アパートの管理会社が変更された
通知を受けた貸主の確認事項
管理会社から変更通知が届いたら、契約書と照合します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの通知確認で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 通知で確かめること
通知にある旧名称と新名称を、契約書の契約相手欄と照合します。担当者・社名・契約相手のどれが変わるか不明なら、差出人に書面で尋ねます。
- 管理会社に求める説明
- 変更の根拠:変更の方式と、説明を裏付ける資料を求めます。
- 承諾の対象:承諾する内容と、貸主に必要な手続きを尋ねます。
- 管理の継続:業務ごとの切替日と、説明を待つ間の責任者を確認します。
- 回答の残し方
質問ごとに回答者・回答日・添付資料を記録します。未回答の項目には回答予定を添え、受領の連絡と承諾の回答は用件を分けて送ります。
01通知では何が変わると書かれていますか

担当者・社名・契約相手を分けて読む
通知の件名が「管理体制変更」でも、本文の内容を確認します。変更する名前に印を付け、契約上の責任を負う会社が記載されているかを探します。
担当者変更の通知では、新しい担当者の連絡先と対応開始日を確認します。会社名も変わる場合は、名称だけの変更か、別の法人への変更かを尋ねます。
手元の管理委託契約書で、契約相手の正式名称を確認します。通知の差出人と異なる場合は、現在の契約相手にも通知の内容を問い合わせます。
| 変更対象 | 通知の記載 | 追加の質問 |
|---|---|---|
| 担当者 | 担当者名・連絡先 | 担当者だけの交代ですか。責任者や対応時間も変わりますか |
| 会社名 | 旧名称・新名称 | 同じ法人の名称変更ですか。確認できる資料はありますか |
| 契約相手 | 管理業務の承継先など | 契約当事者は変わりますか。変更の方式は何ですか |
| 業務範囲 | 体制やサービスの変更 | 受付・実施・報告の担当と契約条件は変わりますか |
| 送金元 | 振込名義・送金事務の変更 | 誰が家賃を管理し、どの立場で送金しますか |
業務範囲と送金元の変更も照合する
担当者交代の通知なのに送金元も変わる場合は、その理由を尋ねます。送金事務だけの変更か、家賃を預かる会社も変わるのかを分けて確認します。
「従来どおり」という説明には、対象となる業務を添えてもらいます。修繕の受付、費用の承認、報告の頻度について、変更の有無を確かめます。
業務名が分からない場合は、賃貸管理代行の業務範囲を参照します。通知の業務名と契約書の項目が対応しない場合は、管理会社に該当箇所を示してもらいます。
02承諾を求められたら何を確認しますか

現在の契約と変更の根拠を照合する
通知と一緒に、締結済みの管理委託契約書を用意します。後から交わした変更合意書や特約があれば、それも含めて現在の条件を確かめます。
契約相手が変わると説明されたら、変更の方式を書面で尋ねます。承継の対象に今回の契約が含まれるかも、資料の該当箇所を示して説明してもらいます。
示された資料の会社名と変更日を、通知の記載と照合します。食い違う箇所があれば、どちらが正しいかを尋ね、訂正した書面を求めます。
国交省の標準契約書は、確認項目を探すための参考書式です。契約相手や業務内容の欄を参考に、手元の契約書で対応する箇所を探します。
参考:国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」。標準書式だけで、個別の契約を承継できるかは判断しません。
承諾書の対象と必要な手続きを尋ねる
承諾書は、現在の契約から変わる箇所に印を付けて読みます。契約相手の変更に加え、業務範囲や報酬などの条件変更が含まれるかを確かめます。
- 承諾の対象:承諾書の各項目が何の変更を意味するか、現在の契約との対照で説明してもらいます。
- 承諾の要否:貸主の承諾が必要または不要とする根拠について、該当する条項や資料を尋ねます。
- 提出の手続き:提出書類、返送先、期限とその理由、返送しない場合の扱いを確認します。
返送期限までに説明がそろわない場合は、不明点を伝えます。回答予定と期限延長の可否を尋ね、管理会社の回答を書面で残します。
条項の探し方は、管理委託契約書の読み方を参照します。承諾の要否などを判断できない場合は、通知・契約書・承諾書をそろえて弁護士に相談します。
03説明を待つ間の管理窓口は誰ですか

