アピトン(あぴとん)

南洋材の一種です。フタバガキ科のディプトロカルパス属の樹木の総称。東南アジア原産で、樹高約50〜60メートル、直径約1〜2メートルに達する大高木をさします。
インドから、ビルマ、タイ、フィリピン、インドネシア、スマトラ、ボルネオ、バリに至る広い地域に分布しています。70種以上があり、地域によって生育環境が異なることから、材質的な変異の幅が広いことでも知られています。アピトンはフィリピン名で、マレーシア・インドネシアではクルイン(Keruing)、タイではヤン (Yang)、カンボジアではチュティール(chhoeuteal)、ビルマではカイン (Kanyin)などと呼ばれています。心材は濃灰褐色、赤褐色などで、長期間大気にさらされると濃色に変化します。材面にヤニが滲み出ていることも多く、材面が美しくないため、土台、柱、梁、羽目板、水廻り場所の床板、屋外のデッキなど、あまり表面にでてこない主に構造部分に用いられることが多いです。また、保存薬剤の注入が容易であることから、防腐処理をして、枕木、埠頭、橋などに用いられるほか、 トラックの車両用材、緩衝材、さらに合板の材料としても多く用いられています。

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