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賃貸管理の利益はどこから?
貸主が確かめる収益の仕組み

公開日:2026年10月30日 更新日:2026年10月30日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

管理会社の収益源は、受託する業務や契約によって異なります。契約書と請求明細を開き、業務・報酬・承認条件を照合します。この記事の範囲は賃貸オーナー向けで、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

管理会社の利益を考えるには、売上だけでなく業務にかかる費用も必要です。貸主はまず、支払う報酬に対応する業務を契約書で確認します。

契約で確かめること
  • 継続的な管理に含む業務と、個別に依頼する業務
  • 契約する相手と、報酬が発生する条件
  • 追加費用の説明時期と、貸主の承認が必要な条件
請求額の読み方

修繕費には工事代金や手配業務の対価などが含まれる場合があります。請求書の項目を承認済みの見積書と照合し、不明な費用は担当者に説明を求めます。

01管理会社の売上と利益を分けて考える

管理会社の売上から費用を差し引く利益の仕組み

管理委託料の全額が利益になるわけではありません

貸主が支払う管理委託料は、管理会社にとって業務の対価です。まず契約書の報酬欄と送金明細を照合し、管理報酬として差し引かれた金額を確認します。

売上-費用=利益が基本の考え方です。業務に必要な費用があるため、管理委託料の全額をそのまま利益とは捉えません。

送金明細には、預かった家賃や立替金の精算も載ることがあります。管理会社の報酬と分けて印を付け、区別できない項目は担当者に内訳を尋ねます。

任せている仕事が分からない場合は、契約書に添付された業務一覧を取り寄せます。役割の整理は、賃貸管理会社とは何をする会社かで確認できます。

人件費・外注費・システム費用もかかります

一般に、管理会社には担当者の人件費などの費用がかかります。費用の種類と、それが生じる業務の例を次の表で整理します。

費用の例対応する業務の例
人件費入居者からの連絡受付、記録、貸主への報告
外注費外部の事業者に委託する点検や清掃
システム費用問い合わせ履歴や家賃の入出金の管理

業務の実施状況を知りたいときは、管理報告書の対応履歴を読みます。契約にある業務が見当たらなければ、実施日や結果が分かる記録を担当者に求めます。

費用の表は仕組みを理解するための例です。個社の費用内訳や利益率を示すものではなく、貸主への請求書だけから会社全体の採算は判断できません。

02継続業務と個別業務の収入を整理する

継続的な管理業務と募集時の個別業務を分ける図

継続的な管理業務の対価を確認します

継続的な管理では、家賃の管理や入居者対応などが契約の対象になる場合があります。契約書の業務一覧と報酬欄を開き、管理委託料に含む業務へ印を付けます。

修繕の受付が含まれていても、工事代金まで含むとは限りません。業務一覧に記載のない対応は、担当者に委託料内か別途負担かを尋ね、回答を書き添えます。

委託料を比較するときは、業務範囲の別紙や特約も取り寄せます。確認の進め方は、管理委託料と業務範囲の確認ポイントにまとめています。

賃貸住宅管理業法上の管理業務は、賃貸住宅の維持保全と、それと併せて行う家賃等の金銭管理です。家賃等の金銭管理だけでは、この法律上の管理業務には当たりません。

仲介・広告・修繕対応の収入は契約によります

募集の仲介や修繕対応は、管理とは別の契約になる場合があります。同じ担当者が窓口でも、依頼書や見積書で契約相手と支払条件を確認します。

業務契約主体報酬・費用の発生条件
継続的な管理貸主と管理受託会社管理委託契約の対象業務・期間・計算方法を確認します
賃貸借の仲介仲介の依頼者と宅地建物取引業者媒介契約の成約等の条件と、法令上の報酬制限を確認します
依頼による広告広告の依頼者と依頼を受ける事業者依頼した広告の内容と料金相当額を確認します
修繕の請負・手配貸主と管理会社または工事業者など工事契約や手配の合意に定めた業務・支払条件を確認します

報酬告示は、管理委託料の額を定めたものではありません。媒介報酬とは別に請求される広告料金は、依頼した広告の内容と料金の明細を取り寄せて照合します。

「広告料」という名称だけでは、請求の根拠は分かりません。仲介との区別や依頼内容の確認は、管理会社の仲介手数料と広告料金で扱っています。

表は収益源や費用の整理例です。自分が依頼した業務に該当する行を選び、契約書の該当箇所と請求項目を書き添えます。

03修繕の請求は管理会社の役割から読む

修繕時の請負・紹介・手配という立場の違いを示す図

工事の請負・業者紹介・手配を区別します

修繕の連絡先が管理会社でも、工事の契約相手とは限りません。見積書の発行者だけで判断せず、注文書や契約書で誰に工事を依頼するかを確かめます。

管理会社の役割貸主が確認すること
工事の請負契約相手と施工者を区別し、不具合が残った場合の対応責任を契約書で確認します
工事業者の紹介貸主が直接契約する業者を確認し、紹介後の管理会社の業務と報酬の有無を尋ねます
見積取得や日程調整などの手配手配の範囲と、対価が管理委託料に含まれるかを確認します

発注前に、不具合が残った場合の連絡先を担当者に尋ねます。工事の責任を負う相手と連絡窓口が異なる場合は、それぞれの名称と連絡先を記録します。

請求書だけで管理会社の利益は判断できません

業者の見積額と貸主への請求額に差があっても、差額だけで利益は確定しません。工事範囲や追加対応の違いを、両方の明細を並べて担当者に尋ねます。

請求項目ごとに、請負代金か、立替精算か、手配報酬かを説明してもらいます。立替精算であれば、その内容を確認できる請求書や領収書の提示も求めます。

請求の内訳と、自分が承認した見積もりを照合します。数量や施工範囲などの読み方は、修繕見積もりに疑問があるときの確認方法で扱っています。

説明のつかない差額があれば、差額に対応する業務と合意の記録を示してもらいます。説明を受けても解消しない項目は、請求者へ書面やメールで再確認します。

04追加報酬と承認条件を質問表で確認する

追加業務の報酬と事前説明・承認条件を確かめる質問表

何の業務に、いつ報酬が発生するかを聞きます

追加業務の提案を受けたら、実施する目的と完了時に受け取る報告を尋ねます。提案書に記載がなければ、依頼前に業務内容と支払条件の追記を求めます。

次の質問表は、標準管理受託契約書を参考にした編集部提案です。法定の様式ではなく、手元の契約と担当者の回答を整理するために使います。

質問確認資料回答記録
管理委託料に含まれる業務は何ですか管理委託契約書・業務範囲の別紙対象業務、対象外の業務、該当箇所
追加報酬は何をすると発生しますか報酬条項・料金表・個別の提案書業務内容、発生時点、計算方法
誰と契約し、誰へ支払いますか見積書・注文書・個別契約書契約相手、請求者、支払先
実施前に何を説明し、承認を求めますか承認条項・個別依頼の記録説明項目、承認方法、連絡窓口
緊急時や追加作業はどう扱いますか緊急対応条項・変更条件事前承認の例外、再承認、事後報告

回答が「別途相談」なら、決まっていない項目と決定時期を尋ねます。担当者名と回答日、根拠となる契約箇所を記録し、認識が合っているかメールで確認します。

事前説明・承認の条件を契約書で確かめます

登録を受けた賃貸住宅管理業者には、原則として契約前の書面交付と説明が求められます。契約前に説明書面を受け取り、業務範囲と報酬の記載を照合します。

契約締結時には、確定した条件を記載した書面の交付も求められます。受け取った書面と事前説明を照合し、変更された業務や報酬があれば担当者に尋ねます。

契約前の説明には、相手方が法令で定める専門知識等を有する場合などの例外があります。また、法令上の要件を満たし、貸主の承諾を得た電磁的方法による提供も可能です。

個別工事の承認手順は、管理契約や工事ごとの合意で確認します。通常の発注と緊急対応の条項を開き、承認が必要な範囲と事後報告の内容を書き出します。

連絡がつかない場合の対応は、担当者と具体例で確認します。緊急性の判断条件と実施できる業務を尋ね、単に不在なら着手できるという理解になっていないか確かめます。

承認後に工事内容や費用が変わる場合は、変更見積もりの提示を求めます。追加作業の着手前に再承認が必要かを確認し、承認した範囲をメールなどに残します。

契約書全体との関係は、管理委託契約書の読み方で確認できます。別紙や特約、後から交わした合意も一緒に保管します。

標準管理受託契約書はひな型です。緊急時には、承認を受ける時間的余裕がない業務の実施と、その内容・費用の速やかな書面通知を定めています。自分の契約にも同じ定めがあるか確認します。

説明と契約に食い違いがあれば、該当する条項と回答内容を示して担当者へ確認します。解消せず法的判断が必要な場合は、契約書と見積書、やり取りの記録をそろえて専門家に相談します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 他社の個別取引の利益額を断定すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
根拠資料:賃貸住宅管理業法は、管理業務の定義と管理受託契約に関する説明・書面の規定の参照先です。国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」は、媒介報酬と依頼による広告の料金相当額の区別に用いています。国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」は、業務範囲と報酬・費用、緊急時の対応の参照先です。質問表は編集部の実務提案であり、各資料は個社の収益内訳や利益率を裏付けるものではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください