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Toggle新築と築浅の定義
新築と築浅の意味は「なんとなくわかる」という方も多いでしょう。
しかし実は、新築に関しては法律で明確に定義されています。
まずは、物件探しの前に、新築と築浅の定義を確認します。
新築とは
「新築」とは、建築工事が完了してから1年以内で、一度も人が住んだことのない物件を指します。
つまり、建物が完成して間もない、真新しい状態の物件です。
新築の定義は「住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条」で定められており、物件の広告を行う際には、この法律上の定義に則った表現をしなければなりません。
未入居物件とは
「未入居物件」とは、新築の状態のまま1年を超えてしまった物件を指します。
「建築工事の完了から1年以内」という条件を満たさなくなったため、新築物件ではなくなります。
なお、未入居物件の定義も「住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条」で定められています。
築浅とは
新築や未入居物件とは異なり、築浅には法的な定義などはありません。
しかし、一般には「築5年前後まで」の物件を指すことが多いです。
実際に、不動産会社ごとに「築浅」が示す築年数が異なる可能性があるため、必ず具体的な築年数を確認するようにしてください。
新築物件のメリット
新築物件は、誰も住んだことのない、新しい空間です。
はじめに、新築物件の5つのメリットをご紹介します。
外装や内装が非常にキレイ
新築物件は、工事の完了から1年以内なので、建物の外装や、部屋の内装も新品です。
非常にキレイな状態で生活を始めることができるため、フレッシュな気持ちで新たな生活を送ることができます。
新しい設備が整っている
新築物件では、最新もしくは新しめの設備が揃えられていることが多いです。
そのため古い型の設備と比較して、高性能であったり、使い勝手が良いことも期待できます。
セキュリティ設備が新しい
新築物件では、防犯カメラやオートロック、カメラ内蔵インターホンなどのセキュリティ設備も最新もしくは新しい製品であることが多いと考えられます。
そのため古い型の設備と比較して、カメラの画質が向上しているなど、性能の向上も期待されます。
これにより、より高い防犯性が期待できます。
新しいコミュニティ/人間関係が作りやすい
新築物件では、住人がほとんど同時期に入居することになります。
そのため、既存のコミュニティに入るのではなく、新たなコミュニティや人間関係を築くことができます。
最新の耐震基準が適用されている
古い物件の中には、1981年以前の「旧耐震基準」で建築されたものもあり、地震に対して不安な面も否定できません。
一方、新築物件は、最新の耐震基準を満たして建築されているため、地震に対する高い安全性が期待できます。
新築物件のデメリット
新築物件は魅力的な反面、注意すべき点もいくつかあります。
ここからは、新築物件の3つのデメリットを確認します。
プレミアムがついて家賃が高い
新築物件は「新築プレミアム」と呼ばれるものがつき、築年数が経過した物件に比べて家賃が高くなる傾向があります。
具体的には、相場の20%前後が上乗せされることが一般的です。
この上乗せ分は、同じ物件に住み続ける限り、毎月かかり続けるため、トータルでは非常に大きな出費となる可能性があります。
アレルギーや匂いが気になる場合がある
新築物件では、建材や塗料などに使われている化学物質が原因で、シックハウス症候群などのアレルギー症状が出る可能性があります。
建築基準法改正(2002年)により、従来よりも心配は少なくなりましたが、可能性はゼロではなく「住んでみなければわからない」という点に注意が必要です。
また、アレルギー症状ほどではないものの、新築独特の匂いが気になる方も一定数いるようです。
内見できないケースがある
新築物件は、まだ建築中(物件ができていない状態)で入居者を募集するケースがあります。
そのため、部屋が出来上がった後で「イメージと違った」という可能性が考えられます。
この段階ですでに賃貸借契約を結んでいた場合、初期費用が返還されなかったり、違約金が発生する恐れもあるためご注意ください。
築浅物件のメリット
次に、築浅物件のメリットを3つ見ていきます。
整った設備・セキュリティ面での安心・最新の耐震基準の適用など、新築と共通するメリットも多いですが、築浅物件ならではのメリットもあるので、それを知っておきましょう。
新築よりも家賃が安い傾向
新築〜築浅物件は、築古物件に比べて家賃が高めです。
特に新築物件には「新築プレミアム」がついており、一般的な物件相場より20%ほど高い家賃になる可能性があります。
可能な限り家賃を下げたいという方の場合、新築〜築浅物件は向いていない可能性もあるでしょう。
室内外の状態が良好
築浅物件は、人が住んだことはあるものの、室内外の状態が良好なことも多いです。
中には、新築と見分けがつかないほど、良好な状態の築浅物件も存在します。
また、設備も新しめのものがついており、設備の古さや劣化を心配しなくて良い点も大きなメリットです。
口コミや掲示物を見て、借りるかどうか判断できる
築浅物件は、すでに建物が存在しているので、内見をしてから借りることができます。
また、すでに人が住んでいた物件なので、口コミサイトなどをチェックすることで物件の評判、メリット・デメリットなどが確認できる場合があります。
また、内見の際に建物1階などで確認できる掲示板も、借りるかどうかの大きな判断材料です。
「共用部分での喫煙」「ゴミ捨てのルール違反」「騒音注意」などの掲示物が多い場合は、マナーを守れない住人が複数人いる可能性もあるため、住むかどうかの判断を慎重にすべきでしょう。
築浅物件のデメリット
築浅物件には、 新築にないメリットがある一方、知っておくべきデメリットも存在します。
ここからは築浅物件のデメリットを2つチェックします。
希望通りの物件を探すことが難しいケースも
築浅物件は人気が高く、好条件の物件はすぐに借り手がつくことが一般的です。
そのため、入居者募集中の築浅物件の絶対数が少なく、希望の条件に合う物件を探すのが難しい場合があります。
新築と家賃があまり変わらないケースも
「築浅物件は、新築物件のようなプレミアムはつかない」と言いましたが、絶対ではありません。
立地条件や設備などが非常に良い築浅物件や、非常に人気の高い築浅物件などの場合、新築物件と家賃があまり変わらないケースもあります。
新築物件がおすすめの人
新築の賃貸物件は、以下のような人におすすめです。
- きれいな状態の物件で、新しい生活を始めたい人
- 設備の新しさを重視したい人
- セキュリティ面を重視したい人
- 高い耐震性を求める人
- 新しいコミュニティを作りたい人
築浅物件がおすすめの人
築浅の賃貸物件は、以下のような人におすすめです。
- 相場の範囲内で賃貸物件を借りたい人
- 外装や内装のキレイさを求める人
- 内見や口コミをチェックしてから物件を決めたい人
まとめ
新築物件と築浅物件のどちらを選ぶかは、個人の考え方や価値観によって異なります。
新築物件は、高い初期費用に見合うだけのメリットが期待できますが、築浅物件も家賃を抑えながら、比較的新しい状態で住めるというメリットがあります。
それぞれのメリット、そしてデメリットを理解して、あなたにとって最高の物件を選びましょう。
この記事を書いた人
宅地建物取引士、管理業務主任者、ファイナンシャルプランニング技能士、簿記、上級ウェブ解析士など様々な分野の資格を保有している編集部スタッフが「暮らし」に役立つ知っておきたい情報をお届けします。