不動産の評価額においては、特に土地に関して「一物五価」といわれる、1つの土地に対して5つの価格を意味する価格の評価があります。このように土地の価格が分かれているのは、国や地方自治体、売主や買主などが、それぞれ違った視点や基準から評価しているためです。
五価とは
●時価(実勢価格)とは、実際に売買などで取り引きされる価格です。
●公示価格(公示地価)とは、地価公示法に基づき、国土交通省が毎年公表する価格です。
●基準地価(都道府県基準地標準価格)とは、国土利用計画法に基づき、都道府県知事が毎年公表する価格です。
●路線価(相続税評価額)とは、市街地などにおいて公衆が通行する道路(路線)の標準地を選び、公示価格や売買実例価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額を参考にして国税庁が毎年発表する価格で、これに土地面積を掛けて土地の相続税評価額を算出します。評価額は公示価格の8割が目安になります。
●固定資産税評価額とは、固定資産税などの税金を計算する基準となる価格のことで、市町村では、土地や家屋について「固定資産課税台帳」に課税価格などを登録しています。土地の固定資産税評価額は、公示価格の7割が目安になります。
時価(実勢価格)以外は公的機関が評価する価格で、それぞれ「評価基準日」「公表時期」「評価水準」があります。