日照権(にっしょうけん)

日照権とは、日常生活の中で良好な日当たりを確保して生活する権利のことです。日照権自体を定める法律はありませんが、憲法第13条の幸福追求権、第25条の生存権などが法的根拠と考えられています。日照権は、社会の発展に応じて憲法でも保障されるべきだという議論のある、プライバシー権や知る権利などの「新しい人権」のうち、高度経済成長期に起きた公害の深刻化を背景に主張されるようになった、環境権の一部として解釈されています。関連する法律としては、斜線制限と日影規制を規定する建築基準法第56条がありますが、同法を犯さない場合でも、日照権は保護されるべきものとされています。民法709条・710条の不法行為を請求の根拠として法的に争われた例では、社会通念上受忍限度を超えているかどうかという点が判断基準とされ、日照権を侵害する建築物の建築差し止め請求や損害賠償請求が認められた判例もあります。

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