賃貸管理会社の選び方。
契約前に確認する書類と質問
管理会社を選ぶときは、物件の条件と任せたい仕事から候補を絞ります。同じ質問への回答と確認資料を並べると、違いを見つけやすくなります。この記事は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けの話は対象外です。
- 結論
候補を探す前に依頼内容を整理し、回答の根拠となる資料を確認します。契約前の説明と最終の契約内容が一致するところまで確かめます。
- 比較の順番
- 所在地・物件種別・任せたい業務を伝え、受託できるかを聞く
- 募集・入居者対応・修繕について、担当と報告方法を聞く
- 契約前の説明事項と、提示を依頼する資料を分けて照合する
01物件と依頼内容に合う候補会社を探す

物件所在地・種別・任せたい業務を整理する
まず、物件のある地域と建物の種別、現在困っている仕事を整理します。会社の規模や印象から先に決めるより、依頼したい内容を引き受けられるかを確認しやすくなります。
一棟の管理と、区分所有する部屋の賃貸管理では、依頼する範囲が異なります。共用部分の管理を誰が担っているかも含め、今回任せる対象を明確にして伝えます。
| 伝える項目 | 整理する内容 |
|---|---|
| 物件の条件 | 所在地、建物種別、依頼対象の部屋や共用部分 |
| 現在の管理 | 自主管理か委託中か、続けたい業務と変えたい業務 |
| 任せたい仕事 | 募集、入居者対応、家賃管理、点検や修繕の手配 |
| 判断の分担 | オーナーが承認したい事項と連絡できる方法 |
何を依頼できるか迷う場合は、賃貸管理会社の仕事内容と任せられる範囲を先に確認します。必要な仕事が見えてから候補へ伝えると、回答の前提がそろいます。
現在の委託内容が分からなければ、いまの管理状況を確認する手順が入口です。不満の印象だけで条件を作らず、確認できた事実と希望を分けて整理します。
紹介・検索で候補を探し、登録情報を確認する
紹介や会社のウェブサイトから候補を探す際は、物件の地域と必要な業務への対応を確認します。紹介した人の物件と自分の物件で条件が違う場合は、同じサービスを受けられるかを聞きます。
「対応地域」と書かれていても、日常の連絡窓口と現地へ行く担当が同じとは限りません。所在地への訪問が必要になった場合の手配方法を、候補会社へ具体的に尋ねます。
国交省の登録業者検索は、登録情報を確認する手段です。対応地域や受託条件を比較して依頼先を決める機能とは分けて使い、受託の可否は会社から回答を受けます。
登録制度の対象と、登録業者に課される義務は 賃貸管理会社とは で整理しています。
02管理体制を具体的な質問で確かめる

募集方法と空室時の報告内容を聞く
募集については、どの方法で入居希望者へ情報を届け、反響をどう確かめるかを聞きます。募集を始めることと、その後の状況を見て提案することを分けて質問します。
空室時の報告は、結果だけでなく次の判断につながる内容があるかを見ます。募集条件の変更を提案する場合は、根拠となる情報とオーナーの承認方法を確認します。
- 募集の開始:必要な資料と、情報を整えて募集を進める担当を聞く
- 状況の報告:問い合わせや内見の状況を、どの方法で受け取るかを聞く
- 改善の提案:条件や見せ方の変更を、何を根拠に提案するかを聞く
入居者対応・修繕・再委託の担当と窓口を聞く
入居者対応は、受付窓口と実際に対応する担当を分けて確認します。時間外の問い合わせを受ける仕組みがあっても、現地へ出向く条件は別に定められている場合があります。
修繕では、見積りの取り方と発注前の承認方法を聞きます。緊急時に承認を待てない場合の扱いも、一般的な説明で終えず、提案する契約のどの条項に当たるかを確かめます。
| 質問する項目 | 回答で確認する内容 |
|---|---|
| 入居者の窓口 | 受付時間、時間外の連絡先、対応担当への伝達 |
| 修繕の手配 | 状況確認、見積り、承認、発注、完了報告の分担 |
| 再委託 | 対象業務、実施主体、連絡窓口、責任の所在 |
| 担当が不在の場合 | 代わりの窓口と、対応履歴を共有する方法 |
再委託する業務・委託先・連絡窓口・管理会社の責任は、重要事項説明書と契約書案で確認します。外部へ任せる仕事があっても、オーナーへの報告や問い合わせを誰が引き受けるかを聞きます。
登録業者には、管理業務を一括して他へ再委託することの禁止があります。一部の再委託と区別し、個別の業務と責任の分担を確認します。
実績数値の対象・期間・計算方法を聞く
入居率や管理戸数などの実績が示されたら、その数字の対象を聞きます。地域や物件種別、集計期間が異なれば、自分の物件の管理体制を判断する材料としての意味も変わります。
計算方法が分からない数字は、同じ名称でも単純に比較できません。一定の数値を超えたら選ぶという基準にはせず、依頼する物件に関係する説明があるかを確かめます。
03契約前の説明と提示資料を照合する

重要事項説明と契約書案で業務範囲を確認する
登録業者との管理受託契約では、原則として契約前に書面を交付した重要事項説明を受けます。業務内容や実施方法、報酬などを、依頼する物件の条件に沿って確かめます。
契約締結時の書面交付は、契約前の説明とは別の段階です。契約前に契約書案の提示を依頼することと、締結時の法定の書面交付を混同しないようにします。
| 区分 | 確認する内容 | 資料の位置付け |
|---|---|---|
| 契約前に説明を受ける事項 | 業務の内容・実施方法、報酬、再委託等 | 登録業者の重要事項説明で確認する |
| 契約前に提示を依頼する資料 | 契約書案、業務一覧、費用の内訳 | 提案と条項の対応を調べるために依頼する |
| 契約締結時に確認する書面 | 確定した契約条件 | 契約前の説明や合意内容と照合する |
説明を聞いて生じた質問は、契約書案の該当箇所に対応させます。依頼した仕事が別紙に記載される場合は、その別紙も最終の契約に含まれるかを確認します。
法令上の例外や電磁的方法での提供には所定の扱いがあります。オンラインで進める場合も、説明資料と確定した契約書面を後から確認できるようにします。
報告書見本で分かることを確認する
報告書の見本は、契約前に提示を依頼する資料です。見本の交付自体を一律の法定義務とはせず、依頼予定の業務で何が報告されるかを確認するために使います。
見本を見るときは、完了した作業だけでなく、未対応の案件や判断待ちが分かるかを確認します。送金明細と管理業務の報告が別なら、両方の関係を説明してもらいます。
見本に載っている項目が、提案された契約で必ず報告されるとは限りません。報告の頻度や方法、質問できる窓口も確認し、見本と契約条件を照合します。
報酬・別途費用・解約・引継ぎを確認する
管理報酬と業務に伴う別途費用は、内訳を分けて確認します。国交省の標準書式でも欄が分かれていますが、ひな形の記載を全社共通の料金やサービスと受け取らないようにします。
終了条件では、解約予告の方法と期間、終了時の精算や引継ぎを確認します。変更の具体的な手順は、管理会社を変更する手順に分けて整理しています。
04同じ質問への回答を並べて判断する

回答と確認資料を比較表に記録する
比較表には、回答だけでなく確認した資料を併記します。良さそうという印象を記録するより、後から契約書のどこを読み直せばよいかが分かる形にします。
次の表は、候補ごとに同じ項目を記入するための型です。回答がない欄は空欄のまま理解した扱いにせず、未確認事項として次の質問に回します。
| 同じ質問をする項目 | 候補ごとの回答欄 | 確認資料 | 未確認事項 |
|---|---|---|---|
| 必要な業務をどこまで任せられるか | 対象と作業の範囲を記入 | 業務一覧・契約書案 | 対象外の作業を確認 |
| 修繕は誰が承認し、誰が発注するか | 担当と承認方法を記入 | 説明資料・契約条項 | 緊急時の扱いを確認 |
| 何がいつ報告されるか | 内容と頻度を記入 | 報告書見本・契約書案 | 見本と実際の違いを確認 |
| 何が別途費用になるか | 項目と発生条件を記入 | 費用内訳・見積書 | 請求方法を確認 |
未確認事項を残さず、契約内容と照合する
候補から補足の回答を受けたら、比較表と資料の該当欄を更新します。担当者の説明と契約書案が食い違う場合は、どちらの条件で引き受けるのかを確認します。
確認できない条件が残った場合は、確定済みとして契約を進めないようにします。必須の業務なのか、別途手配できるのかを整理し、判断に必要な回答を求めます。
選ぶ際は、必要な業務を引き受けられ、条件を資料で確かめられるかを見ます。契約後の確認に使えるよう、質問への回答と合意した書面をひとまとめにして保管します。
必要な仕事に優先順位を付けると、回答の違いを判断しやすくなります。オーナー自身で続ける仕事があるなら、その前提が各社の提案にも反映されているかを確かめます。
契約書案が修正された場合は、追加された条件だけでなく関連する別紙も読み直します。比較表に書いた回答と、最終的に合意する条件がずれていないかを確認します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 物件の条件と任せたい業務から、契約前に聞く項目を整理する
- 同じ質問票に当社の回答を書いてお渡しする
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 登録情報や実績の数字だけで、候補会社の対応品質を断定すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。登録制度と義務は「賃貸住宅管理業法」、国交省の「制度解説」「管理業者の業務」を参照しています。契約の確認項目は「賃貸住宅標準管理受託契約書とコメント」を参考にした実務上の整理です。標準書式はひな形であり、全社共通のサービスを示しません。登録情報は国交省の「登録業者検索」で確認できます。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください