登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でない場合でも、一定の要件の下で、その権利を取得することが認められるというのが、不動産の「公信力」です。
しかしながら、日本の登記には公信力が認められていません(動産の場合は認められています)。ですから、登記簿や登記記録などを信頼して、登記上の所有者から不動産を買い取っても、本当の所有者に対しては権利を主張できません。不動産に「公信力」がないのは、登記官が現地調査を行わず、文書だけで登記を処理しているので、取引の実態を把握できないからだといわれています。