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賃貸管理の一部委託
任せる仕事と残す仕事の決め方

公開日:2026年10月09日 更新日:2026年10月09日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

賃貸管理は、募集や集金など一部だけを委託できる場合があります。委託する仕事と自分に残す仕事を分担表へ記入します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの一部委託で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

一部委託では、業務名だけでなく、受付から完了までの担当を決めます。次の担当へ何を、いつ、どの方法で渡すかを契約書や合意した別紙に残します。

先に埋めたい担当
  • 募集・集金・入居者対応のうち、委託先と自分が受け持つ仕事
  • 更新案内・退去立会い・精算・未入金確認と督促の担当
  • 夜間の受付、連絡がつかない場合の判断、完了報告の担当
報告の確認

金銭管理だけの委託と、維持保全を含む管理では、法律上の扱いが異なります。受託する業務を一覧で確認し、報告内容と頻度を契約書へ記入します。

01一部委託で任せたい仕事を分ける

募集資料と家賃台帳で一部委託の対象業務を示す図

募集だけを任せる場合

募集のみ委託する場合は、入居者を探す仕事の終点を確認します。広告・内見・申込みの取次ぎ・契約手続の各項目に、委託する範囲を記入します。

募集条件を承認する担当と、入居開始後の問い合わせ先を決めます。募集を担当する会社に管理も頼む場合は、管理の受託範囲と開始日を別途確認します。

対応可否と範囲は委託先・契約によります。「募集のみ」「集金代行」という名称だけで判断せず、含まれる作業と対象外の作業を書面で確認します。

集金だけを任せる場合

集金代行では、入金の照合からオーナーへの送金までの作業を確認します。送金日や控除する費用、入金明細の提出方法を、契約書の該当欄で確かめます。

明細の見本を取り寄せ、対象月や部屋ごとの入金を確認できるか見ます。収納業務の詳しい確認は、家賃管理を委託するときの確認事項を参照します。

入居者対応だけを任せる場合

入居者対応では、相談の受付と、現地確認や修理の手配を分けて記入します。受付だけを任せる場合は、委託先から連絡を受けて対応を判断する担当も決めます。

次の表は分担を相談するための例です。自分が残す仕事も記入し、実際に対応できる時間や連絡手段と照らし合わせて調整します。

業務委託先自分引渡し条件
募集広告・内見・申込みの取次ぎ募集条件と申込み内容の確認条件変更や申込みがあれば資料を共有
集金入金照合・送金・明細作成明細確認・未入金後の対応合意した締め日に明細と未入金情報を共有
入居者対応相談受付・状況の聞き取り対応方針の判断・必要な発注判断に必要な状況と緊急性を添えて連絡

業務全体は、賃貸管理会社の役割と仕事で確認します。清掃や点検など、上の表に載っていない仕事も書き足し、担当欄を埋めます。

自主管理と委託を併用する場合は、開始前に渡す資料と引継ぎ先を決めます。準備する内容は、自主管理から委託へ移るときの確認事項で確かめます。

02受付・判断・発注の境目を書面にする

故障の受付から修繕発注までの担当の境目を示す図

故障の受付と修繕発注を分ける

例えば「受付は委託・発注はオーナー」と決める場合です。受付担当から状況が届いた後、オーナーが修理の要否を判断し、修理業者へ依頼する流れを定めます。

受付票の見本を取り寄せ、修理の判断に必要な情報があるか確認します。設備の種類や症状、写真、入室可能な時間など、不足する項目は追加を相談します。

段階担当の例次へ渡す情報・完了の条件
受付委託先症状・発生状況・連絡先を記録してオーナーへ送る
判断オーナー修理方針と見積り取得の要否を関係者へ伝える
発注・日程調整オーナー依頼先・作業内容・入室日程を受付担当にも共有する
完了確認オーナー作業結果を確認し、委託先へ受付記録の更新を依頼する

入居者に経過を伝える担当と、連絡する時点も表に加えます。部品待ちや再訪問がある場合は、次の予定を誰が確認して伝えるかまで記入します。

国交省の標準管理受託契約書の頭書(3)には、業務ごとに「乙」「委託」「委託先」の欄があります。「委託」は受託者から第三者への再委託を示します。上の表は、オーナーと受託者の分担を別途整理する実務例です。

夜間の窓口と連絡がつかない場合を決める

昼間の受付を委託しても、夜間の対応まで含むとは限りません。受付時間外の連絡先と、受け付けた後に誰へ連絡するかを、通常時と分けて記載します。

「緊急時は対応する」だけでは、任せる範囲が曖昧です。漏水などを例に、連絡不能時にできる措置と、承認が必要な作業を委託先と確認し、書面に記載します。

合意した分担表を契約書の別紙にする場合は、本文から参照できる形にします。管理委託契約書の読み方を参照し、本文や特約と担当・権限が食い違わないか確認します。

03更新・退去・滞納の担当を埋める

更新通知と退去の鍵と未入金票で担当の抜けを示す図

更新案内と退去立会い・精算を確認する

更新や退去も分担表に追加し、毎月の集金とは別に担当を記入します。契約期限を確認する人と、入居者への案内を始める人を決めます。

退去では、解約の受付と立会い、精算を別の仕事として扱います。立会いを頼めても、費用負担の説明や敷金の返還まで含むとは限りません。

業務担当の例連絡の起点・引渡し条件
更新案内オーナーが期限管理、委託先が案内期限一覧を基に案内開始を依頼する
解約受付委託先が受付、オーナーが確認通知内容と受領日を共有する
退去立会い合意した委託先退去予定の共有後に日程を調整する
退去精算オーナーが内容確認、合意した担当が説明立会い記録と費用資料を引き渡す
未入金確認集金の委託先入金照合後に未入金情報を送る
支払いの案内・督促契約で定めた担当未入金情報を受け、対応結果を共有する

表の担当は例なので、契約に合わせて具体的な窓口へ置き換えます。「双方で対応」とだけ書かず、最初に連絡する人と、次に判断する人を明記します。

解約の連絡がオーナーへ直接届いた場合の転送先も決めます。受領日と通知内容を受付担当へ共有し、立会いの日程調整をどちらが始めるか確認します。

集金後の未入金確認と督促を分ける

支払いの案内・督促を任せる場合は、連絡方法と対応記録の共有先を決めます。支払い条件の変更を求められた場合に、誰へ判断を戻すかも書き添えます。

未入金情報には、対象の家賃月や確認時点を添えるよう依頼します。連絡後に入金があった場合も共有し、古い情報で支払いを求め続けないようにします。

集金の委託だけで、督促や保証会社への連絡まで含まれるとは限りません。未入金の発見後に誰が動くかを、契約前に分担表へ記入します。

保証会社を利用している場合は、保証契約の通知期限と請求担当を確認します。対応手順は、家賃滞納が分かったときの対応手順を参照します。

04委託先の立場と報告条件を確かめる

登録証と報告書で委託前の確認項目を整理する図

金銭管理だけの場合と管理業法の関係

賃貸住宅管理業法第2条第2項は、維持保全と、それと併せて行う金銭管理を管理業務と定めています。維持保全には、点検や清掃など、住宅の状態を維持する業務が含まれます。

金銭管理のみの業務は、同項の管理業務には該当しません。契約書の名称だけで判断せず、受託する作業に点検・清掃や修繕の手配などが含まれるか確認します。

金銭管理のみの受託業務は、同法の定期報告義務の対象外です。ただし、契約で報告を約束している場合は、その内容に従います。報告条項の有無と内容を確認します。

登録の有無と契約上の報告を確認する

国交省の制度解説では、登録制度と登録業者の定期報告義務が示されています。登録が任意となる場合もあるため、未登録ならその理由と受託範囲を委託先に確認します。

契約する法人名と、管理業の登録名義が一致するか確認します。募集の媒介も依頼する場合は、媒介を行う事業者名と宅地建物取引業の免許も別に確認します。

確認項目契約前にそろえる内容
受託範囲維持保全を含むか、金銭管理のみかを業務一覧で確認する
登録賃貸住宅管理業の登録の有無・番号・名義を確認する
報告内容受託範囲に応じて、入金状況・相談記録・作業結果などの提出項目を決める
報告条件頻度・提出方法・報告先と、急ぎの連絡方法を決める

報告の見本を取り寄せ、自分が担当する判断に必要な情報があるか確かめます。管理報告書の読み方を参照し、不足する項目の追加を契約前に相談します。

最後に、設備故障などの事例を選び、分担表に沿って連絡の流れをたどります。担当の空欄や渡し先のない箇所を直し、業務を追加する際の合意方法も記載します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 受託する仕事とオーナーに残る仕事を一覧で示せます。
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 契約外の業務まで自動的に対応すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
管理業務の定義と金銭管理のみの業務の説明は、[賃貸住宅管理業法第2条第2項](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)を参照しています。登録と定期報告の説明は、[国交省「管理業法ポータル・制度解説」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/system_commentary.html)を参照しています。[国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)の頭書(3)は、管理業務の内容・実施方法と第三者への再委託項目を記す欄です。記事の分担表は、これを参考にオーナーと受託者の担当を整理した実務例であり、標準書式そのものや法令が一律に指定する担当ではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください