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賃貸管理を自分で回すには
日常業務と不在時の備え

公開日:2026年10月13日 更新日:2026年10月13日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

賃貸管理を自分で行う際は、契約書と過去の対応記録から、確認する仕事と期限を書き出します。この記事は賃貸オーナー向けに自主管理の運用を扱い、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

自主管理では、確認予定と未完了の案件を分けて記録します。不在時に対応を頼む相手とは、連絡順序と依頼できる作業を事前に合意します。

用意するもの
  • 定例予定表:確認対象・予定日・実施結果を残す
  • 案件記録:受付内容・手配先・次の連絡予定をまとめる
  • 不在時の連絡表:連絡順序・対応範囲・報告方法を決める

01自分で担う仕事を一覧にします

貸主が定例業務と発生時の業務を分けて並べる図

入金・共用部・契約期限を確認します

最初に、いま自分が担っている仕事を書き出します。賃貸借契約書や入金明細、過去の修繕記録を開き、確認や手配をした仕事を一覧に加えます。

入金確認や共用部の確認など、繰り返す仕事には「定例」と記入します。契約期限を調べる際は、部屋ごとに契約書を開き、満了日と通知期限を別欄に転記します。

仕事動くきっかけ残す記録
入金確認契約上の支払期日に合わせた確認予定対象月・入金日・金額・未確認事項
共用部の状態確認建物の状態に合わせた確認予定や異常の連絡確認日・場所・状態・写真
契約期限の把握満了日や通知期限から逆算した予定契約の該当箇所・期限・確認結果
設備不具合の受付入居者からの連絡や現地での発見症状・手配先・次の連絡予定
退去連絡の受付入居者からの退去の申出受付日・申出内容・契約上の期限

業務の棚卸しには、[国交省の賃貸住宅標準管理受託契約書](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)の点検・清掃、修繕、家賃等の徴収の項目が参考になります。自主管理の貸主に、この書式の使用を義務付けるものではありません。

入金が確認できない場合は、対象月や名義などの確認結果を残します。その後の連絡手順は、家賃滞納に気づいたときの対応で確認してください。

故障・退去連絡は発生時の仕事に分けます

故障や退去の連絡には、「発生時」と記入します。電話を受けた際にも記録できるよう、受付日時と申出内容の入力欄を用意します。記録の保存先は、対応する人が開ける場所に決めます。

退去は、申出を受けた日時と希望日をまず記録します。予告期間や通知方法は契約によるため、契約書と照合します。不明な点は入居者に確認し、契約終了日と希望日を分けて記入します。

この記事で扱う退去業務は、受付と期限の把握までです。費用負担や精算の考え方は、原状回復でオーナーが負担する範囲を参照してください。

一覧の項目は、実際に行う動作で書きます。「設備管理」なら「共用灯の点灯確認」「故障連絡の受付」のように分け、担当者を添えます。

02定例確認を予定表に落とします

共用部の確認項目を予定表に落とし込む様子の図

確認予定は契約期限と建物の状態から決めます

確認の頻度を決める前に、契約上の期限と設備の取扱説明書を確認します。過去に不具合が起きた場所も拾い、確認する日と、その日を選んだ理由を予定表に記入します。

予定表には、確認する日だけでなく対象と方法も記入します。たとえば共用灯なら、設置場所と「点灯状態を目視する」と書きます。実施後に結果を書く欄も、先に用意しておきます。

確認対象予定の決め方実施後に残すこと
入金状況契約の支払期日と明細への反映状況を確認して設定する確認日・照合結果・未確認の対象
共用部汚れや傷み、過去の不具合を確認して設定する実施日・見た場所・変化・写真
契約期限契約記載の期限から確認や準備に必要な作業を逆算する確認した条項・必要な手続・次の予定

共用部では、前回と同じ場所を撮影して写真を比べます。変化がなかった場合も、その旨を記録します。問題を見つけた場合は、場所と状態を案件記録へ転記します。

予定どおり確認できなかった場合は、未実施のまま残します。変更理由と次の確認予定を記入し、実施済みと区別します。現地へ行けない場合は、協力先に確認作業を依頼できるか尋ねます。

ここで示す予定表と記録形式は、編集部の実務提案です。目視による日常確認で、設備ごとに必要な専門点検を代替できるとは限りません。対象設備の点検要件と実施予定は別途確認してください。

未完了の修繕は予定表と別に追います

予定表には確認日や訪問日を、案件記録には対応の経過を書きます。同じ案件名を両方に記入し、予定表から該当する記録を探せるようにします。

未完了の案件には、現在の状態と止まっている理由を残します。見積待ちなら、依頼先と次に問い合わせる日を記入します。その日を予定表にも登録します。

確認日になっても部品が届かない場合は、業者に入荷の見込みを尋ねます。見込みが立たない場合は、代替品や応急対応の可否を確認します。回答を記録し、次の対応を決めます。

予定表を確認する際は、確認日を過ぎた未完了案件を抽出します。問い合わせをした結果と、次に連絡する相手・予定日を更新してください。

03受付から完了まで同じ記録で追います

設備不具合の写真と受付から完了までの対応記録

受付日時・症状・写真をまとめます

設備不具合の連絡を受けたら、部屋と設備、いつから何が起きているかを聞き取ります。入居者が見た事実と貸主の推測は分けます。写真は安全に撮れる範囲で共有してもらいます。

蛇口からの漏水なら、漏れる場所と、水が出続けているかを聞き取ります。設備が使えるか、周囲に被害が広がっているかも確認します。聞いた内容を業者に伝え、応急対応の要否を尋ねます。

記録項目記入する内容
受付受付日時・連絡方法・部屋・連絡者
症状設備名・発生時期・現在の状態・生活への影響
写真・資料撮影日・撮影箇所・画像や資料の保存先
手配依頼先・依頼内容・回答・訪問予定
次の連絡誰が誰へ・何を確認するか・連絡予定
完了確認作業内容・報告受領日・使用状況・残る事項

メールや電話で受けた続報は、受信日時と相手の名前を添えて追記します。元の記録を消さず、写真の保存先やメールの控えも同じ案件から開けるようにします。

[民法第606条・第615条](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)が確認先です。第606条第1項は、使用・収益に必要な修繕を貸主の義務とし、借主の責めに帰すべき事由で必要となった修繕を除きます。第615条は、修繕が必要な場合などに借主が遅滞なく通知する義務を定め、貸主が既に知る場合を除きます。

手配先・次の連絡予定・完了確認を残します

業者へ依頼するときは、受付内容と写真を必要な範囲で共有します。訪問候補を入居者と調整し、確定した日時を記録します。業者へ連絡した段階と、訪問が決まった段階を分けます。

訪問が未確定なら、誰からの返答を待っているかを明記します。入居者には、手配中であることと次に状況を伝える予定を連絡します。送信日時や電話で伝えた内容も記録します。

修繕後は、業者の作業報告と入居者の使用状況を確認します。作業した箇所と症状が改善したかを記録します。追加作業がある場合は、その内容と担当者を未完了欄に記入します。

入居者と連絡が取れず使用状況を確認できない場合もあります。そのときは「業者の作業報告受領・使用状況は確認待ち」と記載します。再連絡する日を決め、確認後に結果を追記します。

写真だけで原因や費用負担を確定しないようにします。業者の所見と契約条項を確認し、修繕義務や負担の判断に迷う場合は、記録を添えて弁護士などに相談してください。

04不在時にも連絡と手配が進むよう備えます

旅行中の漏水連絡を貸主と協力先につなぐ経路図

緊急連絡先と代わりに動ける相手を決めます

旅行中に漏水の連絡が入る場面を考えてみます。貸主が電話を受けられても、現地確認や業者の手配が難しい場合があります。受付担当と現地対応を頼む相手を、連絡表の別欄に記入します。

協力先には、不在期間を伝えて連絡を受けられるか確認します。受付可能な時間や地域、対応できる設備を尋ねます。過去に依頼した相手でも、今回の対応可否を確かめて記入します。

連絡表の項目出発前に確認・記入する内容
最初の連絡先受付窓口・連絡方法・受付可能な時間
つながらない場合次の連絡先・連絡を回す順序
代わりに動く相手氏名や担当窓口・現地対応や手配の可否
対応できる範囲状況確認・応急対応・訪問手配のうち合意した範囲
貸主への報告電話やメール等の方法・報告する内容・記録の保存先

入居者へ案内する連絡先は、相手の了承を得てから共有します。不在期間中の連絡方法と、つながらない場合の連絡先を案内します。協力先へ渡す入居者情報は、対応に必要な範囲に絞ります。

依頼できる範囲と貸主への報告方法を共有します

協力先とは、漏水の連絡を受けた想定で連絡表を読み合わせます。誰が症状を聞き取り、誰が業者へ連絡するかを確認します。担当が決まっていない作業があれば、その場で相談します。

応急対応と本修繕について、依頼できる作業を分けて合意します。費用の承認が必要な条件と貸主への確認方法も書きます。貸主が返答できない場合に判断を任せる範囲も、事前に決めます。

連絡先を確保しても、即時の現地対応が可能とは限りません。協力先には、受付内容・手配状況・未対応事項の報告方法を伝え、対応できない場合も連絡してもらうよう合意します。

自分では継続して担えない仕事が見えたら、その業務を一覧に残します。分担を検討する際の確認事項は、賃貸管理を一部委託するときの整理で扱っています。

管理体制全体を見直す場合は、自主管理から管理委託へ移る際の確認事項を参照してください。相談時には予定表と未完了案件の記録を用意し、引き継ぎたい仕事を示します。

出発前に、訪問予定や返答待ちの案件を協力先と確認します。不在中に動く必要がある案件には担当者を記入し、参照する記録の保存先を共有してください。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 貸主不在時の即時対応を一律に保証すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
業務の棚卸しは、[国交省「賃貸住宅標準管理受託契約書」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)の業務項目を参考にしています。貸主の修繕義務と借主の通知義務は、[民法第606条・第615条](https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)を確認先としています。予定表・案件記録・不在時の連絡表は編集部の実務提案であり、法令が定める統一書式ではありません。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください