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空室管理は誰に任せる?
室内作業と委託条件の決め方

公開日:2026年10月16日 更新日:2026年10月16日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

空室中の室内管理を頼むときは、通風・通水・室内確認を分けて相談します。契約書と住戸の設備情報を用意し、依頼する作業を書き出しましょう。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの空室管理で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

現在の管理会社へ契約範囲を確認し、住戸別の作業表と委託条件を合わせて相談します。実施する作業だけでなく、できない場合の報告も決めます。

相談前にそろえるもの
  • 現在の契約書と、室内管理を頼みたい住戸の情報
  • 設備・給水・電気の状況と、湿気や臭いの履歴
  • 訪問時期、異常時の連絡、追加承認、終了条件の希望
費用を見るとき

見積書では、通常の確認と、異常発見後の調査・補修を別の項目にしてもらいます。各項目の費用と、着手前の承認が必要かを確認します。

01空室管理を任せる前に住戸の条件を整理する

空室住戸の間取りと給水・電気の契約状況を確認する資料

管理会社へ現在の契約範囲と担当を確認する

まず現在の管理会社に、空室住戸の室内作業が契約に含まれるかを尋ねます。契約書の該当箇所を示してもらい、対象住戸と実際の作業内容を照合します。

室内で作業する担当と、報告を受け付ける窓口を確かめます。別の事業者が訪問する場合は、作業表を渡す担当と異常時の連絡担当を記載してもらいます。

契約外なら、現在の管理会社への追加依頼や、別のサービスの利用を検討します。候補の事業者へ同じ作業表を渡し、対応できる作業と条件を書いてもらいます。

室内作業だけを切り出す場合は、既存の担当との分担を確認します。依頼範囲の考え方は、管理業務を一部だけ委託するときの確認事項を参照してください。

設備と給水・電気の契約状況を伝える

相談時には間取りと設備の情報を用意し、給水と電気が使える状態かを伝えます。契約の有無が分からない場合は、確認する担当と期限を決めておきます。

設備の不具合や操作を控えている箇所は、図面や写真に印を付けて伝えます。訪問担当には、鍵の受渡し方法と設備を使用してよい範囲も確認してもらいます。

本記事の作業表と連絡条件は、編集部の実務提案です。国交省の標準書式が個別の通風・通水手順を義務付けるものではなく、訪問間隔や写真提出も法定義務として示していません。

02通風・通水・室内確認を分けて依頼する

通風・通水・室内確認の作業対象を分けて示す室内図

通風は窓の開閉確認と実施可否を整理する

通風は、対象の窓と開閉できる状態かを確認するところから相談します。窓の不具合や天候で実施が難しい場合は、作業を見合わせて理由を記録するよう依頼します。

換気設備を使う場合は、運転方法と作業後に停止するかを担当者へ伝えます。窓の閉鎖・施錠と設備の運転状態を、退出前の確認項目として作業表に記載します。

通水は給水状況と排水口の状態を確認する

通水は、水を使えることに加え、排水先を確認できるかも相談します。使用を控えている設備がある場合は、その場所を作業表に記し、対象から外すかを決めます。

蛇口を開ける作業と、排水口の目視確認は別の項目にします。水が出ない、排水が滞るなどの場合に備え、作業を中断して連絡する条件を添えます。

作業実施条件確認内容
通風対象の窓を安全に開閉でき、天候等に支障がない開閉の状態、実施の可否、作業後の閉鎖・施錠
通水給水が使え、対象設備と排水先を確認できる水の出方、排水の様子、見える範囲の水漏れ
室内確認対象箇所へ安全に近づき、目視できる壁・天井・床の漏水跡、変色、前回との違い

表の対象箇所は、住戸の設備に合わせて書き換えてください。通水の量や時間は一律に決めず、設備の取扱説明書や状態を確認して担当者と相談します。

室内確認は漏水跡などの目視項目を決める

室内確認は、壁・天井・床など、見る場所を作業表で指定します。以前からある跡と新しい変化を比較できるよう、初回の状態を図面への書込みや写真で記録します。

報告書には、確認した場所と変化の有無を記す欄を設けてもらいます。写真を使う場合は撮影箇所も決め、見えなかった場所は理由とともに「未確認」と記載します。

通風・通水だけで、カビや臭いを必ず防げるとはいえません。発生済みのカビへの対応は、賃貸でカビが見つかったときのオーナーの初動を確認してください。

03訪問時期と異常時の連絡条件を決める

住戸の状態に合わせた訪問予定と異常時の連絡を示す図

湿気・臭いの履歴から実施間隔を相談する

訪問時期は、湿気や臭いが気になった時期と設備の状態を伝えて相談します。確認したい変化を作業表に書き、初回の訪問日と、その後の実施間隔を決めます。

初回の報告を受けた後に、実施間隔を見直す日を決めておきます。変化が続く場合は、記録を管理会社へ示し、訪問の追加か専門調査かを相談します。

訪問予定と報告期限は分けて記載し、未実施の場合の報告方法も決めます。延期を知らせる担当には、理由と次回の候補日を連絡してもらいます。

建物の巡回と室内への訪問は、対象や作業が異なる場合があります。巡回の整理は、賃貸建物の巡回・点検頻度の考え方を参照してください。

通常報告を待たず連絡する変化を決める

通常報告を待たずに連絡する変化を、管理会社と選んで作業表に記載します。下表を参考に、過去に異常があった場所や、重点的に見る箇所を追記します。

変化の例最初に伝える内容追加確認の条件
新しい漏水跡や濡れ場所、見える範囲の状態、発見時点緊急対応の定めを確認し、再訪問や専門調査の手配を相談します。
前回と異なる強い臭い気になった場所と前回との違い事前承認が必要な調査は、範囲と見積りを提示して承認を受けます。
窓や設備が使えない実施できなかった作業と理由再実施に必要な修理や手配の担当を決めます。

連絡先は、オーナーの窓口と不在時の代替連絡先を記載します。電話で判断を伝えた場合も、発見内容と指示をメールなどに残すよう担当者へ依頼します。

異常の報告と追加作業の承認は分けて記録します。緊急時に連絡がつかない場合は、契約上の対応範囲と事後報告の方法を確認しておきます。

04基本作業・追加費用・終了条件を書面にする

基本作業と追加作業の承認条件を書面で確認する図

通常確認と専門調査・補修を分ける

作業表では、目視による状態確認と、原因調査・補修を別の項目にします。原因まで調べてほしい場合は、対応できる範囲と専門業者を手配する条件を確認します。

国交省の標準書式は、頭書に業務内容・実施方法、管理報酬、業務に要する費用の欄があります。手元の契約書でも対応する欄を探し、空室中の作業の記載を確認します。

契約書に「室内確認」とだけある場合は、合意した作業表を契約の別紙にする方法を相談します。見積書や説明資料と食い違う箇所は、修正した書面を双方で保管します。

契約全体の確認は、管理委託契約書の読み方を参照してください。個別条項の解釈に迷う場合は、ご自身の契約書をもとに専門家へ確認します。

実費と追加作業の承認方法を確認する

基本料金の対象作業と、水道・電気などの実費負担を分けて確認します。臨時訪問や専門業者の手配についても、費用が生じる条件と負担する人を記載してもらいます。

追加作業の承認要否は契約によります。事前承認が必要な作業は、見積りの提示者と承認者を決め、返答を待つ間に実施できる対応も書面に記載します。

承認後に作業範囲が広がる場合は、変更内容と費用を再提示してもらう条件を決めます。再承認が必要な範囲と、契約上認められた緊急対応の範囲を確認します。

入居決定後の終了時点と連絡担当を決める

空室管理の終了は、申込み、賃貸借契約、引渡しなどのどの時点を基準にするか決めます。訪問の停止と料金計算の終了が同じ時点かも確認してください。

終了を訪問担当へ伝える人と、最後の作業・報告の予定を決めます。未対応の異常が残る場合は、場所と対応状況を記録し、引継ぎ先の担当者へ渡します。

入居予定が変わった場合に備え、再開を依頼する連絡先と手続を記載します。終了月の料金計算、未精算の実費、再開時の費用の扱いも契約に沿って確認します。

依頼前に、作業表を添付した契約書や合意書を管理会社と確認しましょう。合意した書面を双方で保管し、訪問担当にも同じ作業表を渡してもらいます。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 通風・通水だけでカビや臭いを必ず防ぐこと
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
根拠:国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」。頭書の業務内容・実施方法・費用欄を確認の土台としています。住戸別の作業表と異常時の連絡条件は編集部の実務提案であり、独立した別の公的根拠ではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください