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GUIDE / いまの管理を見直す

アパート管理会社とは
一棟で任せる仕事と残る判断

公開日:2026年10月04日 更新日:2026年10月04日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

アパート管理会社とは、契約で定めた賃貸住宅の管理業務を担う会社です。この記事の範囲は一棟の賃貸オーナー向けの業務分担で、分譲マンションの管理組合・入居者向けは対象外です。

この記事の結論
結論

契約前に、作業ごとの実施者・承認者・報告先を業務表に記入します。管理会社に表を確認してもらい、合意した分担を契約書や別紙に反映します。

契約前にそろえること
  • 入居者・共用部・建物ごとに、委託する業務を記入する
  • 清掃や設備点検は、現地の実施者と報告方法を確認する
  • 修繕は計画・故障・緊急時に分け、承認と連絡の条件を記入する
所有者に残る判断

修繕の予算や実施時期など、所有者の承認が必要な事項は契約によります。管理会社だけで進められる作業と、承認を求める条件を確認します。

01一棟の管理で任せる範囲を整理します

アパート一棟の管理対象と業務の区分を示す模型

入居者・共用部・建物を業務表にします

一棟の管理では、室内だけでなく共用部や建物設備も確認します。図面や設備一覧を管理会社と照合し、委託する場所と作業を書き出します。

国交省の標準書式は、頭書(3)に業務内容を記入する形式です。点検・清掃等、修繕等、家賃等の徴収等、その他の欄に、内容や頻度を記入します。

対象任せる作業所有者の判断契約確認欄
入居者相談受付、家賃の入金確認、必要な連絡賃貸条件の変更などの承認受付範囲、連絡方法、代理権
共用部清掃、巡回、ごみ置き場や外灯の確認追加作業や設備更新の承認対象箇所、実施内容、費用
建物・設備点検の手配、故障受付、修繕の見積取得修繕予算、実施時期、工事内容対象設備、承認条件、報告方法

この表は分担の確認例で、実際の委託範囲は契約によります。各作業に契約書の該当箇所を対応させ、記載がない作業は追加するか対象外にするかを協議します。

管理の基本的な仕組みは、賃貸管理会社とは何かを参照してください。ここでは、一棟の現場で確認する業務分担を扱います。

管理会社の実施とオーナーの判断を分けます

見積取得を任せても、工事の発注まで任せたことになるかは契約によります。見積の依頼者と発注者を分け、所有者の承認が必要な段階を記入します。

業務表に担当者を書くだけでなく、承認が必要になる条件を記入します。条件に該当した際の連絡先と、承認結果を残す方法も決めてください。

業務の有無と、費用が管理報酬に含まれるかも分けて確認します。費用項目の整理は、管理委託料と業務範囲の確認ポイントを参照してください。

標準管理受託契約書はひな形です。第9条は頭書(3)の内容・方法に従うと定めていますが、ご自身の契約への適用は契約内容によります。根拠:[国交省の標準書式](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)

02共用部と設備は実施者まで確認します

共用廊下の外灯と清掃用具で現地管理を示す図

清掃・ごみ置き場・外灯の担当を決めます

共用部の清掃は、場所ごとに作業内容と頻度を記入します。廊下や階段、ごみ置き場を現地で確認し、清掃する範囲を図面や写真に示します。

「巡回あり」でも、清掃や外灯の交換まで含むとは限りません。不点灯を発見した担当者が誰に連絡し、誰が交換を手配するかを確認します。

ごみ置き場では、通常の清掃と放置物への対応を分けておきます。放置物はすぐに処分する扱いにせず、所有者の確認や回収の手順を管理会社に尋ねます。

清掃や巡回の報告書は、契約前に見本を見せてもらいます。実施箇所や作業内容に加え、未対応の問題と写真の説明が記載されるか確認します。

設備点検の手配先と報告先を確認します

消防設備や貯水槽などは、設備台帳と過去の報告書で有無を確認します。必要な点検や清掃は設備の条件で異なるため、専門業者に対象と実施時期を確認します。

業務実施者再委託先・契約関係報告の受取方法
共用部の清掃管理会社の担当者または清掃業者再委託の有無と担当業者を確認管理会社経由で作業記録や写真を受領
外灯の確認・交換巡回担当者、必要に応じて専門業者確認と交換の担当を分けて記載不点灯箇所と交換結果を受領
消防設備の点検対象設備に対応する専門業者再委託か所有者の直接契約かを確認点検報告書と指摘事項を受領
貯水槽の点検・清掃対象設備に対応する専門業者設備の有無と手配主体を確認実施記録と改善が必要な事項を受領

既存の専門業者への依頼を続ける場合は、契約内容と連絡先を管理会社に伝えます。日程調整や鍵の受渡し、報告書の回収を誰が行うか確認します。

点検で指摘を受けた場合は、対応が必要な箇所と理由の説明を求めます。追加調査と修繕のどちらが必要かを確認し、契約の承認手順に沿って進めます。

標準書式の第13条は、一部の再委託を認め、一括再委託を禁じています。再委託した業務についても管理会社が責任を負う定めです。第15条に基づく報告や関係書類の提示も確認してください。根拠:[国交省の標準書式](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)

03入居者間の相談は一棟全体で整理します

入居者間の相談受付と建物全体への告知を示す図

相談窓口と全体告知の担当を決めます

騒音やごみ出しの相談は、複数の住戸に関係することがあります。個別の連絡と建物全体への告知を、どの担当者が取りまとめるか確認します。

入居者に配布する連絡先の案内で、窓口と受付時間を確認します。時間外の連絡先と、オーナーが相談を受けた場合の引継ぎ先も記載してもらいます。

全体告知を任せる場合は、所有者が事前に文面を確認する条件を決めます。既存ルールの案内とルール変更を伴う案内を分け、承認の要否を記入します。

告知案を確認する際は、相談者の申告と確認済みの事実を分けてもらいます。原因が未確認なら、特定の入居者を原因と決めつける表現は修正を求めます。

個別案内と対応記録の共有先を決めます

告知や個別案内の順序は、相談内容や緊急性によります。管理会社に対応案とその理由を示してもらい、所有者の判断が必要な事項を確認します。

確認する場面管理会社に確認する役割所有者への共有
全体への告知文面の作成、掲示や配布、掲示後の確認告知の内容と実施状況
個別の案内事実確認、連絡、相手の回答の記録経過と判断が必要な事項
対応記録受付内容、対応、未解決事項の整理次の対応方針と継続確認の担当

未解決の相談は、次の対応内容と担当者を報告に記載してもらいます。次回の報告時期も決め、定期報告を待たずに連絡する条件を確認します。

対応記録を誰が閲覧するか、管理会社に確認します。掲示や配布の文面には、相談者の氏名や部屋番号など、対応に不要な情報が含まれていないか確認します。

具体的な相談への対応は、騒音・ごみ出しの相談対応を参照してください。そこで確認した内容を基に、委託範囲から外れる対応がないか管理会社に尋ねます。

登録業者には、賃貸住宅管理業法第13条の契約前の重要事項説明や、第20条の定期報告の義務があります。説明書と報告書の見本を受け取り、契約上の連絡方法と照合します。根拠:[賃貸住宅管理業法](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)、[国交省の制度解説](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/system_commentary.html)

04修繕は計画・故障・緊急時を分けます

屋根の修繕計画と配管故障への対応を分ける図

外壁・屋上・給排水は資金と計画を確認します

外壁や屋上、給排水の修繕は、過去の工事記録と点検結果を集めて検討します。調査が必要な箇所を管理会社に確認し、想定費用と実施時期の説明を求めます。

管理会社に計画づくりを依頼できるかは、契約によります。専門家の調査が必要な場合は、調査範囲と見積を受け取り、費用を承認してから手配を依頼します。

修繕計画には、優先順位の理由も記載してもらいます。劣化の状態や先送りした場合の影響を確認し、資金の準備に合わせて実施時期を協議します。

段階管理会社などの役割所有者の判断・確認
見積取得現地確認を手配し、工事範囲や見積条件を整理調査の実施と比較する条件
承認必要性、工事内容、費用、日程を説明予算、実施時期、発注内容
手配契約と承認内容に沿って発注や入居者への案内を調整追加工事や条件変更の承認
報告完了内容、写真、請求内容を取りまとめ承認内容との一致と残る課題

見積を比較する場合は、工事範囲や使用する材料の条件をそろえます。項目の読み方は、修繕見積が高いと感じたときの確認方法を参照してください。

故障時の承認と緊急時の連絡を決めます

設備の故障では、現地調査の手配と修理の発注を分けて確認します。通常時に管理会社だけで進められる範囲は、作業内容や金額の条件を契約に記載します。

承認を求める連絡先と、不在時の代替連絡先を管理会社に渡します。返答がない場合は、どの作業を保留し、どの条件で緊急対応に移るかを確認します。

標準書式の第11条は、災害や事故等で緊急を要し、承認を待つ余裕がない業務を対象とします。承認前に実施した場合は、内容と費用額を速やかに書面で通知する定めです。連絡がつかないだけで発注できると考えず、ご自身の契約の条件を確認してください。根拠:[国交省の標準書式](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)

緊急の止水などを実施した後は、被害状況と応急対応の結果を報告してもらいます。本格的な修繕は別に見積を受け取り、契約に沿って承認の要否を確認します。

管理開始前には、業務表と契約書を照合し、空欄や食い違いを確認します。未確定の項目は確認担当と回答期限を決め、合意内容を書面に残します。

05当社でできること・できないこと

できること

  • 一棟の管理開始前に、現地の手配先と業務分担を確認する
  • 工事に手配料・紹介料を上乗せしない
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%・税別・最低管理料なし)

できないこと

  • 現地・室内を見ずに、実際の賃料を確定させること
  • 空室が必ず埋まると保証すること
  • 建物の点検・修繕がすべて委託範囲に含まれると約束すること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

いまの管理で見落とされている点を、物件単位で確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

LINEで管理の相談 管理のご依頼をいただかなくても構いません。対応エリアは全国です。区分マンション・戸建ては全国どこでもご相談いただけます。一棟は清掃・巡回・修繕の手配先を組んでから管理を開始します。
この記事について
参照資料:[国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001416011.pdf)(頭書(3)、第9・11・13・15条)、[賃貸住宅管理業法](https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060)、[国土交通省「管理業法ポータル・制度解説」](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/system_commentary.html)。業務の範囲・報酬・報告の頻度は管理委託契約書によって異なります。実際の判断はご自身の契約書をご確認ください