施主とは、一般的には葬式や法要などの当主を指しますが、不動産関連においては建物の工事を発注した人もしくは組織の代表者を指します。ただし、施主は慣用的な呼び方であり、法律や契約書上で使われている言葉は主に“建築主”です。そのほかに“発注者”と呼ばれることもあります。施主はもともと、寺や僧侶に物を施す人を指す言葉ですが、それが転じて職人たちが報酬を与えてくれる建て主のことを“施主様”と呼んだことに由来します。施主に似た言葉として施工主がありますが、こちらは反対に工事を受注した人もしくは組織のことを指します。たとえば、ある個人が家の建築を建築会社に依頼した場合、施主は依頼した個人であり、施工主は建築を請け負った建築会社になります。施工主は設計士や建築士などと調整を行い、各種申請や施工内容の検査などの役割をこなして、建物を完成まで導くことが求められます。