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戸建てを貸したい方へ
貸す前の不具合確認と修繕判断

公開日:2026年11月03日 更新日:2026年11月03日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

戸建てを貸す前は、生活に必要な設備が使えるかを確かめます。症状・調査結果・修繕予定を確認表にまとめ、募集担当者へ渡します。この記事は賃貸オーナー向けに戸建ての募集前確認を扱い、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

まず設備の有無と動作、不具合の症状を記録します。原因が不明な箇所は業者へ調査を依頼し、安全性と使用への支障を基に、修繕箇所と説明事項を決めます。

募集前にそろえるもの
  • 確認表:設備の有無・動作状況・症状と写真・確認日を記録する
  • 調査記録:判明した原因と未解明の事項を分けて残す
  • 対応記録:修繕予定と完了確認を分け、募集担当者へ共有する
判断の注意

試せなかった設備には「未確認」と理由を書きます。交換予定の設備は、工事後の動作を確認してから「完了」に更新し、募集担当者にも変更を伝えます。

01募集条件を決める前に現況を記録する

戸建ての水回りと給湯設備の動作を確認する様子

通水・排水・給湯・建具の動作を確かめる

募集条件を決める前に、現地で設備の有無と動作を確かめます。以前住んでいたときの記憶だけに頼らず、今回の確認結果を書きます。設備があることと、使えることは別の欄に記録します。

水栓は水が出るかに加え、止めた後の水漏れも見ます。排水は流れ方と接続部の漏れを調べ、給湯は実際に湯が出るかを確認します。異常があれば動作確認を中止し、専門業者へ相談します。

窓や扉は開閉と施錠を試し、引っ掛かる場所を記録します。「建具に不具合」とまとめず、部屋名と窓や扉の位置を書きます。写真にも同じ名前を付け、修繕業者が場所を特定できるようにします。

確認表は、設備ごとに行を分けて作ります。次の表は記入例です。確認日は実際の日付に置き換え、写真は部屋名や設備名と対応させて保管します。

箇所設備の有無動作状況症状・写真確認日
台所の水栓・排水有通水・排水を確認接続部に水滴あり。位置と写真を添付実際の確認日
浴室の給湯有未確認ガス未開栓のため。機器の写真を添付現地確認日
居室の窓・鍵有開閉時に引っ掛かり部屋名と窓の位置、写真を添付実際の確認日

雨漏りの痕跡と未確認箇所を記録する

天井や壁は、染み、変色、浮きなどの位置を写真に残します。部屋全体の写真と症状の近接写真をそろえます。その場で乾いていても解決済みとはせず、過去の漏水や修繕の記録を探します。

電気や水道が使えず試せなかった設備は、未確認と記します。見られなかった場所も空欄にせず、理由を添えます。再確認の依頼先と実施予定日を決め、確認表へ追記します。

この確認表は編集部の実務提案です。確認時の天候や通電・通水の可否も記すと、後日の調査で確認条件を伝えられます。

確認後は、再確認や業者への調査依頼が必要な箇所を確認表から拾い出します。貸し出し全体の順序は、家を貸す流れで確認できます。

02原因が分からない不具合は調査につなぐ

天井の染みを照らして雨漏りの痕跡を調べる様子

天井の染みは塗装前に原因を確認する

天井に染みがある場合は、塗装の前に原因調査を依頼します。雨水の侵入が続いていれば、表面を整えても再発するおそれがあります。雨漏りとは決めつけず、染みの位置と確認時の状態を業者へ伝えます。

過去に修繕した箇所なら、工事内容と施工後の状況を確認します。請求書の工事名だけで判断せず、今回の染みと同じ場所かを照合します。当時の写真や報告があれば、調査業者に渡します。

調査業者には、原因の候補と確定した事項を分けて報告してもらいます。原因が絞れなければ、追加調査の方法を聞きます。内装工事の着手時期は、原因調査の進み具合を踏まえて業者と決めます。

症状と発生状況を専門業者へ伝える

調査を依頼する際は、写真と確認表を業者へ送ります。現地で再現しない不具合に備え、発生時の状況も添えます。分からない点は推測で埋めず、不明と記載します。

調査報告は、確認表の該当欄にファイル名や保管先を書いて関連付けます。口頭で説明を受けた場合は内容を記録し、業者に確認してもらいます。オーナー自身の推測は、業者の所見と欄を分けます。

見積もりを受け取ったら、判明した原因への対応が工事項目に含まれるかを業者に確認します。項目の読み方は、修繕見積もりが高いと感じたときの確認事項を参照してください。

業者が調査できなかった範囲も、報告書に記載してもらいます。「異常なし」と「調査対象外」を区別して読み取るためです。

03安全性と使用への支障で修繕を判断する

配管の水漏れと壁紙の色あせを分けて検討する図

水漏れと内装の色あせを同じ優先度にしない

修繕の順序を決める前に、安全性と日常の使用への支障を業者に確認します。水漏れのある配管は、周囲への被害も調べてもらいます。壁紙の色あせは、下地の異常や使用への支障がないかを確認します。

