日本の各地にある古い町並み(歴史的景観)は、市町村などが伝統的建造物群保存地区と指定し、景観を守ることにしています。そのなかで、特に価値が高い地区について、文化財保護法第144条の規定に基づいて国が選定するのが重要伝統的建造物群保存地区。いうなれば重要文化財の町並みです。この地区では、法令により、「建築物その他の工作物の新築、増築、改築、移転又は除却」「建築物その他の工作物の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの」「宅地の造成その他の土地の形質の変更」「木竹の伐採・土石の類の採取」「そのほか現状を変更する行為で条例で定めるもの」が規制されています。指定を受けた地区では、建物の解体・滅失はほぼ認められず、所有者であっても建物の外観を変更するような工事を自由に行なうことはできません。このように土地や建物の利用にはかなり制約があり、この地区では一般的な不動産の売買は成立し難くなっています。