マンション管理人変更
貸主の依頼先と交代手順
管理人の交代を考えたら、契約書で雇用主や委託先を確認します。相談先に伝える事実と、交代までに必要な対応を整理しましょう。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの管理人変更で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 交代の相談先
管理会社が配置する管理人なら、管理会社の責任者へ相談します。直接委託・直接雇用の場合は、契約相手と勤務実態を確認してから対応を検討します。
- 相談前にそろえるもの
- 契約書と業務仕様書で確認した担当業務
- 対応不足が疑われる作業・確認日・依頼履歴の記録
- 後任への希望条件と引き継ぎの確認事項
- 完了を判断する時点
交代日の決定後も、引き継ぎの確認が必要です。後任の初回勤務後に、鍵の受領と未対応事項の担当・対応予定を報告してもらい、不足を確認します。
01管理人の交代は誰に相談する?

委託契約書と業務仕様書で手配主体を確認
最初に、締結済みの管理委託契約書と業務仕様書を並べます。管理人の配置、現地点検、清掃について、業務を引き受ける相手の名称を確認します。
現地にいる人の肩書だけでは、雇用主や契約先は分かりません。管理会社の従業員か、再委託先の担当者か、貸主の直接契約先かを管理会社などに尋ねます。
契約先が曖昧なら、管理会社との契約先を確認する方法を参照します。請求書の差出人だけで決めず、契約書の当事者欄と照合します。
変更合意書や特約も読み、現在適用される業務内容を確認します。確認箇所に迷ったら、管理委託契約書の読み方を参照してください。
管理会社の配置・直接委託・直接雇用を分ける
| 手配の形 | 最初の相談先 | 確かめる内容 |
|---|---|---|
| 管理会社が配置・手配 | 管理会社の責任者 | 配置を判断する部署、再委託先との調整担当 |
| 貸主が事業者・個人へ直接委託 | 委託契約の相手方 | 担当変更の条件、代替対応、契約終了や変更の条件 |
| 貸主が直接雇用 | 労務に詳しい弁護士や社会保険労務士 | 雇用契約と勤務実態、配置変更や雇用終了を検討する際の手続 |
管理会社が配置する場合は、責任者に交代希望を伝えます。配置変更を判断する担当者の氏名と連絡先を確認し、その担当者から回答を受けるよう依頼します。
直接委託では、契約相手が代わりの人を手配できるか確認します。本人が業務を行う契約なら、契約の変更や終了、新たな委託先の確保が必要になる場合もあります。
雇用か業務委託か判断に迷う場合は、契約書に加え、勤務時間や指示の記録を専門家へ見せます。契約書の名称だけで判断せず、実際の働き方も説明してください。
02交代理由を業務上の事実で伝える

未実施作業・発生日・依頼履歴を記録
相談では「仕事が雑」という評価より、どの業務に不足があったかを示します。契約で予定した作業と実際の記録を比べ、確認できた事実と未確認の点を書き分けます。
共用灯が消えていても、それだけで管理人の報告漏れとは断定できません。点検の担当と予定日を調べ、発見後の連絡が報告先に届いているか確認します。
| 記録する項目 | 共用灯の不点灯での整理例 |
|---|---|
| 対象の業務 | 共用灯の点検と異常時の報告が担当範囲に含まれるか |
| 発生日・確認日 | 発生が不明なら不明と書き、貸主が確認した日を記載する |
| 依頼履歴 | 連絡した相手、内容、返答、再確認した経過を残す |
| 裏付けと未確認点 | 現地写真や点検記録を添え、報告の到達が未確認なら明記する |
作業記録が見当たらない場合は「記録を確認できていない」と伝えます。未実施と決めつけず、管理会社に実施の有無と記録の所在を確認してもらいます。
入居者から聞いた内容は、貸主が直接確認した事実と分けて残します。聞き取った内容と確認したい点をまとめ、必要な範囲で管理会社に事実確認を依頼します。
改善を求める業務と交代の希望を分ける
改善してほしい業務と、人員の交代を希望する理由は別に書きます。作業範囲や報告先が曖昧な場合は、その決定も依頼し、後任に伝える内容をそろえます。
例えば「共用灯の不点灯について報告を確認できていません」と伝えます。そのうえで「点検・報告の状況確認」と「担当交代の検討」を分けて依頼します。
以前に改善を依頼しているなら、その依頼文と回答を添付します。回答どおりに実施されたかを記録し、未対応の項目について今回求める対応を書きます。
交代の検討中でも、残っている不点灯などへの対応は別に依頼します。現地確認や修繕手配を担う担当者と、その結果を報告してもらう時期を確認してください。
03交代日と業務をつなぐ条件を相談する

後任の担当業務と希望条件を伝える
後任への希望は、現地で必要な作業に置き換えて伝えます。点検する場所、異常を見つけた際の連絡先、報告に添える写真などを希望条件として書き出します。
現在の契約に含まれる業務と、新たに追加したい業務は分けます。管理業務全体の整理には、賃貸管理の代行範囲を確認する記事を参照してください。
| 相談する条件 | 合意前に確かめること |
|---|---|
| 後任の担当業務 | 点検・清掃・報告の範囲と、担当しない業務 |
| 勤務・巡回の条件 | 現在の実施条件を継続できるか、変更が必要か |
| 貸主の承認事項 | 業務追加や費用変更の有無、承認を求める方法 |
| 交代の希望日 | 後任の手配と引き継ぎに照らした実施可能日 |
費用や業務範囲が変わる場合は、変更内容と適用日を書面で提示してもらいます。担当交代への回答と、追加業務や費用への承認は、項目を分けて返します。
交代までの代替要員と回答時期を確認
交代の希望日を伝えたら、可否の回答を受ける日も相談します。すぐに決まらない場合は、未確定の理由を尋ね、次の進捗連絡日を決めて記録します。
現任者の最終勤務日と後任の初回勤務日を並べて確認します。間が空く場合は、予定していた点検や清掃を誰が行い、異常の連絡を誰が受けるかを決めます。
代替要員への業務内容と報告先の伝達は、手配する責任者に依頼します。暫定対応の実施状況についても、貸主への報告方法と報告日を相談します。
相談後は、合意事項と回答待ちの事項をメールなどにまとめ、相手に確認を依頼します。回答待ちの項目には担当者と回答予定日を記し、変更時の連絡先も添えます。
上の条件表と次節の引き継ぎ表は、編集部の実務提案です。国土交通省の標準書式にある業務・費用等の整理を参考にしており、公的な管理人交代手順ではありません。
04引き継ぎの完了をどう確かめる?

鍵・作業記録・未対応事項・緊急連絡先を渡す
引き継ぎでは、対象ごとに渡す担当と受け取る担当を決めます。管理会社が同じ場合も、現地で必要な情報や物品の一覧を責任者に作成してもらいます。
次の確認表は、管理会社が管理人を配置する場合を想定しています。担当欄を実際の氏名や部署に置き換え、受渡予定日と実際の受領日を追記して使います。
| 対象 | 引き継ぐ担当 | 受け取る担当 | 完了の証跡 |
|---|---|---|---|
| 鍵・保管場所 | 現任者または鍵管理担当 | 後任者または鍵管理担当 | 鍵の識別情報・本数・受領日を記した受渡記録 |
| 作業記録・点検予定 | 現任者と管理会社の担当者 | 後任者 | 受領した記録の一覧と次回作業の確認記録 |
| 未対応事項 | 現任者と案件の担当者 | 後任者と案件の担当者 | 現状・次の対応・担当・対応予定を記した引き継ぎ表 |
| 緊急連絡先 | 管理会社の責任者 | 後任者と代替要員 | 連絡先一覧の受領と連絡手順の確認記録 |
鍵は、受け取った側が現物と受渡記録を照合した結果を残します。保管や持出しの詳しい運用は、賃貸物件の鍵管理の記事を参照してください。
未対応事項には、点検待ちや修繕手配済みなど、現在の状態を書きます。貸主の承認待ちなら、承認を求める内容と回答先を添え、貸主にも該当項目を送ってもらいます。
後任の初回勤務後に受領と対応状況を確認
後任の初回勤務後は、責任者に確認表を更新して報告してもらいます。未受領の物品や閲覧できない記録があれば、該当項目に不足内容を記載してもらいます。
未完了の設備点検がある場合は、実施済みか、今後の対応予定が決まったかを確認します。資料の引き継ぎ完了と、点検そのものの完了は別に記録します。
不足が見つかった項目は、補う担当者と回答日を決めて確認表に追記します。回答日には責任者へ結果を確認し、解消していなければ次の対応予定を尋ねます。
会社自体の変更を検討する場合は、管理人の配置変更とは分けて判断します。契約終了や切替の確認は、管理会社を変更する手順で扱っています。
05当社でできること・できないこと
できること
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 希望どおりの管理人交代を保証すること
いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。雇用と業務委託の契約関係を確認する法的基礎として、[民法](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)を参照しています。貸主に一律の交代要求権を認める根拠ではありません。業務・費用・承認事項の整理は、国土交通省の[賃貸住宅標準管理受託契約書](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)を参考にしています。本文の条件表と引き継ぎ確認表は編集部の実務提案で、公的な交代手順ではありません。直接雇用の配置変更や雇用終了は、民法だけで判断せず、労働関係法令の適用も専門家に確認してください。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください