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GUIDE / 空室をどう埋めるか

敷金・礼金・フリーレントは、
どれから緩めるべきか

公開日:2026年9月7日 更新日:2026年9月7日 Lincloud Owners 編集部(宅地建物取引士)

空室が続くと、募集条件を緩める相談が出てきます。ここで大事なのは「いくら負担するか」ではなく「その負担が一度きりか、ずっと続くか」です。同じ1か月分でも、意味がまったく違います。

この記事の結論
結論

緩める順番は①礼金 ②フリーレント ③敷金 ④賃料です。①〜③は一度きりの負担ですが、④の賃料だけは下げたあともずっと続きます。

負担が続くかどうか
  • 礼金をなくす … 一度きり(家賃1か月分)
  • フリーレント1か月 … 一度きり(家賃1か月分)
  • 敷金を1か月に減らす … 一度きり(退去時の回収が減る)
  • 賃料を1万円下げる … 毎月ずっと(年12万円・10年で120万円)
入居者から見えている金額

入居者が最初に見るのは初期費用の合計です。家賃8万円で敷金1・礼金1なら、仲介手数料や保証料も入れておおよそ家賃の4〜5か月分になります。礼金をなくすだけで、この壁が1か月分下がります。

確定しないこと

条件を緩めれば必ず決まる、とは書けません。緩めても決まらない場合は、賃料の水準そのものか、部屋の状態に理由があることが多いです。

01同じ1か月分でも、意味がちがう

緩めるものオーナーの負担いつまで続くか
礼金をなくす家賃1か月分その入居者だけ
フリーレント1か月家賃1か月分その入居者だけ
敷金を2→1か月退去時の回収が減るその入居者だけ
賃料を1万円下げる年12万円次の入居者にも引き継がれる
賃料は、次の募集でも「前回いくらで決まったか」が基準になります。一度下げると戻しにくいのはこのためです。

02礼金からにする理由

礼金は退去時に返さないお金で、そのぶん入居者の初期費用にそのまま乗ります。なくせば初期費用の総額が1か月分まるごと下がります。

しかもオーナーから見れば、これは「入らなくなるお金」であって「出ていくお金」ではありません。空室が1か月続けば同じ金額が失われるので、決まるのが1か月早くなるなら差し引きゼロです。

03フリーレントは、見え方を下げる打ち手

フリーレントは「入居後◯か月は賃料をいただかない」という条件です。契約上の賃料は下げないので、次の募集の基準を下げずに済みます。

フリーレントの期間中も、共益費や管理費はいただく形にするのが一般的です。ここを無料にするかどうかは決めておいてください。

04敷金を減らすときに気をつけること

敷金は預かるお金で、退去時の未払いや、入居者の負担にあたる原状回復に充てます。減らすと入居のハードルは下がりますが、退去時に回収できる原資も減ります。

滞納が心配なら、敷金を減らすかわりに家賃保証会社を必須にするという組み方があります。多くの場合、こちらのほうが確実です。

05条件以外で緩められるところ

お金以外にも、入居できる人の幅を広げる方法があります。設備投資なしで候補が増えます。

緩めるもの増える候補
ペット可にするペットを飼っている世帯
二人入居可にする同棲・ルームシェア
高齢の方も相談可にする単身の高齢世帯(都市部では大きな層です)
外国籍の方も相談可にする近隣に学校や職場がある場合に効きます
ペット可にするなら、敷金を1か月増やす・退去時の負担を明記するといった条件をあわせて決めておくと、後で揉めません。

06それでも決まらないときの順番

  1. 掲載の数と写真を直す(費用ほぼ0円)
  2. 礼金をなくす/フリーレントを1か月(一度きりの負担)
  3. 入居できる人の幅を広げる(費用0円)
  4. 室内の設備を直す(一度きりの費用)
  5. 賃料を見直す(ここで初めて)

1〜4を試さずに5から入ると、直せば決まったはずの物件の賃料まで下げてしまうことになります。

07よくある質問

礼金をなくすと、入居者の質が下がりませんか

礼金の有無で入居者の支払い能力が決まるわけではありません。支払い能力は入居審査と家賃保証会社で見るところです。礼金は初期費用の壁であって、選別の仕組みではありません。

フリーレントは何か月まで付けていいですか

決まりはありませんが、長く付けるほど短期解約の損が大きくなります。まず1か月から試し、それでも動かなければ他の要因を疑うほうが確実です。

ペット可にすると、部屋が傷みませんか

傷みは出ます。だからこそ敷金を1か月増やす、退去時の負担範囲を契約書に明記するといった条件をセットにします。条件を決めずに可にするのは避けてください。

08当社でできること・できないこと

できること

  • いまの募集条件と、同じ広さ・同じ建物の種類の水準を並べて整理する
  • 条件を緩めたときの収支の変化を試算してお渡しする
  • 管理をお引き受けする(全国/管理料は月額賃料の5%)

できないこと

  • 条件を緩めれば必ず決まると保証すること
  • 現地・室内を見ずに、適正な条件を確定させること
  • 入居者の審査結果をこちらで決めること
実際にお渡ししているレポートを、そのまま公開しています
架空の物件でお作りしたものを、原寸で全部お見せしています。空室の損失、賃料の位置、修繕の回収期間、売却の目安まで、A3一枚に入っています。

賃料を下げる前に、空室の損失と募集の入口を確認できます

お預かりした物件情報をもとに、いま何が起きているか、どこまで手を入れるべきか、持ち続けるか売るかまで整理して、A3一枚にしてお送りします。費用はかかりません。

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この記事について
初期費用の内訳と一般的な水準は、公開されている資料と実務にもとづく目安です。実際の金額は物件と契約条件によって変わります。