サブリースの手数料
差額・別途費用・仲介を整理
サブリースの受取額と費用負担は、「手数料」という名称だけでは分かりません。契約案と費用一覧を用意し、支払先と根拠条項を照合します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けの費用確認で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。
- 結論
確認の出発点は、誰から誰へ、何の契約に基づいて支払うかです。費用一覧に支払先と契約名を書き、賃料差額と別途請求を分けます。
- 契約案で拾う条件
- 借上賃料と、送金時に控除される費用の内訳
- 修繕・原状回復・更新等の負担と免責期間
- 仲介の対象契約・媒介業者・依頼者・負担条項
- 確認を終える目安
各費用の金額や計算方法、支払時期、根拠条項を同じ行に記録します。空欄は質問票へ移し、契約前に書面で回答を求めます。
01手数料という説明をお金の流れに分ける

借上賃料と転貸賃料の差額を確認する
一般にサブリースでは、会社がオーナーから物件を借り、入居者へ転貸します。契約書の当事者欄を見て、借上契約と転貸契約を区別します。
契約関係図:オーナー〔貸主〕⇄〔借上契約〕サブリース会社〔借主・転貸人〕⇄〔転貸契約〕入居者〔転借人〕。入居者から会社へ支払うのが転貸賃料、会社からオーナーへ支払うのが借上賃料です。
賃料差額を示されたら、転貸賃料と借上賃料の対象住戸・期間をそろえます。募集時の予定賃料か、成約後の賃料かも提示資料で確かめます。
会社が負担する業務や費用もあるため、賃料差額だけでは純利益は分かりません。受取額を確認する際は、契約案の借上賃料と控除項目を使います。
管理委託では、オーナーが管理業務を会社へ依頼します。契約関係の違いは、サブリースと管理委託の違いで確認してください。
賃料差額と貸主への別途請求を分ける
「手数料を差し引きます」と説明されたら、計算式を示してもらいます。借上賃料を決める計算か、決まった借上賃料から費用を控除する計算かを確かめます。
| 区分 | お金の意味 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 賃料差額 | 転貸賃料と借上賃料との差 | 両賃料の提示資料と算定条件 |
| 貸主への別途請求 | 契約上、貸主が別に負担する費用 | 負担条項・特約・見積書 |
| 媒介報酬 | 対象契約を媒介したことへの報酬 | 対象契約・媒介の依頼内容 |
別途負担は、送金からの控除と別払いに分けて一覧へ記入します。媒介報酬も貸主が別途負担する場合があるため、同じ請求を重ねて記入しないようにします。
02別途負担と賃料が支払われない期間を拾う

修繕・原状回復・更新等の負担条項を探す
契約案では、賃料の条項に加えて維持保全や費用負担の条項を読みます。修繕を手配する人と費用を負担する人を、それぞれ書き出します。
「管理に含む」と説明されたら、受付・見積取得・工事代の扱いを聞きます。会社が行う作業と会社が負担する費用を、別々に書面へ記載してもらいます。
| 項目 | 含まれる範囲 | 別途負担 | 根拠条項 |
|---|---|---|---|
| 修繕 | 受付・手配・施工のどこまでか | 工事代・部材代等の負担者 | 維持保全・修繕の条項 |
| 原状回復 | 退去確認・見積・精算の範囲 | 貸主負担の対象と算定方法 | 原状回復の条項・特約 |
| 更新等 | 借上契約と転貸契約のどちらか | 更新時の費用の有無と支払先 | 更新・費用負担の条項 |
| 点検・清掃 | 対象設備・作業内容・実施範囲 | 定期費用と臨時作業費の扱い | 業務一覧・別紙 |
各費用の有無や負担者は契約によります。表を複写して契約案の内容を記入し、該当条項が見つからない欄には「未確認」と記載します。
原状回復は、入居者との負担区分と借上契約上の負担を分けます。具体的な判断は、原状回復でオーナーが負担する費用も参照してください。
免責期間の有無と適用条件を確認する
契約によっては、借上賃料が支払われない免責期間が定められます。契約案の賃料発生条件と特約を読み、該当する期間に印を付けます。
- 適用場面:契約開始時だけか、退去後や工事中にも適用されるかを聞きます。
- 期間の数え方:開始日と支払開始の条件を契約案から転記します。
- 期間中の負担:修繕費や点検費などの支払者を費用ごとに記入します。
- 終了の確認:支払開始日を知らせる資料や通知の有無を聞きます。
賃貸住宅管理業法は、特定賃貸借契約の締結前の書面交付と説明を定めています。説明書面と契約案の賃料・維持保全の条件を照合し、相違点を質問します。
根拠は賃貸住宅管理業法です。契約締結時の書面交付も別に定められています。適用除外や電磁的方法の扱いがあるため、説明省略等を求められた際は該当規定と理由を確認します。同法は統一的な手数料率を定めるものではありません。
03仲介手数料は対象契約と依頼者から確認する

