色ガラスで絵や模様を象り、光を透過させて楽しむものの総称ですが、技法や制作工程などが次の3つに分類されます。
(1)レディドグラス(Leaded glass):ガラスに金属酸化物を混ぜると、さまざまな色合いに変化し、その性質を活かして着色した複数のガラス片を、H型の鉛のレール(鉛線)にはめ込んではんだで接着し、隙間をセメントやパテで埋めて固定したものです。leadは英語で「鉛」のことで、動詞として「鉛で組み立てる」というニュアンスの意味です。一般的に「ステンドグラス」と呼ばれるものは、この手法が多く使われています。
(2)ステンドグラス(Stained glass):板ガラスに線描や着色を施して釜で焼き上げたものです。熱が加わると線が歪んだりするため、難しい技法です。stainは英語で「染み」のことで、「染み付けたガラス」という意味になります。
(3)ティファニーテクニック(Tiffany technique):レディドグラスでは難しい細かい細工や表現を可能にした技法で、レールの代わりに銅のテープを使ってはんだ付けしたものです。これにより、ランプシェードなどの立体的な作品の制作が実現しました。宝飾店ティファニーの創業者の長男が開発した技法なので、その名が付けられています。ガラスに混ぜる金属の種類や量・温度などで色や濃淡が変化し、凹凸があるガラスなら光の具合や見る位置でさまざまな表情が楽しめるのが「ステンドグラス」の魅力です。