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賃貸管理報告書の見方
月次収支と業務報告を確認

公開日:2026年10月08日 更新日:2026年10月08日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

報告書は、月次の数字、業務の記録、契約の約束の順に確認します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの報告書確認で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

月次明細は入金・控除・送金を照合します。管理業務の定期報告では、実施内容と未完了事項を契約書と並べて確認します。

手元にそろえる資料
  • 対象月と前回の明細、家賃の契約条件が分かる資料
  • 送金先口座の入出金記録、費用の内訳や承認記録
  • 管理委託契約書、変更合意書、前回の業務報告
読み分けるポイント

月次明細と業務報告が別々に届く場合があります。対象期間をそろえて資料を並べ、収支と業務記録の掲載箇所を確認します。

01月次明細と管理業務報告書を分けて読む

月次明細と管理業務報告の対象期間を比べる図

月次はお金の流れ、定期報告は業務の実施状況

月次明細では、その月の家賃などの入金額を確認します。差し引かれた費用と送金額を読み、合計額に加えて部屋別・費目別の内訳も照合します。

管理業務報告書では、契約した業務の実施状況を確認します。維持保全や苦情対応の欄を探し、報告期間中に行った作業や対応を読みます。

資料の名称や、収支と業務記録をまとめる形式は契約によります。表紙の名称だけで判断せず、各資料の対象期間と記載項目を確認します。

登録業者の法定報告と契約上の報告頻度

賃貸住宅管理業法第20条は、登録業者に委託者への定期報告を義務づけています。国交省の公式解説では、金銭収受や維持保全の実施状況、入居者の苦情の発生・対応状況が示されています。

国交省の公式解説では、登録業者の定期報告は少なくとも年1回以上必要とされています。収支だけの月次明細では、法定の報告事項がそろわない場合があります。

毎月の収支報告など、具体的な報告の約束は契約書で確認します。月次明細の作成が一律の法定義務というわけではないため、契約上の提出期日も書き出します。

前回と今回の報告対象期間を並べ、期間の抜けや重複を確認します。空白の期間があれば、その期間の業務記録がどの資料に載っているかを管理会社に尋ねます。

契約で報告の内容や頻度を定めても、登録業者の法定義務は免除されません。法定の報告事項に加え、契約で約束した項目が届いているかを確認します。

02月次明細は入金・控除・送金の順に確かめる

入金から控除を経て送金額につながる照合の手順

対象月の家賃と実際の入金を照合する

見る欄照合資料差があるときの質問
対象月・集計期間・締め日。家賃の対象月と、入金を集計した期間を分けて読みます。前回の月次明細と、契約で定めた収納・送金の条件を並べます。この明細は何月分の家賃を、いつまでの入金で集計していますか。締め日後の入金はどこに載りますか。
部屋別の請求額・入金額・未収額。請求した金額が、そのまま入金済みとは限りません。賃貸借契約の家賃条件、変更の記録、管理会社の入金明細を照合します。未収の表示は入金待ちですか。それとも入金済みで明細への反映待ちですか。
前月以前の未収回収・翌月分の前受け。当月分の入金と混ざっていないかを見ます。前回の未収残高と今回の入金内訳を照合し、対象となる部屋と家賃月を確認します。この入金はどの月の家賃に充当されましたか。回収後に残っている未収額はどこで確認できますか。

管理報酬・立替費用の根拠を確認する

見る欄照合資料差があるときの質問
管理報酬。料率だけでなく、計算対象と対象期間、消費税の表示を確認します。管理委託契約書の報酬条項と、変更合意があればその記録を使います。どの金額を基に計算していますか。前回からの増減は、対象となる家賃や期間の違いによるものですか。
修繕費・清掃費などの立替費用。費目名と、実施場所・作業内容がつながるかを見ます。見積書、承認の記録、作業報告と照合します。不足する場合は、請求書の写しなどを依頼します。この費用はどの作業の支払いですか。内訳と、控除の根拠となる契約条件を示してもらえますか。
調整額・その他控除。名称だけで内容が分からない欄は、対象となる費用を確認します。前回の精算内容、訂正の説明、別途受け取った費用明細を照合します。何のための調整ですか。過去に控除済みの費用と重複していないことは、どの記録で確認できますか。

請求書の写しは、費用を照合する資料の一例です。すべての月次明細に一律の添付義務があるという意味ではありません。提示方法や添付の約束は契約で確認します。

控除後の金額と送金額の差を確かめる

見る欄照合資料差があるときの質問
差引額・送金予定額。入金合計から控除を差し引き、繰越や調整も含めて確認します。同じ明細の入金・控除の内訳と、前回からの繰越欄を照合します。入金合計と控除合計から、この送金額になる計算を示してもらえますか。繰越額は含まれていますか。
送金日・実際の着金額。明細上の予定と口座の記録が一致するかを見ます。送金先口座の入出金記録と、契約上の送金条件を並べます。差額は振込手数料などによるものですか。どの欄に計上され、どの契約条件に基づいていますか。

差額は、対象月・費目・照合した金額を添えて記録します。収納や送金を含む委託範囲は、家賃管理を委託するときの確認事項で確認できます。

03管理業務報告書は実施内容と対応状況を見る

建物の状態を示す写真と苦情への対応記録の確認例

契約した業務の実施状況と建物の状態

契約書の業務一覧と報告書を並べ、各業務の実施記録を探します。清掃や点検は、対象箇所と実施日を照合し、予定だけの記載と完了の記載を分けます。

見る記録確認すること不足するときに聞くこと
清掃・点検の実施記録実施日、対象箇所、作業内容が契約上の業務に対応しているかを確認します。予定していた業務のうち、未実施や日程変更になったものはありますか。
建物の状態を示す写真や所見撮影日と場所が分かるかを確認し、指摘内容と写真を照合します。この写真はどの箇所ですか。前回の指摘から状態が変わった点はありますか。
未完了事項・次回の予定残っている作業、進まない理由、次の対応を確認します。承認待ちと手配中のどちらですか。次に何を確認し、いつ状況を知らせてもらえますか。

写真と所見が対応しない箇所は、撮影場所や状態の説明を依頼します。写真に写らない部分の不具合が疑われる場合は、現地で追加確認が必要かを管理会社に尋ねます。

前回の未完了事項に、今回確認できた完了日や作業結果を書き足します。今回の報告から記載が消えている場合は、完了したのか、報告漏れなのかを管理会社に確認します。

苦情の件数だけでなく対応状況を確認する

苦情の記録は、受付日と内容、行った対応、その後の状況を読みます。「対応済み」とだけ記載されている場合は、連絡や訪問など、実施した対応を尋ねます。

連絡を入れた段階と、状況の改善を確認した段階は異なります。改善を確認した方法と結果を尋ねます。継続中なら、次の確認予定とオーナーの判断が必要な事項を記録します。

件数だけでは、対応の良否を判断しにくい場合があります。対応の経過と残っている課題を読み、不明な点を管理会社に確認します。

報告書を読んで現地の状況も確かめたい場合は、確認したい箇所を書き出します。その後の手順は、いまの管理状況を点検する方法をご覧ください。

04契約書で報告内容と頻度を確かめる

契約書の報告内容と頻度を確認項目に照らし合わせる図

標準契約書の頭書(8)と自分の契約を照合する

国交省の標準管理受託契約書では、頭書(8)に定期報告の内容と頻度を記載します。第15条第1項は、その記載に従い、合意した期日と頻度で報告する定めです。

手元の契約書では、条番号だけでなく「報告」に関する条項を探します。別紙や特約、変更合意も開き、現在適用される報告の約束を確認します。

照合する項目契約と報告書で確かめること
報告の内容収支、維持保全、苦情への対応など、合意した項目がどの資料で報告されているかを確認します。
対象期間・頻度・期日どの期間を、どの頻度で、いつ報告する約束かを確認します。報告書の対象期間と実際の受領日を照合します。
様式・受領方法書式や添付資料、郵送・電子的な受領方法など、実際の契約で定めた内容を確認します。

業務を行う頻度は、報告の頻度とは分けて確認します。例えば清掃の実施回数は、報告書の届いた回数ではなく、契約の業務範囲と清掃の実施記録を照合します。

不足する資料や説明を具体的に依頼する

問い合わせには、報告書の対象期間と欄の名前、照合できなかった点を書きます。「立替費用の欄について、作業場所と内訳が分かる資料をお願いします」のように依頼します。

受領済みの別資料も確認し、必要な記録が見つからなければ掲載箇所を尋ねます。資料がない場合は、何を確認したいかを伝え、説明や提示が可能な資料を相談します。

標準契約書の第15条第2項は追加報告、第3項は関係書類の提示を求める定めです。ご自身の契約に対応する規定があれば、条項と確認したい業務を示して依頼します。

継続して必要な項目は、報告への追加を管理会社と相談します。合意できた内容・頻度・反映開始時期を文書に残し、その時期の報告書で掲載を確認します。

書式・項目名は契約によります。報告そのものが届いていない場合は、管理会社から報告が来ないときの確認事項をご覧ください。

確認後は、回答待ちの事項と次の確認日を一覧に残します。対象期間・質問内容・回答内容を記録し、未解決の事項を次回の報告と照合します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理委託契約で合意した内容・頻度に沿って管理業務を報告する
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 報告書だけで建物の不具合をすべて把握すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
登録業者の定期報告義務:[賃貸住宅管理業法第20条](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)。報告内容・時期の公式解説:[国交省「管理業者の業務」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/administrator_duties.html)。報告内容・頻度の合意、追加報告と関係書類の提示:[国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」頭書(8)・第15条](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください