します |
| 家賃の入金状況(直近1年) | 滞納の有無で、引き継ぎ直後の動き方が変わります |
そろっていなくても切り替えはできます。ただしそろっていない項目は、引き継ぎ後の最初の数か月で必ず問題として出てきます。先に把握しておくと、その分だけ立ち上がりが早くなります。
04切り替えに向いている時期
賃貸の繁忙期は1〜3月と、異動の多い9〜10月です。この時期は引き継ぎ作業と入居者募集が重なるため、どちらも中途半端になりやすくなります。
逆に、比較的落ち着いている4〜5月・7〜8月・11〜12月は、書類の整理と現地確認に時間を取れます。空室がある場合は、繁忙期に間に合うよう11〜12月に切り替えて、1月から募集をかけるという組み立て方もあります。
05委託しても、判断はオーナーに残る
委託すると「全部おまかせ」になると思われがちですが、実際には次はオーナーの判断のまま残ります。
- 募集条件(賃料・敷金礼金・フリーレント・ペット可などの条件)
- 設備を交換するかどうか、いくらまで出すか
- 入居希望者を受けるかどうかの最終判断
- 売却するかどうか
06よくある質問
途中から委託すると、入居者に迷惑がかかりませんか
変更日の1か月前までに、新しい振込先・問い合わせ先・緊急連絡先を書面で通知するのが通常の流れです。入居者側の手続きは振込先の変更だけで済むことがほとんどです。
一部の部屋だけ委託することはできますか
建物単位で受けるのが一般的です。募集だけを頼む(管理は自分で続ける)という形なら、部屋単位でも成立します。
いま空室が続いていますが、委託すれば埋まりますか
埋まるかどうかは、募集条件・部屋の状態・設備・掲載のされ方で決まります。委託そのものが空室を埋めるわけではありません。まずいまの賃料が相場のどのあたりで、募集の入口に問題がないかを確認するのが先です。
07当社でできること・できないこと
できること
- いまの賃料が相場のどのあたりかを、公開データで整理してお渡しする
- 引き継ぎに必要な書類の確認をお手伝いする
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%)
できないこと
- 手元にない契約書や敷金の記録を、こちらで作り直すこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで相談を始める 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。管理委託料の相場(家賃収入の3〜5%)は、国土交通省「賃貸住宅標準管理委託契約書」および複数の管理会社が公開している料金表にもとづく一般的な水準です。実際の料率と業務範囲は会社ごとに異なります。