瓦棒葺き(かわらぼうぶき)とは、トタン板と呼ばれる亜鉛めっき鋼板などの金属板で屋根を葺く工法の一つです。屋根の傾斜に沿って一定間隔で心木を並べて野地板と固定し、金属板を上からかぶせて心木と釘で固定する方法で、心木のことを“瓦棒”と呼びます。瓦棒葺きは施工性がよく、継ぎ目が少ないため雨漏りがしにくいことから、戦後は一戸建てのトタン屋根などで広く用いられていました。しかし、経年劣化によって心木が腐食すると、強風でトタン板がめくれたり、飛散したりしてしまうことから、使われなくなってきました。ガルバリウム鋼板などの金属板の施工では、心木を使わずに専用のキャップをはめ込んで屋根材と野地板を固定する“立平葺き”(たてひらぶき)が主流となっています。