設備が古い場合も、年数だけで交換を決めず、点検結果を業者に聞きます。動作していても、異音や漏れがあれば症状を伝えます。使用継続の可否と、修理・交換それぞれの対応内容を確認します。

確認された状態判断の着眼点対応の整理例
配管から水が漏れる使用への支障と周囲への影響原因と修繕方法を確認し、募集前の対応を優先する
壁紙に色あせがある見た目だけか、下地などにも異常があるか使用に支障がなければ、補修の要否と説明内容を検討する
給湯の動作を試せていない正常か不具合か判断できない再確認を手配し、その結果から対応を決める
天井の染みの原因が不明漏水の継続や影響範囲が未解明追加調査を依頼し、募集・引渡しの予定を再検討する

募集前の修繕箇所と説明・条件検討箇所を分ける

確認表の対応欄には、前の表を参考に調査後の方針を記入します。募集前に直す箇所は、業者と工事日程を確認します。保留する箇所には、判断に必要な追加情報と、その確認先を書きます。

民法606条では、使用・収益に必要な修繕は原則として貸主の義務です。借主の責任で修繕が必要となった場合は例外です。個別の負担は原因や契約内容によるため、不明点は契約書を示して専門家に確認します。

民法611条では、借主の責任によらず一部が使用・収益できない場合、その割合に応じて賃料が減額されます。該当する不具合が生じたら、使えない範囲と期間を記録し、契約内容と併せて専門家に相談します。

修繕義務と一部使用不能時の扱いの根拠は、民法606条・611条です。611条は、残った部分だけでは賃借の目的を達成できない場合の借主による解除も定めています。

補修せずに残す箇所は、位置と症状、使用できる範囲を記載します。「古い家なので現状渡し」とだけ記さず、内見時の説明文を募集担当者と確認します。契約書類にも同じ状態が記載されているか照合します。

状態を説明しただけで、貸主の修繕義務がなくなるとは限りません。使用への支障が残る場合は、修繕方法と完了見込みを業者に確認し、募集・引渡しの時期を募集担当者と調整します。

04確認結果を募集情報と契約上の設備情報に反映する

設備一覧と募集情報と契約書の記載を照合する様子

設備の動作状況と修繕予定を一覧で共有する

募集担当者には、確認表と調査報告、修繕予定をまとめて渡します。広告や内見時に説明する箇所を確認し、設備情報の修正を依頼します。修正後の広告案と契約書類を受け取り、確認表と照合します。

国土交通省の賃貸住宅標準管理受託契約書には、住戸明細表の「住戸内の設備」欄があります。設備の有無と備考を整理する参考にします。貸主と管理業者の契約書式なので、賃貸借契約の設備情報は別に確認します。

賃貸住宅標準管理受託契約書の住戸明細表を参照しています。動作状況・修繕予定・完了確認を加える方法は編集部の実務提案であり、公的な建物診断書ではありません。

確認表の元の記録を残したまま、対応方針と進捗を追記します。更新日と担当者も記載します。更新のたびに募集担当者へ最新版を送り、古い一覧を使っていないか確認します。

追記する欄記録する内容
対応方針修繕、追加調査、状態の説明など、調査結果を踏まえた方針
修繕予定工事内容、担当、合意した予定日。日程が決まっていなければ未定と記載
完了確認施工後の状態、動作確認の結果、確認日と確認者
説明への反映募集情報と契約書類の更新箇所、共有先、未反映の事項

設備の管理や庭の手入れを誰が担うかは、管理委託契約書で確認します。業務分担の確認項目は、戸建て賃貸管理会社に確認することを参照してください。

交換の完了時期と引渡し時の状態を照合する

給湯器を交換する場合は、業者に設置と試運転の予定日を確認します。募集担当者には、その予定と引渡し予定日を伝えます。間に合わない見込みなら、引渡し日や対応方法の調整を依頼します。

工事後は、機器の設置に加え、実際に湯が出るかを確認します。施工報告と動作確認の結果を保存し、確認表を更新します。募集情報や契約書類に交換前の記載が残っていれば、修正を依頼します。

工事予定が変わったら、変更内容と理由を募集担当者へ伝えます。申込みや契約が進んでいる場合は、申込者や借主への説明を依頼します。変更後の対応と日程について、合意した内容を書面に残します。

引渡し前には、確認表を持って現地の設備を確かめます。募集情報・契約書類との相違があれば、募集担当者へ修正と借主への説明を依頼し、その対応を記録します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 目視だけで建物の安全性を保証すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

その修繕費が何か月で回収できるか、先に整理できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

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この記事について
根拠:民法(606条・611条)、賃貸住宅標準管理受託契約書(住戸明細表の設備欄)。動作状況・修繕予定・完了確認を加えた確認表は編集部の実務提案です。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください