債権の確保のために、債務者等の財産権を債権者に譲り渡す形式の担保を、譲渡担保といいます。
例えば、不動産の割賦販売(月賦などの分割払)で、いったん売主が買主に所有権を移した後、残代金を確保する目的で、再び、買主からその不動産の所有権を売主が譲り受けることがあります。これが譲渡担保です。
不動産の割賦販売で、所有権を売主にとどめておく所有権留保が制限されたために、その脱法行為として譲渡担保が利用されました。そこでこの譲渡担保も宅建業法で、「不動産の割賦販売で、業者が売主で買主が個人のとき、不動産を引渡し、かつ、代金の10分の3を超える支払いを受けた場合には、業者は買主からその不動産を譲り受けてはならない」と制限するようになったのです。業者が買主の債務を保証する「提携ローン付き売買」でも、同趣旨のことが定められています。