ブール様式とは、フランスのルイ14世時代の宮廷家具師「シャルル・ブール」(1642〜1732年)が製作した家具の様式のことをいいます。黒檀の黒地に真鍮、べっこう、貝殻などを象嵌(ぞうがん)し、神話、草花模様、アラベスク、唐草などのモティーフを表現した「ブール象嵌」で家具を装飾した点に特色がみられます。芸術性が高い象嵌細工やブロンズ細工に大いに才能を発揮したブールの作品はルイ14世を大いに満足させ、ベルサイユ宮殿を彩ったと言われています。ベルサイユ宮殿グラン・トリアノンのルイ14世の寝室用に製作したコモード、ルーブル美術館蔵の衣装戸棚とバイエルン選帝侯のための机などは彼の代表作です。