入居者対応・修繕承認の責任者を確認する
契約の説明を待つ間も、入居者対応や修繕の連絡は発生します。現在の受付先と切替後の責任者を確認し、連絡先を手元に保存します。
通知にある変更日が、すべての業務の切替日とは限りません。業務ごとに日付を確認し、未定の項目には回答担当と回答予定を記録します。
| 業務 | 切替日の確認 | 責任者・連絡先の確認 |
|---|---|---|
| 入居者対応 | 旧窓口の受付終了と新窓口の受付開始 | 通常時・時間外の受付先と対応責任者 |
| 修繕承認 | 承認依頼を扱う担当が切り替わる日 | 見積もりの説明担当者と貸主の承認を受ける方法 |
| 未完了の修繕 | 引継ぎ日と完了報告の予定 | 完了を確認する担当者と費用の問い合わせ先 |
| 家賃送金 | 新しい送金元を使う対象月・送金日 | 送金明細の発行元と差額の問い合わせ先 |
| 預り金管理 | 管理主体が変わる日と残高の基準日 | 残高の説明担当者と受渡しの確認担当者 |
未完了の修繕は、案件ごとに進行状況を管理会社へ尋ねます。見積もり待ち、承認待ち、施工待ちなどの状況と、完了までの担当者を記録します。
入居者への窓口案内が必要かも、管理会社に尋ねます。案内する場合は、発送前に案内文を見せてもらい、連絡先と切替日を確認します。
家賃送金と預り金管理の変更点を尋ねる
切替前後の送金明細は、対象となる家賃月と入金額を照合します。重複や不足があれば、該当する明細と入金記録を添えて説明を求めます。
敷金などを管理会社が預かっている場合は、基準日を付した残高資料を求めます。管理主体が変わるなら、受渡し先と金額を確認できる資料も依頼します。
賃貸住宅管理業法第16条は、管理業務で受領する家賃などの分別管理を定めています。同条を踏まえ、対象となる業者に変更後の預り金の管理方法を尋ねます。
根拠:賃貸住宅管理業法第16条。自己の固有財産や他の管理受託契約の預り金との分別を定めた規定です。契約承継や承諾の要否を定めた規定ではありません。
確認項目は、家賃集金代行と預り金管理を参照します。その項目に沿って管理方法の変更点を示してもらい、説明を保存します。
04説明依頼と回答をどう整理しますか

通知の不明点を質問文にまとめる
説明依頼には、疑問のある通知の文言を引用します。その下に「契約相手も変わりますか」などの質問を添え、回答してほしい箇所を示します。
次の文例は、通知に合わせて必要な箇所を残して使います。物件を特定できる情報と通知の件名を添え、相手が該当資料を確認できるようにします。
説明依頼の文例
管理体制変更の通知を受領しました。内容を確認するため、以下を書面でご説明ください。この連絡は、通知の受領と説明依頼をお伝えするものです。承諾を求められている事項については、説明内容を確認したうえで回答します。
- 変更する項目と継続する項目をお示しください。
- 契約当事者が変わる場合は、変更の方式と根拠資料をご提示ください。
- 承諾を求める事項と根拠、提出手続きをご説明ください。
- 説明待ちの間と切替後の窓口、業務別の切替日をお知らせください。
- 家賃送金と預り金管理の変更点、各質問への回答予定をお知らせください。
回答・未回答・次の確認先を記録する
回答は、質問ごとに対応させて保存します。説明が届いても根拠資料が未着なら「資料待ち」と記し、資料名と送付予定を担当者に確認します。
| 記録する項目 | 残す内容 | 次の確認先 |
|---|---|---|
| 回答済み | 回答日・回答者・説明内容・添付資料 | 内容に食い違いがあれば回答者 |
| 未回答・資料待ち | 不足する説明・資料名・回答予定 | 回答担当者またはその責任者 |
| 判断が必要 | 契約との相違点・判断できない理由 | 契約内容を確認できる弁護士など |
電話で説明を受けた場合は、理解した内容をメールなどで送ります。認識に違いがあれば訂正を求め、回答者と確認日を残します。
引継ぎ資料の確認は、管理の引継ぎで確認することに沿って進めます。通知への質問と回答も同じ保存先にまとめ、引継ぎ内容と照合できるようにします。
05当社でできること・できないこと
できること
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 通知だけで契約承継や承諾の要否を断定すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。根拠資料:[国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)は、締結済み契約との照合に用いる参考書式です。[賃貸住宅管理業法](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)第16条は分別管理を定めており、変更後の預り金の管理方法について説明を求める際に参照しています。契約承継や承諾の要否は、これらの資料だけで一律に判断しません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください