不動産売却で後悔しないために!確認すべきデメリット

「自宅を手放すか迷っている」「所有している不動産を売却しようか検討している」

人生において大きな転換期となることも多い「不動産売却」。

多くのメリットがある一方、気をつけたいデメリットもありますので、それを理解した上で慎重に進める必要があります。

この記事では不動産売却のデメリットにフォーカスし、わかりやすく解説していきます。

不動産売却には、多くのメリットがあります。

デメリットの前に、まずは不動産売却のメリットから確認しましょう。

  • まとまった資金が手に入る

売却で得たお金は、老後資金・子どもの教育資金など、様々な用途に活用できます。

  • 住宅ローンの負担がなくなる 

売却でローン返済できる場合は、プレッシャーから解放され、新たなライフプランが立てやすくなります。

  • 固定資産税・都市計画税の支払いがなくなる

売却によって、固定資産税等を毎年支払う必要がなくなるため、大きな負担軽減につながります。

  • 空き家の管理から解放される

空き家の管理は、定期的な清掃や老朽化対策など、時間的・経済的な負担が大きいため、売却によってこの負担から解放されます。

  • 資産の整理ができる

不要な不動産を処分し、現金化することで、分配が容易となります。これにより、相続時に発生するトラブル防止につながるケースがあります。 

  • 住み替え資金にできる

よりニーズに合った住まいへ住み替えられます。家族構成の変化やライフステージに合わせて、より快適な住環境を実現できます。


このように不動産売却には多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットもいくつか存在します。

ここからは、不動産売却のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

不動産売却のデメリット①売却に費用がかかる

不動産売却には、以下のような費用がかかります。

  • 譲渡費用

印紙税、登録免許税、仲介手数料などが含まれます。仲介手数料は売買価格によって変動し、高額になるケースもあります。

  • 譲渡税(所得税、住民税)

売却益が出た場合に発生します。所有期間や物件の種類によって税率が異なり、高額な税金が課される場合もあるため注意が必要です。

さらに売却に際して、以下のような費用がかかる可能性もあります。 

  • 測量費

土地売却に際して、 土地の測量を実施した際に発生する費用です。 

  • 引っ越し費用

住み替えを伴う場合は、引っ越し費用がかかります。荷物の量や移動距離によって費用は大きく変動するため、事前に見積もりを取りましょう。

  • リフォーム費用

売却を有利に進めるために、リフォームが必要になる場合があります。特に、内装の汚れや老朽化が目立つ場合は、リフォームによって印象が大きく変わるため、検討する価値があります。

  • 家の解体費用

土地のみを売却する場合、建物の解体費用が発生する場合があります。解体費用は建物の構造や規模によって異なりますが、100万円前後以上かかるケースも多いです。

不動産売却のデメリット②これまでできた節税ができなくなる

不動産収益を得ている場合、維持管理費、減価償却費、ローン金利や一部の税金などを経費計上できます。

また、赤字になっても損益通算によって節税が可能ですが、不動産売却するとそのような節税ができなくなります。

例えば、サラリーマンが不動産投資で赤字を出した場合、給与所得と損益通算することで所得税が減額されることがあります。しかし、不動産を売却してしまうと、この節税効果は受けられなくなります。

不動産売却のデメリット③融資の担保に利用できなくなる

不動産を売却すると、その不動産を担保とした融資を受けられなくなります。

将来、事業資金や住宅購入資金が必要になる可能性がある場合は、注意が必要です。

不動産売却のデメリット④隣人とトラブルになる可能性がある

売却に伴い、隣地との境界線についてトラブルが発生する可能性があります。

境界線が曖昧なまま放置されている場合、売却前に境界確定測量を行わなくてはならないケースがありますが、これが売却を遅らせる原因にもなるため、注意が必要です。

不動産売却のデメリット⑤契約不適合責任に問われるリスクがある

2020年4月の民法改正によって、それ以前の瑕疵担保責任に変わるものとして「契約不適合責任」が制定されました。

これにより、買主の救済手段が増えた一方、売主はより厳格な責任が問われ、負担が増す可能性もあります。

不動産売却のデメリット⑥囲い込みに注意が必要

「囲い込み」とは、不動産会社が、売主から仲介を依頼された物件を、他の不動産会社に紹介せず、自社で買主を探し、両手仲介を実現しようとする行為です。

不動産会社は、売主と買主の双方から仲介手数料がもらえるため、値下げしてでも売却させ、両手仲介を成立させようとする可能性があります。

つまり、不動産を安く売却されてしまう恐れがあります。

囲い込みを防ぐためには、複数の不動産会社に依頼することも有効です。

また、常に不動産会社の活動状況を監視し、信頼できないと判断した場合は不動産会社の変更も検討しましょう。

不動産売却のデメリット⑦売却時期の見極めが必要

売却時期によっては、大きく損をする恐れがあります。

不動産市況は常に変動しているため、売却を急ぐあまり、相場よりも低い価格で売ってしまう可能性もあります。

あくまで目安ですが、一般的に、春と秋は不動産の需要が高まるため、売却に有利な時期と言われています。一方、夏や冬は需要が低迷するため、売却価格が下がる傾向にあります。

不動産売却のデメリット⑧相続税が高くなる

不動産を現金化して相続させると、スムーズに分配できる可能性がある一方、相続税額が高くなる可能性があります。

これは、不動産が現金より低価値で算出できるためです。

具体的に、不動産は市場価格のおよそ80%が相続税評価額となる一方、現金では金額そのものが相続税評価額となってしまいます。

不動産売却のデメリット⑨売却に時間がかかるケースがある

不動産の種類や物件の状態、市況によっては、売却までに時間がかかる場合があります。

例えば、駅から遠い、築年数が古い、間取りが特殊といった物件、あるいは「再建築不可物件」などは、買い手がつきにくいため、売却に時間がかかる傾向にあります。

また、不動産市況が低迷している時期も、売却活動が長期化する可能性があります。

急いでいる場合は不動産業者に買い取ってもらう方法もありますが、ほとんどの場合、相場より安く買い取られることになります。

自宅を売却するデメリット

自宅を売却するデメリットは、以下の通りです。

内覧に備える手間がある
次の住まいを見つけることが必要
生活環境が変化する
ダブルローンのリスクがある


自宅を手放すということは、単に住居としての機能を失うだけでなく、生活環境や精神的な面でも変化を伴います。

まず、売却活動中は内覧希望者に備え、常に家を綺麗に保つ必要があり、生活感が出ないように気を遣う場面も出てきます。

また、売却が成立した後は、引渡し期限までに次の住まいを見つけなければならず、住み替え先が決まらないまま売却を進める場合は、一時的に仮住まいが必要になるケースも考えられます。

仮住まい探しや引っ越し作業は、時間的・経済的な負担も大きいため、余裕を持った計画が必要です。

さらに、住み慣れた地域から離れることで、生活スタイルが変化し、精神的なストレスを感じる可能性もあります。

このほか、売却活動が長引けば、その間の住宅ローン返済に加え、次の住居にかかるローン返済が二重の負担(ダブルローン)となり、経済的に苦しい状況に陥る可能性も否定できません。

投資用マンションを売却するデメリット

投資用マンション売却するデメリットは、以下の通りです 

  • 不動産収益が得られなくなる 
  • 短期売却では損をする可能性も高い
  • 5年以内の売却では税金が増える


投資用マンションを売却する場合、毎月の家賃収入という安定収入が途絶える点が大きなデメリットとして挙げられます。

また、投資用不動産は長期保有が前提となっていることも多く、短期保有での売却では損をする可能性もあります。 

特に、5年以下の短期売却は税制上不利になるケースが多く、5年超の物件の売却と比較して、約2倍の所得税率がかかります。

これにより、手元に残る金額が少なくなることが考えられます。

土地を売却するデメリット

土地を売却するデメリットは、以下の通りです。 

  • 売却には相続登記が必要  
  • 賃料などの収益がなくなる 
  • 更地にする場合は解体費用がかかる 


2024年4月より相続登記(相続人へ不動産名義を変更する手続き)が義務化されました。つまり、相続登記を済ませていないと、土地が売却できません。

また、駐車場などとして賃料を得ている場合は、土地の売却によってその収益がなくなります。

さらに、更地にして売却する場合、解体費用などのコストがかさみ、売却益を圧迫する可能性もあります。

空き家を売却するデメリット

空き家を売却するデメリットは、以下の通りです。 

  • 売れない場合は家を解体して更地にすべきケースがある 
  • 更地にするタイミングを間違えると 固定資産税が高くなる


空き家の売却は、建物の老朽化が進んでいる場合は、買い手がつきにくく、売却価格も低くなる傾向です。

また、更地にして売却する場合、解体費用などのコストがかさみ、売却益を圧迫する可能性も考慮する必要があります。

さらに、更地にすると住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税が高くなります。

ただし、固定資産税における物件の状態は「例年1月1日」に判断されますので、1月1日を過ぎてすぐに取り壊せば、ほぼ1年の期間が確保でき、固定資産税が安いまま売却できる可能性が高くなります。

なお、上記のようなデメリットはあるものの、活用予定のない空き家に関しては「できるだけ早期に売却した方が良い」です。

2023年の法改正(空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案)により、これまでの「特定空き家」に加えて、特定空き家となる可能性がある「管理不全空き家」も、固定資産税の優遇措置が受けられなくなり、 固定資産税が最大6倍となる可能性があります。

加えて、空き家には放火・空き巣などの犯罪リスクほか、老朽化で倒壊して被害が出た場合に損害賠償請求される恐れなどもあるため、活用予定のない空き家の所有は「メリットが圧倒的に少ない」と言えるでしょう。

まとめ

不動産売却には気をつけるべきデメリットはあるものの、注意をすれば多くのメリットがあります。

不動産売却を成功させるためには、信頼できる不動産業者を選ぶことが重要です。複数の不動産会社で相見積もりをとるのも良い方法です。

この記事が、あなたの不動産売却を成功させるための一助となれば幸いです!

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