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Toggle日本ではどのくらいの数の犬が飼育されている?
ペットフード協会が発表した「2022年 全国犬猫飼育実態調査」によると、日本の犬の飼育頭数は約705万頭でした。
なお、犬の新規飼育数は42万6千頭の増加で、これは過去10年で最多です。
このことから、犬は家庭の一員として迎えるケースも多く、多くの人々に愛されていることが分かります。
そして、犬の飼育が可能な賃貸物件については、常に一定以上の需要があると考えられます。
犬がOKな賃貸物件のメリット
犬の飼育が可能な賃貸物件には、様々なメリットがありますので、1つずつ確認していきましょう。
ペットと一緒に暮らせる
愛犬と一緒に暮らすことができる点は、犬がOKな賃貸物件の最大のメリットと言えるでしょう。
愛犬家にとって、犬は家族の一員です。
ペットと一緒に過ごす環境が得られることで、日々のストレスが軽減したり、生活がより豊かになります。
ペットに関して、住民の一定の理解が期待できる
ペット可の物件では、他の住民もペットを飼っていることが多いため、ペットの行動などに対する理解が得られやすいです。
例えば、たまに部屋で吠えてしまうことがあっても、他の住民が「お互い様」と考えてくれるなど、クレームに発展しない可能性も高くなります。
ペットと暮らすのに向いた設備や仕様になっている
ペット可の物件は、ペットと暮らすための設備や仕様が整っていることが多いです。
例えば、ペット用の足洗い場や防音対策が施されていることがあります。また、ペット用のスペースや遊び場が設けられている物件もあります。
このように、設備や仕様が整った物件は、飼い主そして愛犬にも快適でしょう
愛犬家の顔なじみが作りやすい
ペット可の物件では、他に犬を飼っている住人たちと顔なじみになりやすく、コミュニティが作りやすいと考えられます。
このように交友を広げやすい点も、ペット可物件ならではのメリットと言えるでしょう。
犬がOKな賃貸物件の注意点
犬の飼育が可能な賃貸物件には多くのメリットがある反面、注意すべき点もあります。
これらは賃貸を借りる前に留意しておきましょう。
物件の絶対数が少ない
国内の賃貸物件のうち、ペット可の割合は「10%前後」と言われています。
つまり、ペット可能な物件は絶対数が少なく、エリアによっては物件そのものが見つけにくいケースがあります。
また、人気の物件は競争率が高くなり、入居しづらい可能性も考えられます。
初期費用や家賃が高い可能性がある
ペット可の物件は、通常の物件よりも礼金など初期費用や家賃が高く設定されていることがあります。
特に家賃については、 相場の1.5倍ほど高いケースも珍しくありません。
また、清掃費用についても、通常より高めの可能性があるでしょう。
初期費用や家賃などが高くなる理由としては、ペットによる損傷や汚れのリスクを考慮していたり、ペット用の設備費などが含まれるためです。
このような点を考慮し、無理のない予算の範囲で物件を選びましょう。
退去費用が高額になるリスクもある
ペットによる損傷が発生した場合、退去時に高額な修繕費用が請求されることがあります。
特に、何の対策も講じず、壁や床に傷がついたり、腐食が生じたり、きつい匂いが染み付いた場合などは、退去費用が高額になるリスクも高くなるでしょう。
事前に、特約も含めて契約内容を確認し、どこまでが借主の責任になるか、よく理解しておきましょう。
近隣住民への配慮が必要
ペットを飼う際には、近隣住民への配慮が必要です。
特に、鳴き声や臭いに関しては注意が必要です。
定期的な掃除や消臭対策を行い、トラブルを防ぎましょう。
また、散歩時にはリードを使用し、公共の場でのマナーを守ることも大切です。
賃貸物件で犬と暮らす際のポイント
ここからは、賃貸物件で愛犬と暮らす際にぜひ実践していただきたい、3つのポイントをご紹介します。
しっかりしつけをしておく
犬を飼う際には、しっかりとしつけをしておくことが重要です。
特に、無駄吠えやトイレのしつけは徹底しましょう。
しつけが行き届いていると、近隣住民とのトラブルを避けることができます。
匂いや傷の対策を怠らない
犬を飼うことで発生する匂いや傷に対して、適切な対策を講じることが大切です。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)によると、ペットがつけた傷や 臭いに対する修繕費用は「借主が負担すべき」と紹介されています。
つまり、借主に現状回復義務のない経年劣化や、通常使用による損耗とは違う扱いであるとお考えください。
具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- 掃除や消臭対策をこまめに実施する
- 爪切りやブラッシングを定期的に行う
- 排泄物は防臭ビニールなどに入れて、速やかに処理する
- フローリングにマットを敷く
- 犬が使う毛布や クッションを定期的に洗濯する など
定期的に行うことで、家具や床の傷を防ぐことができます。
フローリングに注意
物件の床がフローリングの場合、 犬が思わぬ怪我をすることもあるため注意が必要です。
具体的には、床が滑りやすく、犬の足腰に余計な負担がかかったり、ジャンプの着地の際、足腰を痛める原因となる可能性があります。
そのため床には、マットやカーペットを敷くことが望ましいです。
マットやカーペットは、防音や床の傷防止にも有効です。
犬と暮らす賃貸物件の選び方
良い物件を選ばないと、飼い主さんはもちろん、愛犬にとっても住みにくい環境となる可能性があります。
ここでは、愛犬と暮らす賃貸物件を選ぶ際に押さえておきたい、3つのポイントをご紹介します。
「ペット可」か「ペット相談可」か、で住みやすさが変わる可能性がある
「ペット可」の物件は、ペットの種類や数といった、特定の条件を満たせば入居可能です。
つまり、「ペット可」の物件は基本的に、ペットと住む人が対象になっています。
そのため、住民間にペットに対する理解がある可能性も高いです。
一方「ペット相談可」の物件では、管理会社や大家さんが個別に審査・判断します。
つまり「設備等が、ペットと住む前提になっていない」「ペットを飼うことをあまり歓迎していない」などの可能性があります。
例えば、ペットを飼っている住人が少ない場合、鳴き声などへの理解が得られず、クレームに発展するリスクも考えられます。
このように、「ペット可」の物件か、「ペット相談可」の物件かで、住みやすさが異なる場合があることに留意しておきましょう。
多頭飼いOKの物件は限られる
「ペット可」の物件でも「1部屋につき1匹まで」という条件がついているケースも少なくありません。
複数の犬を飼いたい場合は、対応している物件が限られるため、エリアによっては見つけることが困難な場合もあります。
なお「1部屋につき1匹まで」という条件がついていても、交渉できるケースもあるため、契約前に大家さんや不動産会社に相談してみましょう。
ペット共生型物件や戸建て賃貸も視野に入れる
ペットと快適に暮らしたい方は、ペット共生型物件や戸建て賃貸も選択肢として考えると良いでしょう。
ペット共生型物件は、ペットとの生活を前提に設計された物件で、必要な設備も整っています。
また、全ての住人がペットを飼っているため、単に「ペット可」の物件よりも、トラブルが少ないことも期待できます。
一方、庭付きの戸建て賃貸なら、物件に匂いや傷がつくリスクも少なく、愛犬がのびのびと生活できる可能性があります。
ペット不可物件で、犬を飼うのはNG
ペット不可の物件で犬を飼うことは、契約違反となります。
契約の内容によっては、違約金を支払わなければならない可能性もあるため、注意が必要です。
さらに、強制退去させられたり、 退去時の修繕費用が高額になる恐れもあります。
トラブルを避けるためにも、犬を飼いたい方は必ず、ペット可の物件を選びましょう。
まとめ
愛犬と一緒に快適に暮らすためにも、賃貸物件選びは、慎重に行う必要があります。
良い条件の物件は絶対数が少ないので、信頼できる不動産会社の力を借りることも得策です。
ぜひ素敵な物件を見つけて、愛犬との快適な生活を実現してください。
この記事を書いた人
宅地建物取引士、管理業務主任者、ファイナンシャルプランニング技能士、簿記、上級ウェブ解析士など様々な分野の資格を保有している編集部スタッフが「暮らし」に役立つ知っておきたい情報をお届けします。