不動産の購入は、多くの人にとって人生の大きな決断です。夢のマイホームを手に入れることは喜びである一方で、不安や心配もつきものです。
「マイホームが欲しいけど、やっぱり不安……」
この記事では、不動産購入でありがちなそんな不安の原因と解決策について、詳しく解説していきます。
不安を解消し、安心してマイホーム選びを進めるためのヒントがきっと見つかるはずです。
不動産購入は、大きな金額が動く買い物です。「これだけ大きな額の買い物は初めて」という方も多く、不安を感じるのは自然なことです。
しかしそれ以外にも、不安の要素は数多くあります。
自分が何に対して不安を抱いているのか、明確にすることで、前に進む足がかりとなることでしょう。
マイホームブルーとは
「マイホームブルー」とは、不動産購入を決断した後に感じる不安や後悔のことを指します。
結婚でも「マリッジブルー」という言葉があるように、未知の領域に足を踏み入れる場合は、期待や喜びだけでなく、不安も大きいものです。
マイホームブルーの原因は様々ですが、多くは購入前の情報不足や、物件選びのミスマッチが考えられます。
さらに、生活環境や経済状況の変化など、様々な要因が複合的に絡み合って起こるケースも少なくありません。
不動産購入が不安な理由
ここからは、不動産購入に際して、多くの人が感じる具体的な不安について見ていきましょう。
当てはまる不安が、きっとあるはずです。
ローンを払い続けられるか
住宅ローンは長期間にわたって返済していく必要があります。
しかし金利上昇や収入減、予期せぬ出費の発生、健康問題など、将来に何が起こるかわからないため「本当に返済できるのか」という不安が生じます。
特に収入が不安定な方・持病を持つ方・借金のある方などは、不安を抱えやすい可能性が考えられます。
他にもっと良い物件が見つかるのではないか
購入を決断した後でも「他にもっと良い物件があるのではないか」という不安は、多くの方が抱えます。
この不安は、決して悪いものではなく、購入後に後悔しないための大切な気持ちと言えます。
市場の動向や新しい物件の情報をよくチェックし、物件選びでは「日当たり、風通し、収納スペース、耐震性、防犯対策、周辺環境」など、細やかに確認するようにしてください。
その上で、物件選びは通常予算が限られますので「全ての条件を満たす物件を見つけるのは難しい」ということも、受け入れる必要があります。
ライフスタイルが将来的に変わるのではないか
家族構成や仕事の状況が変わることで、現在の住まいが将来的に適さなくなることは、確かにあります。
例えば「子供が大きくなったり増えたりすることで家が狭く感じる」「転勤の辞令が出る」などの状況が考えられます。
将来的なライフスタイルの変化が不安な方は、ある程度の柔軟に対応できる物件を選ぶことが重要です。
例えば「必要に応じて子供部屋や収納スペースなど多目的に使える、サービスルームのある物件を選ぶ」などです。
将来的に転勤の辞令が出る確率が高い方は「売却を前提に、人気エリアの売れやすい住宅を購入する」「しばらく物件を購入せず、賃貸で様子を見る」なども検討する必要があるでしょう。
購入後に不動産の価値が下がるのではないか
不動産の市場価値は、経済状況や地域の開発状況など、様々な要因によって変動します。
将来住み替えなどを考えている方は「立地が良い・交通アクセスが良い・眺めが良い」など、需要の高い物件を購入すべきです。
購入した時から不動産（建物）の資産価値は年々下がり続けますが、市場価値が下がりにくい物件があることも、また事実です。
このような物件を購入したい方は、信頼できる不動産会社や専門家に相談してみましょう。
住んだことがない土地への心配
新しい土地への引っ越しは、新たな出会いや経験をもたらす可能性も秘めている反面「環境やコミュニティに馴染めるか」という不安も伴います。
特に、縁もゆかりもない地域への移住は大きな決断です。
そのため、すぐに物件を購入するのではなく、しばらく賃貸やお試し移住などで生活し、馴染んでから冷静に判断することもおすすめです。
その他の理由
不動産購入で感じるその他の不安としては、以下のような事柄が考えられます。
・頭金がない
・非正規雇用
・借金がある
・賃貸のように簡単に引っ越せない など
ただし、年収・雇用形態・頭金・借金などでお悩みの方は、FP（ファイナンシャルプランナー）ほか各分野の専門家に相談することも良い方法です。
「賃貸のように簡単に引っ越せない」ということがネックの場合は「なぜ賃貸ではダメなのか」という理由を明確にし、自分自身の状況を熟考した上で適切に判断することが必要です。
いずれにせよ、不安における個々の状況に応じて、適切な対策を講じることが求められます。
不動産購入の不安に対する6つの解決策
ここからは、不動産購入の不安を軽減するための具体的な方法を、6つ見ていきましょう。
不動産を購入しようと思った理由を振り返る
不動産を探しているうちにぼやけてしまいがちなのが、そもそもの「不動産を購入しようと思った理由」です。ここが不明確になると、不動産購入に対しての不安が強くなるケースがあります。
「家族のための安定した住まいを確保したい」「将来の資産を残したい」など、不動産購入を考えた具体的な理由を思い出すことが重要です。
例えば「家族との時間を大切にしたい」という目的であれば、リビングが広くて日当たりの良い物件を選ぶなど、目的を叶えるための具体的なイメージを持つことが大切です。
優先順位を明確にする
「不動産購入しようと思った理由」を明確にしたら、次に物件に対する優先順位をつけていきます。
基本的に「不動産購入しようと思った理由」に関係するポイントは、優先順位が高いと考えられます。
ご自身やご家族の中で譲れないポイントと、あまり重要でないポイントを整理することで、スムーズな物件探しが期待できます。
物件の間取り・動線をよくチェックする
物件の候補がピックアップできたら、間取りや動線（人や物が移動する際の経路）をしっかりと確認することが重要です。
間取りについては、将来的なライフスタイルの変化にも対応できるかどうかも判断します。例えば、子供が成長した際の部屋の使い方や、将来的なリフォームの可能性などを考慮することが重要です。
また、動線は、住み心地に大きく影響します。動線が悪いとストレスが溜まる原因にもなるため、 希望条件を満たす物件でも熟考が必要です。
この他、実際に住んだ時のことをイメージしながら、日当たりや風通し、収納、防音性なども細かくチェックしてください。
物件の周辺環境をしっかり調べる
周辺環境の調査は非常に重要です。
物件が非常に良くても「交通の便や治安が良くない」「学校や病院、スーパーなどの生活に必要な施設が近くにない」「幹線道路や基地が近く、騒音が激しい」などの場合は、日常生活に支障をきたす可能性があります。
なお周辺環境を調べる際は、地域の防災情報やハザードマップ、今後の開発計画なども調べておくと良いでしょう。
返済シミュレーションを詳細に行う
ローンに不安をお持ちの方は、返済シミュレーションを詳細に実施することをおすすめします。
具体的には、すでにあるローン・借金ほか、結婚、出産、子供の教育費など、将来のライフプランを考慮して、月々の無理のない返済額を割り出します。
なお、住宅ローンの返済額は「年収の25〜30%程度」が目安とされています。しかし、返済期間を短くしたい方は、25%未満に収まるような不動産購入を検討しても良いでしょう。
さらに「頭金を用意する」「収入が増えた場合やボーナスが出た場合などに、繰り上げ返済を行う」などすることで、返済期間を短くするとともに、総返済額も減らすことができます。
不動産購入の成功・失敗事例を知る
他の人の成功事例や失敗事例を参考にすることで、自分の購入に役立つ情報を得ることが可能です。
「家族ができたことでマイホーム購入を決意」「愛犬と住める家を探している」など、同じような状況にある人の経験談を知ることで、具体的な対策を学ぶことができます。
特に「資金計画が甘かった」「物件選びを急ぎすぎた」「不動産会社とトラブルになった」「購入後の維持費がかかりすぎてしまった」などの失敗事例は貴重な情報です。
不動産購入に関する書籍を読んだり、実際に購入経験のある人に話を聞いたりして、失敗事例から学ぶことで、同じ失敗を避けることが期待できます。
信頼できる不動産会社・建設会社を見つける
不動産会社・建設会社選びは、不動産購入を成功させる上で非常に重要な要素です。複数の会社を比較検討し、信頼できるパートナーを見つけましょう。
その際は、過去の実績や顧客の評価を、インターネットや知人からの口コミ・評判などで確認してください。
また、担当者ごとに能力・スキルに差がありますので、納得できるスタッフに担当してもらうことがおすすめです。
不安が解消しない時は「プロへの相談」がおすすめ
不動産購入の不安がどうしても解消しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
プロのアドバイスを受けることで、具体的なアドバイスやサポートを受けることができ、不安も軽減します。
これによって、客観的な視点から問題解決を図ることができ、より安心して購入を進めることができます。
不動産購入に関しては、 以下のような専門家にアドバイスを受けることが可能です。
・ファイナンシャルプランナー:ライフプランを含めた、総合的な資産設計について相談できます。
・税理士: 不動産に関する税金について相談できます。
・建築士: 家の設計やリフォームについて相談できます。
専門家のアドバイスを受けることで、自分だけでは気づかなかった問題点や解決策を見つけることができる場合もあります。
不安な方は積極的に、専門家のアドバイスを受けることを検討すると良いでしょう。
まとめ
不動産の購入は大きな決断ですが、適切な情報収集と準備を行うことで、不安を軽減することができます。
この記事で紹介したポイントを参考に、素敵な不動産を手に入れてください。
