賃貸管理の共用部清掃
範囲・頻度・費用の確認
共用部清掃の委託範囲は契約によります。場所別の作業・頻度・費用・報告方法を管理会社と確認します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの共用部清掃の委託条件です(分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外)。
- 任せる範囲
廊下の掃き掃除と手すりの拭き掃除は、別項目にします。場所の名前だけでなく、作業方法と対象外の作業まで確かめます。
- 管理会社と決めること
- 場所ごとの通常の実施間隔と、季節に応じた見直し方
- 定額内の作業と、資材費・処分費・臨時作業の費用区分
- 実施箇所・未実施理由の記録と、再対応の相談方法
- 確認に使う資料
契約書、清掃仕様表、見積書、実施記録をそろえます。同じ場所と作業の項目で照らし合わせ、記載が違う箇所を管理会社に尋ねます。
01共用部清掃は場所と作業をセットで確認します

廊下・階段・手すりを作業別に分けます
契約書に「共用部清掃」とだけある場合は、作業の内訳を管理会社に尋ねます。廊下の床を掃く作業と水拭きする作業を分け、含まれる方法を仕様表に記入します。
国交省の標準書式の頭書(3)には、実施箇所や内容・頻度、再委託先の記載欄があります。清掃を実施する会社を確認し、問い合わせ先は管理会社に別途尋ねます。
下の仕様表は、標準書式を参考にした編集部の実務提案です。対象内外は物件ごとの契約によります。管理会社と現地を確認し、採用する作業と対象範囲を記入します。
| 場所 | 作業方法の候補 | 対象内外の確認 |
|---|---|---|
| 共用廊下 | 床の掃き掃除・水拭き | 掃き掃除だけか、水拭きも含むか |
| 階段・踊り場 | 段差や隅の掃き掃除 | 対象階と踊り場の範囲を明記する |
| 手すり | 表面の拭き掃除 | 床清掃とは別に対象か確認する |
| ゴミ置場 | 床の掃き掃除・洗浄 | 床と容器を分け、洗浄の有無を確認する |
| 照明カバー | 表面の拭き掃除 | 届く範囲、取り外し作業の有無を確認する |
同じ廊下でも、階や区画によって対象が違う場合があります。「共用廊下一式」では範囲が分からなければ、図面や写真に対象部分を示し、仕様表に添付します。
ゴミ置場・照明カバーの対象範囲を確かめます
ゴミ置場では、水洗いに使う水道と排水先を管理会社に確認します。集めた落ち葉などをどこに置くかも相談し、回収や搬出を担当する人を仕様表に記入します。
照明カバーは、高さや取り外しの要否で対応できる作業が変わる場合があります。通常清掃の対象外となる箇所を写真で示してもらい、別途依頼できるかを確認します。
ゴミ置場の清掃と、ゴミ出し違反への対応は別の業務として確認します。後者の整理はゴミ出しトラブルへの対応で扱っています。
清掃以外も含めて委託範囲を整理する場合は、賃貸管理代行の業務範囲を参照してください。清掃と別の業務にまたがる依頼は、担当窓口を管理会社に尋ねます。
02清掃頻度は汚れ方と利用状況から相談します

通常の実施間隔を場所ごとに確認します
清掃頻度を相談するときは、玄関周辺や上階の廊下など、場所別に汚れを確認します。土が入りやすい場所や人通りの多い場所を伝え、通常の実施間隔を提案してもらいます。
訪問のたびに手すりまで拭くのか、床とは別の間隔で行うのかを確認します。訪問予定だけで判断せず、場所と作業ごとの実施間隔を仕様表に記入します。
予定表の「巡回」に清掃が含まれるかは、管理会社に確認します。巡回の頻度を整理するときは、巡回・点検頻度の確認事項を参照してください。
雨などで実施できない作業は、延期するか、一部だけ実施するかを事前に相談します。変更後の予定について、誰が、いつ、どの方法で知らせるかも決めます。
季節の汚れと臨時清掃の依頼条件を決めます
落ち葉が増える時期は、通常清掃の後にどの程度残っているかを確認します。残った場所を写真などで伝え、一時的な作業追加や実施間隔の変更が必要か相談します。
見直しの相談には、汚れに気づいた日時と直前の清掃日を添えます。清掃後に再び汚れたのか、作業が未実施だったのかを管理会社に確認してから、変更内容を決めます。
- 依頼の窓口:臨時清掃を相談する担当者と連絡先を確認します。
- 実施の条件:見積もりの回答時期と、対応可能な時期を確認します。
- 見直しの終了:通常の条件に戻す時期と、その判断を連絡する担当者を決めます。
03費用は同じ作業範囲で照合します

定額内・資材費・処分費を分けて確認します
見積書の作業名を仕様表と照合し、対応する項目がない場合は内訳を尋ねます。「廊下清掃」とだけ書かれていれば、掃き掃除か洗浄か、対象となる方法を追記してもらいます。
標準書式の頭書(5)には、管理業務に要する費用の記載欄があります。手元の契約でも、清掃費の記載箇所を確認します。定額に含む範囲は契約によります。
| 費用の区分 | 管理会社に確認する内容 |
|---|---|
| 通常の作業代 | どの場所・作業・頻度が定額に含まれるか |
| 資材費 | 洗剤や清掃用具などの費用が作業代に含まれるか |
| 処分費 | 清掃で集めたものの回収・搬出・処分が含まれるか |
| 臨時作業費 | 追加する場所・方法・作業量をどう見積もるか |
「清掃費別途」とある場合は、別に請求される項目と支払時期を尋ねます。請求時に照合できるよう、回答を見積書などに残してもらい、契約書と一緒に保管します。
管理委託料全体の見方は、管理委託料と業務範囲の確認事項で扱っています。清掃費については、管理委託料に含まれる項目と別に支払う項目を見積書で確認します。
臨時作業の見積もりと承認手順を決めます
高圧洗浄が通常清掃の対象外なら、洗浄する場所と範囲を示して見積もりを依頼します。費用を確認してから発注する場合は、依頼時に「見積もりのみ」と明記します。
見積もりの送付先と、オーナー側で承認する人を事前に決めます。発注を承認するときは、対象の見積書と作業内容をメールなどに記し、管理会社の受領を確認します。
当日に追加作業が必要となった場合の連絡先と、承認まで作業を待つ範囲を決めます。緊急時などに事前承認を省く条件があるかは、契約書の該当箇所を管理会社に示してもらいます。
04実施記録を仕様表と照らして確認します

実施箇所・作業内容・未実施理由を記録します
実施記録では、仕様表と同じ場所・作業名を使うよう管理会社に相談します。「清掃済み」とだけ記載されていれば、作業日と実施した作業を追記してもらいます。
踊り場に物品が置かれ、一部を清掃できない場合もあります。その際は、未実施の範囲と理由を記録してもらいます。物品の移動が必要なら、誰が対応するかも管理会社に尋ねます。
次の記録欄は、編集部の実務提案であり、標準書式が指定する様式ではありません。管理会社の記録見本を見せてもらい、不足する項目を追加できるか相談します。
| 記録する項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 実施日・担当 | 実際の作業日と、作業を担当した会社 |
| 場所・作業 | 仕様表と同じ名称で、階段の掃き掃除などを記載 |
| 実施結果 | 完了した範囲と未実施の範囲を区別 |
| 未実施理由 | 踊り場に置かれた物品により、その部分を清掃できなかった旨 |
| 次の対応 | 再対応の要否、相談先、予定の確認状況 |
再対応と報告方法を管理会社と決めます
未実施箇所は、次回の通常清掃で行うか、別に対応するかを相談します。再対応の費用は契約と状況によります。実施予定と費用負担を確認し、回答を記録に追記してもらいます。
標準書式の頭書(8)には、オーナーへの定期報告の内容と頻度を記す欄があります。清掃記録の受取時期を確認し、未実施の連絡を定期報告より先に受ける条件も相談します。
写真提出の相談例は、「未実施箇所が分かる写真を、理由と一緒に共有できますか」です。写真提出を一律の義務とはせず、対象箇所・提出時期・費用の有無を管理会社と決めます。
写真だけでは、拭き掃除などの実施内容まで判断しにくい場合があります。気になる汚れが写っていれば、撮影日時と清掃日を照合し、実施記録の作業が行われたかを尋ねます。
報告書全般の確認は、管理報告書の見方を参照してください。清掃の記録で回答待ちの項目があれば、回答予定日と連絡担当者を管理会社に確認します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 契約内容を確認せず、すべての共用部清掃が定額内と確約すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」の頭書(3)(5)(8)を参照しています。標準書式の提示だけで、個別物件の清掃条件が決まるわけではありません。場所と作業を対応させた仕様表、未実施理由の記録欄、写真提出の相談例は、編集部の実務提案です。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください