オーナーズガイド›管理の見直し›複数社への依頼と責任分担
GUIDE / いまの管理を見直す

賃貸管理は複数社に頼める?
契約と連絡窓口の決め方

公開日:2026年10月31日 更新日:2026年10月31日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

募集や管理を複数社に頼みたいときは、追加する業務を書き出します。現在の契約と照合し、各社の担当と連絡先を決めます。この記事は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

複数社への依頼可否は契約によります。募集会社を増やす場合も、入居後の管理を分担する場合も、該当する契約条件を確認します。

追加依頼前にそろえること
  • 管理委託契約と募集の取り決めを照合する
  • 募集条件と申込状況を集約する担当を決める
  • 受付から完了報告までの担当と連絡先を表にする
窓口と責任者

連絡を受ける窓口と、承認や手配を行う担当を分担表に記入します。担当不在時の連絡先も記入し、各社へ配布します。

01募集と管理を分けて依頼可否を考える

募集と入居後の管理を別の業務として整理する図

募集会社の追加と管理業務の分担は別です

複数社への依頼可否は契約によります。募集を追加できることから、管理も自由に分担できるとは判断しません。追加したい業務に関係する契約条項を確認します。

追加したい仕事を「広告掲載」「清掃」「修繕手配」などの業務名で書き出します。各業務の横に現在の担当を書き、担当を増やすのか、変更するのかを区別します。

貸主が別会社へ直接頼む場合と、管理会社が業務を再委託する場合も区別します。誰が依頼主となり、誰に報告や請求が届くのかを依頼先へ確認します。

管理会社が募集の窓口も担う場合は、募集と管理の両方の取り決めを確認します。業務全般の整理は管理会社とはを参照してください。

管理を継続して募集だけ追加する場合

管理を継続し、募集だけ別会社にも依頼する場合は、対象の部屋と追加業務を整理します。その一覧を既存の契約先へ示し、他社への依頼に関する制限や手続を確認します。

追加先には、管理会社と募集の集約窓口の連絡先を伝えます。内見の調整先と申込の送付先も指定し、条件変更の相談は集約窓口へ送るよう依頼します。

依頼内容をまとめる手順は、客付けを依頼するときの確認事項を参照してください。作成した依頼内容は既存の窓口にも送り、条件の食い違いがないか確認を求めます。

一社へ管理の一部だけを任せる場合は、管理の一部委託を参照してください。この記事では、複数社の契約と連絡経路をつなぐ場面を扱います。

募集会社を増やしても、成約や募集期間の短縮が保証されるわけではありません。依頼前に、追加先が条件の更新通知や申込の集約手順に対応できるか確認します。

02追加依頼前に契約と募集の取り決めを確認する

追加依頼前に契約上の制限と確認箇所を照合する図

他社へ依頼できる範囲と制限を確認する

締結済みの管理委託契約書と、募集に関する取り決めを並べます。別紙や特約、変更合意も確認し、追加したい仕事と重なる記載に印を付けます。

確認する資料照合する内容契約先への確認事項
管理委託契約・業務一覧募集を含む委託範囲と担当他社に直接依頼する場合の制限や手続
募集に関する取り決め他社への募集依頼と広告掲載の扱い事前承諾の要否と追加先に伝える条件
特約・変更合意通常の条項と異なる条件追加依頼に伴う契約変更や費用の扱い

契約の名称だけで、他社への依頼ができるとは判断しません。募集の条件が管理委託契約に含まれる場合もあるため、募集に関係する条項も抜き出します。

募集業務と、賃貸住宅管理業法の対象となる管理業務は区別して確認します。契約前の説明資料と締結時の書面で、追加先が受け持つ業務を照合します。

条文ごとの基本的な見方は、管理委託契約書の読み方を参照してください。追加依頼に関係する条項は、該当ページを控えて照会に使います。

不明点は契約先へ照会して記録する

照会時は、追加する業務と契約の該当箇所をメールなどで示します。「他社にも頼めますか」だけでなく、広告掲載や申込受付など、依頼する行為を具体的に伝えます。

回答は、相手の氏名と回答内容が分かる形で保存します。条件付きの回答なら、必要な手続と担当者を確認し、開始前に完了したかを照合します。

既存の契約先と追加先で説明が異なる場合は、食い違う点を引用して再照会します。契約変更が必要なら、変更内容について合意を記録してから依頼を開始します。

禁止の記載が見当たらないことだけで、追加依頼が可能とは確定しません。解釈に疑問が残る場合は、契約書一式と照会への回答をそろえ、弁護士などの専門家に確認します。

03複数社の募集情報を集約する担当を決める

各社の申込情報を集約し募集状況の更新を伝える図

最新条件の配布と申込受付を一本化する

募集条件と申込状況を集約する担当を、貸主と関係各社で決めます。管理会社が担う場合は受託範囲も確認し、担当者名と連絡方法を各社へ伝えます。

募集条件は、更新日を記した共通の資料で配布します。各社への問い合わせで条件変更の相談が出た場合は、集約担当へ転送して貸主の判断を求めます。

各社が申込を受ける場合も、申込情報の送付先は集約担当にそろえます。集約担当は受信を確認し、送信元へ受付済みと返信します。

次の表は編集部による運用例です。担当名は契約と合意に合わせて置き換えます。申込者の情報は送付先を指定し、募集各社への状況通知に不要な個人情報を含めない運用を決めます。

工程担当共有先更新の契機
最新条件の配布集約担当募集を依頼する各社貸主が条件を確定・変更したとき
申込の受付連絡申込を受けた会社集約担当申込を受けたとき
貸主への確認集約担当貸主判断に必要な情報がそろったとき
貸主判断の記録集約担当申込対応会社貸主から回答を受けたとき
募集状況の更新通知集約担当募集を依頼する各社停止・継続・再開の方針が決まったとき

貸主への確認と募集停止の通知を分担する

集約担当は、貸主への照会内容と回答を同じ記録に残します。複数の申込が重なった場合も、受付状況を貸主に示し、対応方針を確認して各申込の担当へ返します。

申込受付時に募集を停止するか、継続するかを事前に貸主へ確認します。申込受付と契約成立を区別して記録し、決めた方針を各社へ通知します。

集約担当は、募集停止の通知先と各社の対応状況を記録します。掲載の確認方法はポータル掲載の確認を参照し、更新が済んだかを担当会社へ確かめます。

申込の取り下げなどで再開する際は、募集条件を貸主に再確認します。集約担当が最新の条件資料と再開通知を各社へ送り、受領した旨の返信を求めます。

会社間で情報が自動的に共有されるとは限りません。各社から通知の受領や更新完了の返答がない場合に、誰が連絡して確認するかも決めておきます。

04管理の重複と担当不在を分担表で照合する

清掃時の漏水発見から修理手配までの担当を結ぶ図

受付から完了報告まで各社の契約を並べる

各社の契約書から、下表の工程を誰が担うか転記します。同じ工程に複数社の記載がある箇所と、担当を記入できない箇所に印を付けます。

「修繕対応」という業務名が同じでも、受け持つ工程は契約によります。受付だけか、業者の手配や完了確認まで含むかを各社へ照会し、回答を表に反映します。

以下は編集部提案の分担表です。標準管理受託契約書の業務範囲や承認事項の整理を参考にしています。表の担当例は契約に合わせて置き換え、責任範囲の変更は別途合意してください。

業務担当会社の例判断・承認者記入する連絡先
問い合わせ・異常の受付受付を受託した管理会社受付後の対応を判断する担当者通常窓口・時間外窓口
現地対応手配を受けた修理会社派遣を決める権限者現地担当・手配担当
発注承認の取得見積りと工事内容を提示する管理会社貸主または契約で定める権限者承認を求める窓口
費用請求契約上の請求担当会社請求内容を確認する貸主側の担当者請求担当・貸主側の担当者
完了報告報告を取りまとめる管理会社完了内容を確認する貸主側の担当者貸主・関係する担当会社

重複する工程は、主担当と引継ぎ方法を各社と決めます。担当がない工程は貸主が行うか、追加委託するかを決め、変更が必要な契約の業務範囲に反映します。

異常発見時と担当不在時の連絡先を決める

架空例として、清掃会社が共用部で漏水を発見した場面を考えます。発見場所と状況を管理会社へ伝え、管理会社が受信を返信して対応を判断する手順を事前に合意します。

清掃会社が発見したことだけで、修理手配まで担当すると決めつけません。現地確認を手配する担当と、貸主の発注承認が必要な条件を契約書から分担表へ転記します。

窓口が応答しない場合の次の連絡先と、対応を判断する担当を決めます。緊急時に承認を待たず行える措置の範囲と事後報告の方法も、契約に沿って記入します。

修理後は、報告担当が完了内容と請求明細を貸主へ送ります。清掃会社にも対応済みの箇所を伝え、異常が続く場合は同じ窓口へ再連絡するよう依頼します。

依頼開始前に分担表を各社へ送り、記載した役割を引き受ける旨の回答を得ます。必要な契約変更も済ませ、受付窓口が変わる場合は入居者への通知担当と通知方法を決めます。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 契約を確認せず、複数社への依頼可否を確定すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
根拠:[民法](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)は委任等の契約関係を確認する基礎、[賃貸住宅管理業法](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)は対象業務と管理受託契約の説明・書面を確認する根拠です。[賃貸住宅標準管理受託契約書](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)は業務範囲と承認事項の整理に参照しています。募集の工程表と管理の分担表は編集部による実務提案であり、標準契約書が複数社への直接依頼を一律に認めるものではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください