長期修繕計画とは、マンションを長期にわたって快適な状態に維持するために、20年、30年の長期的視点で作成する修繕計画をいいます。
マンションの経年劣化に対しては、給排水管や外壁塗装、照明器具の取替え、エレベーターの取替えなど、部分によって耐久年数に応じたメンテナンスが必要となります。そのため、しっかりとした長期修繕計画を新規分譲時に作成し、そのプランに則して十分な修繕積立金を設定するのが理想的です。しかし既存のマンションでは十分な長期修繕計画がないケースも多く、2011年には築後30年を迎えるマンションが大量にある中で、長期修繕計画の見直しは緊急課題となっています。
長期修繕計画の要件として、国土交通省が作成した標準管理規約には次のような項目が挙げられています。
●計画期間が25年程度以上であること
●計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められていること
●全体の工事金額が定められたものであること
●長期修繕計画の内容については定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすること
また、大規模修繕に際しては、必要最低限の修繕を行うか、グレードアップやリフォーム要素を加えるかなどで修繕内容や費用も異なります。