どの契約を誰が媒介したか照合する
仲介手数料の請求を受けたら、対象となる契約名を請求元に聞きます。オーナーと会社の借上契約か、会社と入居者の転貸契約かを契約書で確かめます。
会社が自ら借主になることと、別の当事者間の契約を媒介することは異なります。請求元が対象契約の当事者なのか、媒介業者なのかを確認します。
| 照合項目 | 確認する内容 | 手掛かりとなる資料 |
|---|---|---|
| 対象契約 | 借上契約か転貸契約か | 契約名・契約当事者・対象住戸 |
| 媒介業者 | 誰が契約の成立を媒介したか | 媒介業者の表示・請求書 |
| 依頼者 | 誰が誰に媒介を依頼したか | 依頼書・申込書・連絡記録 |
| 負担条項 | なぜオーナーが支払うのか | 報酬の合意・借上契約の特約 |
入居者募集に伴う請求でも、オーナー自身の媒介依頼とは限りません。会社が支払う費用の負担を求められた場合は、借上契約の条項と元の請求内訳を示してもらいます。
貸主の負担根拠と広告の依頼内容を確認する
「広告料」「募集費」という名目も、名称だけでは内容を判断できません。広告の依頼者・掲載先・実施内容・料金内訳が分かる資料を請求元に求めます。
国交省の報酬告示は、媒介報酬と依頼者の依頼による広告の料金相当額を区別しています。依頼記録と広告の実施資料を照合し、請求された費用との対応を確認します。
根拠は国交省の報酬告示です。「広告料」という名称や費用負担の特約だけで請求の適否は決まりません。契約関係と実際の依頼内容を併せて確認します。
広告の資料は媒介報酬の資料と分け、同じ業務の費用が含まれていないか確認します。上限計算や広告料の詳しい扱いは、管理会社に支払う仲介手数料で扱います。
04契約案と請求内容を照合して質問を残す

請求名目・支払時期・根拠条項を一覧にする
契約前は、契約案に加えて費用一覧や送金明細の見本を取り寄せます。契約後の確認では、締結済みの契約書と実際の請求書を並べます。
一つの請求名目に複数の作業が含まれる場合は、作業別の内訳を求めます。金額に加え、対象期間や発生条件が契約書の記載と合うかを確認します。
| 請求名目 | 金額・計算方法 | 支払時期 | 根拠条項・未確認事項 |
|---|---|---|---|
| 送金時の控除 | 借上賃料と控除額を別記 | 対象月と送金日 | 控除できる項目と条件 |
| 修繕等の別払い | 見積内訳と承認した範囲 | 発注時・完了時等の定め | 負担条項と承認手続 |
| 募集に伴う費用 | 媒介報酬・広告等を区分 | 契約成立時等の定め | 対象契約と依頼の記録 |
表には、根拠となる条番号や別紙名も記録します。口頭説明と書面が食い違う場合は、合意する条件を契約案へ反映するよう締結前に求めます。
不明な費用は書面で説明を求める
一覧で未確認になった欄ごとに、請求名目と不足する情報を質問票へ転記します。該当する契約案や見積書を添え、メールなど回答が残る方法で送ります。
- 区分が不明な場合:「この手数料の計算式と、計算の基になる賃料を示してください」
- 負担範囲が不明な場合:「原状回復で会社が負担する作業と、貸主への請求対象を示してください」
- 期間が不明な場合:「免責期間の開始日と、賃料が発生する条件を示してください」
- 仲介の依頼者が不明な場合:「対象契約と依頼者が分かる資料を示してください」
- 支払根拠が不明な場合:「貸主が負担する条項と、支払時期を示してください」
回答には、対応する条項や見積書の箇所を示してもらいます。条件の変更に合意した場合は、修正後の契約案や合意書にも反映されたか確認します。
質問票には、質問日・回答者・回答内容・対応資料を残します。回答だけを得た欄と、契約書等への反映まで確認できた欄を分けて管理します。
05当社でできること・できないこと
できること
- 契約書や送金明細を基に、費用の区分と確認事項を整理する
- 別途負担や媒介の依頼内容について、確認する資料を整理する
- 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)
できないこと
- 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
- 空室が必ず埋まると保証すること
- 契約書や依頼内容を確認せず、個別請求の適否を断定すること
その修繕費が何か月で回収できるか、先に整理できます
お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。
LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。根拠:賃貸住宅管理業法(特定賃貸借契約の締結前の書面交付・説明と締結時の書面交付)、国交省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(媒介報酬と依頼者の依頼による広告料金の区別)。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください