管理物件とは
自社管理は誰の管理?
会社の資料にある「自社管理」は、誰の管理を意味するのでしょうか。所有関係・管理主体・委託範囲を、説明資料と契約書で確認します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 結論
管理物件という表示だけで、その会社の所有物件とは判断できません。自社管理についても、「自社」が指す会社と実際の業務範囲を担当者に尋ねます。
- 資料で確かめること
- 所有関係:紹介されている事例は所有物件か、管理を受託した物件か
- 管理主体:資料を出している会社と、管理を担う会社はどこか
- 委託範囲:今回の提案書や契約書に、任せたい業務が記載されているか
- 確認の着地点
回答を受けたら、対応する資料名と該当箇所をメモします。紹介事例への回答と、ご自身の物件への提案を分け、不明な項目は担当者に追加確認します。
01管理物件とは|所有と管理を分けて読む

管理物件の表示だけで所有者を決めない
管理物件とは、一般に管理の対象となっている物件を指す呼び方です。会社の紹介資料では、所有物件か、他の所有者から管理を受託した物件かを注記で確認します。
物件を所有することと、管理を受託することは異なります。建物の写真に「管理物件」とだけある場合は、写真や掲載位置から所有関係を推測せず、担当者に尋ねます。
所有物件か受託物件かを説明資料で確認する
まず、事例の見出しや注記に、所有と受託の区別があるかを見ます。説明がなければ「この事例は御社の所有物件ですか」と、対象を示して質問します。
過去の事例なのか、現在も管理を担っている事例なのかも確認します。資料の掲載時点が分からない場合は、回答がいつの状況を指すかを尋ね、資料に書き添えます。
賃貸住宅管理業法の第2条第2項は、賃貸人から委託を受けて行う事業を定義しています。維持保全を含む管理業務が対象で、家賃等の金銭管理だけを行う事業は除かれます。
資料の「管理物件」「自社管理」という呼称だけでは、法律上の賃貸住宅管理業に当たるかは判断できません。誰から委託を受け、どの業務を行うかを確認します。
所有者と貸主の違いも確認したい場合は、所有者・貸主・管理会社の違いを参照してください。資料に異なる名義があれば、それぞれの役割を担当者に尋ねます。
02自社管理物件とは|「自社」の主体を確かめる

表示している会社と管理を担う主体を確認する
自社管理物件とは、一般に説明する会社が自ら管理する物件を指す表現です。「自社」がどの会社を指すかは、資料の発行元と説明文を照らし合わせて確認します。
管理を担う会社の正式な名称を尋ね、提案書や契約書の名称と照合します。資料を出す会社と異なる場合は、契約相手になる会社と、問い合わせ窓口をそれぞれ尋ねます。
「自社で対応します」という回答には、対象となる業務を添えてもらいます。受付と現地作業の担当をそれぞれ尋ね、外部に委託する作業があれば業務一覧に記載してもらいます。
オーナーの自主管理とは区別して読む
オーナーの自主管理は、一般にオーナー自身が管理を担うことを指します。会社の資料にある「自社管理」は、具体的な会社名に置き換えてメモすると、主語を確認できます。
会社が担当する作業を確認したら、オーナー側に残る作業も尋ねます。業務一覧に担当欄がなければ、ご自身が対応する項目を担当者に示してもらいます。
「自社管理」と「自主管理」は表記が似ています。口頭で説明を受けた場合も、誰が管理する意味なのかを、会社名や担当者名で確認してください。
現在の自主管理から委託へ移る手順は、自主管理から管理委託へ移る際の確認事項を参照してください。担当する作業のメモを手元に置いて確認します。
03管理物件という表示だけでは業務範囲は分からない

集金や清掃が含まれるかを業務一覧で確認する
具体的な業務範囲は契約によるため、ご自身の物件についての業務一覧を受け取ります。集金を任せたいなら、賃料等の徴収に当たる項目を探します。
「家賃管理」とだけ書かれている場合は、入金確認や未収金の督促を含むか尋ねます。回答を受けたら、それぞれの作業に対応する契約書や別紙の箇所を示してもらいます。
清掃については、共用廊下などの対象箇所と実施頻度を確認します。想定する作業が一覧に見つからない場合は、別紙に定めがあるのか、委託に含まれないのかを尋ねます。
国交省の旧標準管理委託契約書では、頭書に管理の目的物件を記載します。第1条と別表には業務内容があり、対象物件と作業内容を照合する参考になります。
参照資料は旧「賃貸住宅標準管理委託契約書」です。現行の「賃貸住宅標準管理受託契約書」と混同せず、ご自身の契約書で管理対象と委託業務を確認してください。
表示の説明と委託業務一覧を照合する
業務一覧を受け取ったら、対象物件名を確認して提案書とそろえます。紹介事例の一覧には「参考事例」とメモし、ご自身の物件の契約条件と取り違えないようにします。
説明と一覧に違いがあれば、該当する言葉と項目を並べて質問します。「清掃も含むと理解しましたが、この一覧のどこに当たりますか」と尋ね、記載箇所を示してもらいます。
業務の一部だけを任せたい場合は、管理業務を一部委託するときの整理を参照してください。任せたい項目に印を付けた業務一覧を用意して読み進めます。
04表示の意味を確認する質問を用意する

所有関係・管理主体・業務範囲を質問する
担当者へ連絡する前に、資料の名称と質問したい箇所をメモします。次の質問例に対象の事例名やご自身の物件名を添え、回答を記入する欄を用意します。
| 確認軸 | 質問例 |
|---|---|
| 所有関係 | この事例は所有物件ですか、受託物件ですか |
| 管理主体 | ここでいう「自社」はどの会社ですか |
| 業務範囲 | 私の物件への提案に含まれる業務は、どの一覧で確認できますか |
会社全体のサービス紹介だけでは個別の範囲が分からない場合があります。「私の物件では、この作業を誰が担当しますか」と尋ね、提案に含むかどうかを回答してもらいます。
回答を資料に照らし、不明点を残さない
回答を受けたら、質問の横に回答内容と資料の該当箇所を記録します。口頭の説明しかない項目は、認識した内容をメールで送り、相違がないか確認してもらいます。
回答と記載が一致しない場合は、今回の提案に適用する内容を尋ねます。資料が古い場合は最新版を受け取り、説明に合わせた修正が必要な場合は差し替えを依頼します。
未回答の項目には「確認中」と記し、追加資料と回答の予定を担当者に尋ねます。回答が届いたら該当欄を更新し、契約書に反映されているかを確認します。
契約書との照合手順は、管理委託契約書の読み方を参照してください。回答を記録したメモと、契約書に添付される業務一覧を手元に用意します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 表示だけで所有関係や委託範囲を確定すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。- 賃貸住宅管理業法:第2条第2項の賃貸住宅管理業の定義を確認し、説明資料の呼称と区別するための参照資料です。
- 国交省・旧賃貸住宅標準管理委託契約書:頭書の管理の目的物件と、第1条・別表の業務内容を確認する参考資料です。旧書式として参照しています。
業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください