空室管理は誰に任せる?
室内作業と委託条件の決め方
空室中の室内管理を頼むときは、通風・通水・室内確認を分けて相談します。契約書と住戸の設備情報を用意し、依頼する作業を書き出しましょう。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの空室管理で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 結論
現在の管理会社へ契約範囲を確認し、住戸別の作業表と委託条件を合わせて相談します。実施する作業だけでなく、できない場合の報告も決めます。
- 相談前にそろえるもの
- 現在の契約書と、室内管理を頼みたい住戸の情報
- 設備・給水・電気の状況と、湿気や臭いの履歴
- 訪問時期、異常時の連絡、追加承認、終了条件の希望
- 費用を見るとき
見積書では、通常の確認と、異常発見後の調査・補修を別の項目にしてもらいます。各項目の費用と、着手前の承認が必要かを確認します。
01空室管理を任せる前に住戸の条件を整理する

管理会社へ現在の契約範囲と担当を確認する
まず現在の管理会社に、空室住戸の室内作業が契約に含まれるかを尋ねます。契約書の該当箇所を示してもらい、対象住戸と実際の作業内容を照合します。
室内で作業する担当と、報告を受け付ける窓口を確かめます。別の事業者が訪問する場合は、作業表を渡す担当と異常時の連絡担当を記載してもらいます。
契約外なら、現在の管理会社への追加依頼や、別のサービスの利用を検討します。候補の事業者へ同じ作業表を渡し、対応できる作業と条件を書いてもらいます。
室内作業だけを切り出す場合は、既存の担当との分担を確認します。依頼範囲の考え方は、管理業務を一部だけ委託するときの確認事項を参照してください。
設備と給水・電気の契約状況を伝える
相談時には間取りと設備の情報を用意し、給水と電気が使える状態かを伝えます。契約の有無が分からない場合は、確認する担当と期限を決めておきます。
設備の不具合や操作を控えている箇所は、図面や写真に印を付けて伝えます。訪問担当には、鍵の受渡し方法と設備を使用してよい範囲も確認してもらいます。
- 対象住戸:部屋番号と間取りを示し、確認してほしい場所を記します。
- 使用条件:給水・電気の状況と、使用を控える設備を伝えます。
- 過去の状態:湿気・臭い・漏水跡があった場所と経過を添えます。
本記事の作業表と連絡条件は、編集部の実務提案です。国交省の標準書式が個別の通風・通水手順を義務付けるものではなく、訪問間隔や写真提出も法定義務として示していません。
02通風・通水・室内確認を分けて依頼する

通風は窓の開閉確認と実施可否を整理する
通風は、対象の窓と開閉できる状態かを確認するところから相談します。窓の不具合や天候で実施が難しい場合は、作業を見合わせて理由を記録するよう依頼します。
換気設備を使う場合は、運転方法と作業後に停止するかを担当者へ伝えます。窓の閉鎖・施錠と設備の運転状態を、退出前の確認項目として作業表に記載します。
通水は給水状況と排水口の状態を確認する
通水は、水を使えることに加え、排水先を確認できるかも相談します。使用を控えている設備がある場合は、その場所を作業表に記し、対象から外すかを決めます。
蛇口を開ける作業と、排水口の目視確認は別の項目にします。水が出ない、排水が滞るなどの場合に備え、作業を中断して連絡する条件を添えます。
| 作業 | 実施条件 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 通風 | 対象の窓を安全に開閉でき、天候等に支障がない | 開閉の状態、実施の可否、作業後の閉鎖・施錠 |
| 通水 | 給水が使え、対象設備と排水先を確認できる | 水の出方、排水の様子、見える範囲の水漏れ |
| 室内確認 | 対象箇所へ安全に近づき、目視できる | 壁・天井・床の漏水跡、変色、前回との違い |
表の対象箇所は、住戸の設備に合わせて書き換えてください。通水の量や時間は一律に決めず、設備の取扱説明書や状態を確認して担当者と相談します。
室内確認は漏水跡などの目視項目を決める
室内確認は、壁・天井・床など、見る場所を作業表で指定します。以前からある跡と新しい変化を比較できるよう、初回の状態を図面への書込みや写真で記録します。
報告書には、確認した場所と変化の有無を記す欄を設けてもらいます。写真を使う場合は撮影箇所も決め、見えなかった場所は理由とともに「未確認」と記載します。
03訪問時期と異常時の連絡条件を決める

湿気・臭いの履歴から実施間隔を相談する
訪問時期は、湿気や臭いが気になった時期と設備の状態を伝えて相談します。確認したい変化を作業表に書き、初回の訪問日と、その後の実施間隔を決めます。
初回の報告を受けた後に、実施間隔を見直す日を決めておきます。変化が続く場合は、記録を管理会社へ示し、訪問の追加か専門調査かを相談します。
訪問予定と報告期限は分けて記載し、未実施の場合の報告方法も決めます。延期を知らせる担当には、理由と次回の候補日を連絡してもらいます。
建物の巡回と室内への訪問は、対象や作業が異なる場合があります。巡回の整理は、賃貸建物の巡回・点検頻度の考え方を参照してください。
通常報告を待たず連絡する変化を決める
通常報告を待たずに連絡する変化を、管理会社と選んで作業表に記載します。下表を参考に、過去に異常があった場所や、重点的に見る箇所を追記します。
| 変化の例 | 最初に伝える内容 | 追加確認の条件 |
|---|---|---|
| 新しい漏水跡や濡れ | 場所、見える範囲の状態、発見時点 | 緊急対応の定めを確認し、再訪問や専門調査の手配を相談します。 |
| 前回と異なる強い臭い | 気になった場所と前回との違い | 事前承認が必要な調査は、範囲と見積りを提示して承認を受けます。 |
| 窓や設備が使えない | 実施できなかった作業と理由 | 再実施に必要な修理や手配の担当を決めます。 |
連絡先は、オーナーの窓口と不在時の代替連絡先を記載します。電話で判断を伝えた場合も、発見内容と指示をメールなどに残すよう担当者へ依頼します。
04基本作業・追加費用・終了条件を書面にする

通常確認と専門調査・補修を分ける
作業表では、目視による状態確認と、原因調査・補修を別の項目にします。原因まで調べてほしい場合は、対応できる範囲と専門業者を手配する条件を確認します。
国交省の標準書式は、頭書に業務内容・実施方法、管理報酬、業務に要する費用の欄があります。手元の契約書でも対応する欄を探し、空室中の作業の記載を確認します。
契約書に「室内確認」とだけある場合は、合意した作業表を契約の別紙にする方法を相談します。見積書や説明資料と食い違う箇所は、修正した書面を双方で保管します。
契約全体の確認は、管理委託契約書の読み方を参照してください。個別条項の解釈に迷う場合は、ご自身の契約書をもとに専門家へ確認します。
実費と追加作業の承認方法を確認する
基本料金の対象作業と、水道・電気などの実費負担を分けて確認します。臨時訪問や専門業者の手配についても、費用が生じる条件と負担する人を記載してもらいます。
追加作業の承認要否は契約によります。事前承認が必要な作業は、見積りの提示者と承認者を決め、返答を待つ間に実施できる対応も書面に記載します。
承認後に作業範囲が広がる場合は、変更内容と費用を再提示してもらう条件を決めます。再承認が必要な範囲と、契約上認められた緊急対応の範囲を確認します。
入居決定後の終了時点と連絡担当を決める
空室管理の終了は、申込み、賃貸借契約、引渡しなどのどの時点を基準にするか決めます。訪問の停止と料金計算の終了が同じ時点かも確認してください。
終了を訪問担当へ伝える人と、最後の作業・報告の予定を決めます。未対応の異常が残る場合は、場所と対応状況を記録し、引継ぎ先の担当者へ渡します。
入居予定が変わった場合に備え、再開を依頼する連絡先と手続を記載します。終了月の料金計算、未精算の実費、再開時の費用の扱いも契約に沿って確認します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 通風・通水だけでカビや臭いを必ず防ぐこと
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。根拠:国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」。頭書の業務内容・実施方法・費用欄を確認の土台としています。住戸別の作業表と異常時の連絡条件は編集部の実務提案であり、独立した別の公的根拠ではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください