賃貸申し込みのキャンセルはいつまで? マナーや注意点、トラブルの対処法も解説!

Top » お役立ち情報 » 賃貸申し込みのキャンセルはいつまで? マナーや注意点、トラブルの対処法も解説!

賃貸物件探しで気をつけたい「申し込みのキャンセル」。

納得できる物件を見つけるためにキャンセルがやむを得ない時もありますが、申込金の返還や違約金などに関するトラブルにつながるケースもあるためお気をつけください。

今回は、賃貸の申し込みのキャンセルについて、時期、マナー、注意点、トラブル発生時の対策までを詳しく解説します。

賃貸申し込みのキャンセルがいつまで可能かを理解するためには、賃貸物件探しから入居までの流れを知っておく必要があります。

そこではじめ、賃貸の申し込みから入居までの流れを、7つのステップで解説します。

①物件探し

インターネットサイト、不動産会社の店頭、フリーペーパーなどを活用して、物件情報を収集しましょう。

希望のエリア、間取り、家賃、築年数などの条件を明確にした上で、借りる物件の候補をいくつか探してください。

②不動産会社への問い合わせ

気になる物件を見つけたら、不動産会社に問い合わせて詳細情報を聞きましょう。

まだ借り手が決まっておらず、詳細情報を聞いて納得したら、内覧希望日を決定してください。

③物件内覧

不動産会社と約束した日時に、実際に物件を訪れ、物件を直接確認します。

物件内覧に際しては「周辺環境、日当たり、設備、防音性、騒音」など、可能な限り細かい部分までチェックしましょう。

わからないことは、なるべく早い段階で、遠慮なく不動産担当者に質問しておくのが得策です。

④申し込み

内覧した物件が気に入ったら、なるべく早く申し込むことがおすすめです。

特に就職・進学などで物件を探す人が多い春先などは、条件の良い物件はすぐに他の方に借りられてしまう可能性が高いです。

申し込みに際しては「入居申込書」を提出します。
入居申込書には、氏名、住所、連絡先、勤務先ほか、連帯保証人となる方の情報も記載します。

申し込みの段階で、収入証明書の提出が求められるケースもあります。

⑤審査

入居申込書が提出されると、家主や保証会社による審査が行われます。

審査内容は、特に家賃の支払い能力に問題がないかについて、しっかりチェックされます。

審査は、数日から1週間前後かかることが一般的です。

⑥賃貸借契約

審査を通過すると、物件の賃貸借契約の手続きに入っていきます。

賃貸借契約に際しては「住民票」「連帯保証人の印鑑証明や住民票」「健康保険証・運転免許のコピー」「収入証明書」などが必要となりますので、事前に揃えておきましょう。

不明点や疑問点がある場合は、契約締結前(重要事項説明時など)に解消しておいてください。

⑦入居

鍵を受け取り、いよいよ入居です。

入居に合わせて引っ越しや住所変更などの手配もしておきましょう。

賃貸借契約の締結後、即日入居できるケースもあるため、希望する方は事前に問い合わせておきましょう。

賃貸のキャンセルはできる?

ここからは「ペナルティなしで賃貸のキャンセルができるタイミングはいつまでか」を確認します。

賃貸借契約の前の場合

賃貸借契約を締結する前であれば、審査後であっても、キャンセルは可能です。

キャンセルに際しては、支払った申込金(預かり金)は返金されます。

つまり、申し込み段階のキャンセルもペナルティなしで可能です。

賃貸借契約の後の場合

賃貸借契約を締結した後の場合は、キャンセルではなく「解約扱い」となることが一般的です。

解約の場合は、家賃などの支払い等も発生するため、初期費用の大部分が返金されないケースも多いでしょう。

賃貸をキャンセルする理由とは

申し込み後などに賃貸をキャンセルする理由には、以下のようなものが考えられます。

・他に良い物件が見つかった
・他社の方が仲介手数料が安価だった
・家庭や仕事の都合から引っ越しが難しくなった
・引っ越す気分ではなくなった  など

賃貸をキャンセルする際のマナー

賃貸の申し込みをキャンセルする際は「できるだけ早く連絡すること」が望ましいです。

「キャンセルするのは申し訳ない」と、連絡するのに気が引けてしまうかもしれません。

しかし、大家さんや不動産会社は、どのような理由であれ、キャンセルが早めにわかる方がありがたいので、可能な限り早く連絡することを心がけましょう。

賃貸キャンセルに関する注意点​

ここからは、賃貸のキャンセルについて知っておくべき注意点をご紹介します。

トラブルを避けるためにも、ぜひチェックしておいてください。

「仮押さえ」でも、キャンセルの連絡は必要

「即決は難しいものの、条件に合う部屋が見つかった」という場合は、物件の仮押さえが可能なケースがあります。

仮押さえの期間は、長くても1週間程度で、期間を過ぎた段階で別の方に契約される可能性があります。

つまり、仮押さえ期間は自動的に終了しますが、やはり、キャンセルが決まった段階でなるべく早く連絡することがマナーです。

口約束でも契約は成立する

民法では「当事者同士の意思表示によって書面なしでも契約が成立する」と定められています。

これは、賃貸借契約も例外ではなく「あとで契約するので仮押さえして」などと伝えた場合は、キャンセルの際にトラブルの原因となる可能性があるでしょう。

不動産会社によって、契約成立のタイミングは変わる

賃貸借契約が成立するタイミングは、不動産会社によって異なる可能性があります。

物件をキャンセルする際にトラブルとなる可能性があるため、問合せなどの早い段階で「いつから解約扱いになるか/キャンセルで違約金が発生するか」を聞いておきましょう。

賃貸の申込金に関する法律

賃貸の申し込みに際しては、申込金を支払うケースがあります。

不動産会社によって、契約成立のタイミングが変わるということは、賃貸借契約の締結前のキャンセルでも、申込金が返ってこないケースがありえるように思えるでしょう。

しかし、重要事項説明をおこない、契約書に捺印する以前の段階でのキャンセルでは、宅地建物取引業法第35条(重要事項説明義務)に違反すると考えられます。

さらに、宅地建物取引業法第47条の2第3項(預り金の返還拒否)にも違反すると考えられます。

つまり、不動産会社が独自に契約成立のタイミングを設定しても、賃貸借契約の締結前であれば、理由に関わらず「申込金は返還されなければならない」ことになります。

クーリングオフが適用されない

契約締結後に、一定期間内の無条件での契約解除が可能な制度である「クーリングオフ」。

この制度は「賃貸物件には適用されない」ことを覚えておきましょう。

つまり、賃貸借契約の締結後のキャンセルは「解約扱い」になり「初期費用が全額では戻らない」ということです。

賃貸借契約の後のキャンセルでは、違約金が発生する可能性がある

賃貸借契約を締結した後のキャンセルでは、初期費用が全額戻らないだけでなく、違約金も発生する可能性があります。

具体的には、賃貸借契約書に「借主の都合で、短期間で解約した場合、賃料の○か月分を支払う」などの記述があった場合、違約金を請求にされるケースがあると考えられます。

賃貸のキャンセルでトラブルが発生した場合は?

「賃貸キャンセルの理解を得られない」「賃貸借契約の締結前にもかかわらず、申込金の返還に応じない」などの場合は、信頼できる第三者に相談することがおすすめです。

状況が悪化する恐れもあるため、 無理にご自身で解決しようとしないことが得策です。

トラブルの相談先

賃貸に関するトラブルは、以下のような機関などに相談することが可能です。

  • 全国宅地建物取引業協会連合会 

電話相談もしくは全国にある協会への来所相談が可能です。

  • 全日本不動産協会 

電話相談ほか、街頭などで 不定期に相談を実施しているケースがあります。

  • 国民生活センター

電話相談もしくは全国の相談窓口で相談可能です。

  • 法テラス

国が運営する法律トラブルの相談窓口です。無料相談ほか、弁護士の紹介なども受けられます。 

まとめ

賃貸借契約の締結前であれば、どのような理由であってもキャンセルが可能です。

キャンセルに際しては支払った申込金なども返金されます。

多くの不動産会社はキャンセルやトラブルの際にも誠実に対応してくれますが、解決が難しいと判断した場合は速やかに、信頼できる第三者へご相談ください。

この記事を書いた人
上部へスクロール