母屋(おもや)とは、敷地内の中心になる建物・部分のことをいいます。もともとは寝殿造りの建物における中心部分を指す言葉であり、そこから転じて本家や主人が住む建物という意味を持つようになりました。反対に母屋以外の付帯的な建物を指す言葉として“離れ”や“納屋”などがあります。建築では母屋という言葉が、屋根の荷重を支えるための部材のことを指す場合があります。この場合の読み方は“もや”です。母屋は棟木(むなぎ)と軒桁(のきげた)の間に、それぞれと平行に配置されています。母屋は屋根の荷重を支えなければならないため、丈夫でなければなりません。天井や照明などの荷重、地域によっては積雪による荷重、また施工中の一時的な荷重も考慮して設置されます。関連する言葉の一つに“母屋下がり”があります。これは天井の一部が屋根の傾斜に合わせて低くなっていることであり、建物の高さが制限されていることにより、そのような設計が採用されています。