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転勤で家を貸す前に
ローンと帰任予定を確認

公開日:2026年11月01日 更新日:2026年11月01日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

転勤中だけ家を貸したくても、帰任日に合わせて戻れるとは限りません。借入先の回答、帰任予定、契約の終了条件の順に確認します。この記事は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

住宅ローン返済中なら、貸出条件を決める前に借入先へ相談します。帰任後の再入居に向けて、契約の終了条件と明渡し後の作業を管理会社に確認します。

検討する順序
  • 借入契約書と居住予定をそろえ、賃貸の可否と手続きを確認する
  • 帰任が予定どおり・前倒し・延長の場合を整理する
  • 契約方式と期間を検討し、説明・終了通知の担当を決める
再入居の見通し

帰任予定日、契約満了日、明渡し日、再入居日は分けて記録します。帰任が早まる場合に備え、仮住まいの候補と必要な費用を家族で確認します。

01住宅ローンの借入先へ先に確認する

住宅ローンの契約書を手元に借入先へ確認する場面

借入契約書と本人・家族の居住予定を整理する

住宅ローン返済中の家を貸せるかは、個別の借入契約や借入先の判断によります。転勤を理由に自己判断せず、賃貸の計画を借入先に伝えて確認します。

まず借入契約書と約款、契約変更の書類を用意します。居住に関する条件や届出の規定に印を付け、不明な箇所を質問として書き出します。

本人だけが転居する場合と、家族も転居する場合を分けて伝えます。家族が残る予定なら、貸す部屋や範囲も示し、その計画で賃貸できるかを確認します。

整理する事項借入先へ伝える内容
転勤の予定転勤期間と帰任予定の確度。未定の部分は未定と伝える
本人・家族の居住誰が転居し、誰が住み続ける予定か
賃貸の予定貸す範囲、貸し始めたい時期、想定する賃貸期間
手元の契約居住条件や届出に関する条項、変更済みの条件

勤務先の通知など、転勤の事情を示す資料も手元にそろえます。借入先に提出が必要かを尋ね、指定された書類と提出先を記録します。

賃貸の可否・必要書類・回答を記録する

借入先には、賃貸の可否だけでなく、承認や届出の手続きも確認します。必要書類、手続きの完了条件、借入条件への影響をまとめて尋ねます。

相談した日、担当窓口、伝えた事情、回答内容を記録します。電話での回答は要点を整理し、書面やメールで確認できるかも尋ねておきます。

借入先への確認が済むまで、入居可能日を確約しないようにします。承認や届出が必要な場合は、手続きの完了を確認してから募集条件や引渡し日を確定します。

条件付きの回答なら、満たすべき条件と対応状況を管理会社にも共有します。貸出期間や家族の居住予定が変わる場合の連絡先も、借入先に確認します。

この確認手順は編集部の実務提案です。民法を、転勤時の賃貸を一律に認める根拠として扱うものではありません。回答が曖昧なら、未回答の質問をまとめて借入先へ再相談します。

02帰任予定の確度から貸出期間を考える

帰任が予定どおりの場合と早まる場合、延びる場合の分岐

予定どおり・前倒し・延長を整理する

借入先の回答を確認したら、帰任予定の確度を整理します。勤務先から確定している事項と、本人の希望や見込みを分けて書き出します。

自宅へ戻りたい時期を管理会社に伝え、契約期間の案を出してもらいます。各案について、帰任が前倒し・延長になった場合の対応を確認します。

帰任の変化住まいへの影響契約前の確認
予定どおり帰任と明渡しの時期が合わない可能性がある明渡し予定日と、室内確認・修繕の段取り
前倒し契約期間中は自宅へ戻れない可能性がある貸主からの途中終了の可否と、仮住まいの確保方法
延長満了後も自宅を使わない期間が生じる可能性がある再契約を検討する時期と、借入先への再確認

帰任予定が変わる見込みをいつ確認できるか、勤務先に尋ねます。確認時期も未定なら、その旨を管理会社に伝え、次に相談する時期を決めます。

定期借家の満了後も貸したい場合は、入居者へ再契約の意向を確認します。双方が希望する場合も、借入先の条件と新たな契約期間を確認して進めます。

早期帰任時の仮住まいも検討する

早く帰任する可能性があるなら、仮住まいの候補を調べます。家賃や引越しの見積もりを取り、自宅に戻るまでの支出を家族で確認します。

家族の通学先や勤務先までの移動経路も、候補ごとに確認します。仮住まいで暮らせる期間を家族で話し合い、契約期間の案と照らし合わせます。

鍵が返っても、室内の状態によってはすぐに生活を始められません。管理会社に室内確認と修繕・清掃の手配を依頼し、作業予定から再入居日を検討します。

帰任予定日と再入居日は別に管理します。明渡しや修繕の予定が決まるまでは、引越し先を自宅に確定せず、仮住まいの手配期限も確認します。

03普通借家と定期借家の終了条件を比べる

普通借家と定期借家の終了条件を二つの契約書で比較

普通借家の更新拒絶等の要件を確認する

普通借家では、期間が満了すれば必ず返してもらえるわけではありません。貸主からの更新拒絶や解約の申入れには、正当事由などの要件があります。

正当事由は、貸主と借主双方の建物を必要とする事情などから判断されます。帰任して自宅を使いたいという事情だけで、結論は決まりません。

これまでの契約経過や建物の利用状況・現況なども考慮されます。立退料の提示だけで終了できるとは限らないため、関連資料をそろえて専門家へ相談します。

更新拒絶等の正当事由は、[借地借家法第28条](https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090)を参照しています。通知の時期や契約条項を含む具体的な判断は、契約書を用意して弁護士等へ確認します。

帰任時の退去を定める特約案があれば、募集前に弁護士等へ効力を確認します。貸主の希望を伝えたことや借主の署名だけで、有効と判断しないようにします。

定期借家の満了と途中終了を分けて考える

定期借家は、法定の要件を満たせば更新がなく、期間満了で終了する契約です。ただし、満了による終了と、期間途中に貸主が終了させることは別の問題です。

中途解約条項がある場合は、誰が、どの条件で解約できる条項かを確認します。借主向けの条項を、貸主の帰任時にも使えると読み替えないようにします。

比較する点普通借家定期借家
期間満了更新があり、貸主の更新拒絶には要件がある有効に成立すれば更新がなく満了で終了するが、必要な終了通知も確認する
貸主の帰任帰任だけで当然に終了するものではない帰任だけで期間途中に終了するものではない
契約前の重点更新・解約条項と法令上の要件契約方式、事前説明、終了通知の管理
帰任だけで明渡しを求められるとは限りません。途中終了を希望する場合は、契約書と帰任事情を示す資料を弁護士等へ渡し、可否と手順を確認します。

合意による終了を検討する場合は、入居者への打診方法を管理会社と相談します。合意できた条件は書面に残し、明渡し日や精算方法も確認します。

契約内容の記載と保管の基本は、賃貸借契約書の作成・保管で確認できます。帰任予定に関わる条項は、使用する契約書で該当箇所を確認します。

04定期借家の成立と終了を一緒に確認する

定期借家の終了通知をカレンダーと通知用封筒で管理

契約方式と契約前の説明を確認する

定期借家では期間を定め、書面または電磁的記録で契約します。契約書の名称だけで判断せず、更新がない旨の定めと事前説明の手順を確認します。

貸主は契約前に、契約書とは別の書面を借主へ交付して説明する必要があります。説明するのは、更新がなく期間満了で終了することです。

法定の事前説明をしなかった場合、更新がない旨の定めは無効になります。署名だけで済ませず、説明書面と契約締結前に説明する日程を確認します。

管理会社に説明を任せる場合は、代理して行う担当者と依頼内容を確認します。説明した日、使用した書面、交付・説明の実施記録を保管します。

説明書面を電子で提供する場合は、借主の承諾など法定の要件を確認します。契約の電子化とは別に、承諾・提供・説明の記録を保管する手順を決めます。

終了通知の要否・期限・担当を決める

期間が1年以上の定期借家では、満了の1年前から6か月前までに終了通知が必要です。期間満了で終了する旨を、その期間内に借主へ到達させるよう手配します。

期間内に通知しないと、満了による終了を借主に対抗できません。通知期間の経過後に通知した場合は、借主への到達から6か月経過後に終了を主張できます。

契約方式・事前説明・終了通知は、[借地借家法第38条](https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090)を参照しています。1年未満なら同条の終了通知は不要ですが、契約上の通知条項や明渡しの連絡は別途確認します。

管理する記録契約時に決めること保管・確認する内容
事前説明実施担当者と説明方法説明書面、交付・説明の実施記録
終了通知の予定通知の要否、通知期間、実施担当者通知期間の始期・終期と発送予定日
終了通知の実施送付方法と到達確認の担当者通知の控え、発送・到達を確認できる記録
明渡し後の対応室内確認と修繕手配の担当者鍵の返却、室内の状態、再入居までの対応

通知予定と到達状況は、オーナーも確認できる一覧に記録します。郵便が返送された場合や到達を確認できない場合は、期限前に弁護士等へ対応を相談します。

管理会社が通知を代行するかは、委託する業務の内容によります。管理委託契約書の読み方を参考に、代行の範囲と報告方法を書面で確認します。

再契約を相談中でも、終了通知の期限を担当者と確認します。再契約がまとまらない場合に備え、通知の実施と再契約の協議を分けて記録します。

募集から引渡しまでの一般手順は家を貸す流れへ、転勤中の現地対応は遠方物件の管理へ進んでください。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 契約書と帰任予定をもとに確認事項を整理する
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 帰任した日に必ず再入居できると保証すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
根拠法令:[民法](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)、[借地借家法](https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090)。民法は個別契約を確認する法的基礎として参照し、住宅ローンの賃貸転用を一律に認める根拠とはしていません。借入先への確認、帰任シナリオの整理、担当と記録の管理は編集部の実務提案です。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください