【賃貸】築年数で変わる!家賃、設備、耐震性、メリット・デメリットを比較

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賃貸物件を選ぶ際、確認しておきたいポイントの1つが「築年数」です。

築年数によって、物件の設備や状態、そして家賃まで大きく変わります。

今回は、賃貸物件の築年数について、築浅物件と築古物件の違い、それぞれのメリット・デメリット、そして狙い目の築古物件を探すポイントまでを、詳しく解説していきます。

築年数は「建物の建築完了時点からの経過年月」です。

不動産の広告においては、築年数は必ず明記しなければならず、物件を判断する際の重要な指針ということができるでしょう。

新築物件・築浅物件・築古物件とは

築浅(ちくあさ)物件・築古(ちくふる)物件は、物件の説明でよく使われる言葉ですが、法律上の定義などはありません。 したがって不動産会社によって、具体的な築年数が変わるケースがあります。

一方「新築」には法的な定義があるため、 物件探しの前に理解しておきましょう。

ここでは、新築の法律的な定義と、築浅物件・築古物件の一般的な意味をご紹介します。

新築物件とは

新築とは「建築工事の完了から1年以内」で「人が一度も住んでいない物件」を指します。

なお、新築物件のまま1年を超えた場合は「未入居物件」と言います。

新築物件や未入居物件の意味は「住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条」で定められており、広告では法律上の定義に則った表現をしなければなりません。

築浅物件とは

築浅(ちくあさ)物件は、建築完了からあまり時間が経っていない物件を意味します。

明確な定義はありませんが「建築から3年〜5年以内の物件」「誰かが入居したことがある、築1年足らずの物件」などを指すことが多いです。

築古物件とは

築古(ちくふる)物件は、建築完了から一定以上の期間が経過した物件を意味します。

明確な定義はありませんが「建築から20年〜30年以上経過した物件」を指すことが多いです。

ただし、物件の構造によって、築古の年数を区別する不動産会社もあります。

賃貸物件選びにおける築年数の目安

希望の物件を探す際、 築年数は大きな目安となります。

以下、希望別に、築年数の目安をご紹介します。

設備の新しさを重視したい場合

設備の新しさを重視する場合は「築10年以内」の物件がおすすめです。

このような物件では、オートロック、カメラ付きインターホン、温水洗浄便座、IHコンロ、宅配ボックスなどの最新モデルや、比較的新しいモデルの設置が期待できるでしょう。

耐震性を重視したい場合

耐震性を重視する場合で、木造住宅に住みたい方には「築25年未満」の物件がおすすめです。

木造住宅の耐震基準は、2000年6月に改正され、現在における最新基準となっています。これは「2000年基準」と呼ばれており、地震に対する安全性も高くなっています。

一方、木造以外の建築の場合は「築45年未満」の物件がおすすめです。

1981年6月に改正された建築基準法は、現在にも適用される耐震基準となっています。

建物の耐用年数が気になる場合

建物の耐用年数は、構造によって目安が変わります。 「主な減価償却資産の耐用年数表」(国税庁)によると、構造ごとの建物の耐用年数は以下の通りです。
 
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)・鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 住宅用: 47年
  • 事務所用: 50年
  • 店舗用: 39年
 
鉄骨造 *骨格材の厚さ3mm以下
  • 住宅用: 19年
  • 事務所用: 19年
  • 店舗用: 22年
*骨格材の厚さ3mm以上~4mm以下
  • 住宅用: 27年
  • 事務所用: 30年
  • 店舗用: 25年
*骨格材の厚さ4mm以上
  • 住宅用: 34年
  • 事務所用: 38年
  • 店舗用: 31年
 
木造・合成樹脂造
  • 住宅用: 22年
  • 事務所用: 24年
  • 店舗用: 20年
 
木造モルタル造
  • 住宅用: 20年
  • 事務所用: 22年
  • 店舗用: 19年
 
レンガ造・石造・ブロック造
  • 住宅用: 38年
  • 事務所用: 41年
  • 店舗用: 38年
 
耐用年数を超えた賃貸物件でも、すぐに人が住めなくなるわけではありません。 ただし、大規模な修繕などをしていない場合は、建物の老朽化が進んでいると考えられます。

新築〜築浅物件のメリット​

新築〜築浅物件にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

以下1つずつチェックしていきましょう。

外観や内装がキレイ

新築は完成から1年以内、築浅物件も完成から数年程度なので、外観や内装がキレイな状態です。

清潔感のある空間で、気持ちよく暮らすことができます。

築浅物件は、キレイな状態なのに新築より家賃が安い

築浅物件は、新築同様のキレイな物件が多いにも関わらず、新築よりも数千円程度安い家賃に設定されているケースも多いです。

新築同様の快適な住環境に、リーズナブルな価格で住みたい方にもおすすめと言えるでしょう。

設置されている設備が新しい​

新築〜築浅物件は、新しい設備が整っていることが多いです。

例えば、オートロック、監視カメラ、カメラ付きインターホンなどは、新しい設備の方が高い防犯性が期待できます。

また、追い焚き機能付きのお風呂や浴室乾燥機など、快適な生活を送るための設備が揃っているケースもあります。

最新の耐震基準が適用されている

すでにご紹介したように、新築〜築浅物件は、おおよそ最新の耐震基準を満たしていると考えられます。

これにより、万が一の地震に対しても、安心して生活を送ることができます。

新築〜築浅物件のデメリット

新築〜築浅物件には魅力的なメリットが多い反面、留意すべきデメリットもあります。

家賃が高め

新築〜築浅物件は、築古物件に比べて家賃が高めです。

特に新築物件には「新築プレミアム」がついており、一般的な物件相場より20%ほど高い家賃になる可能性があります。

可能な限り家賃を下げたいという方の場合、新築〜築浅物件は向いていない可能性もあるでしょう。

事前に内見できないケースも

新築物件の場合、物件の完成前から入居者を募集するケースがあります。

このような場合、 内見をせず、賃貸借契約を進めることになります。

賃貸借契約後に、実際の部屋を見て「イメージと違った」と解約する場合には、初期費用が返ってこなかったり、違約金が発生する可能性もあるため注意が必要です。

少しでも心配や不安がある方は、実際に完成した物件を見てから賃貸借契約するようにしましょう。

条件に合った築浅物件を探すのは難しい

築浅物件は、キレイな状態にもかかわらず、新築よりも家賃が安い傾向のため、人気が高いです。

また、物件数自体も少ないので、エリアによっては条件に合った築浅物件を探すことが困難なケースもあります。

築古物件のメリット

築古物件は、新築〜築浅物件にはないメリットがあります。以下1つずつ確認していきましょう。

家賃が低め

築古物件は、築浅物件に比べて家賃が安い傾向です。

「借家家賃の経年変化について」(総務省統計局)によれば、家賃は築年数が1年上がるごとに、平均0.8%ほど安くなります。

多くの選択肢から探せる

築古物件は、新築や築浅物件に比べて物件数が多いです。

また物件数だけでなく、 バリエーションも豊富と考えられます。

そのため様々なこだわりがあっても、多くの選択肢の中から自分に合った物件を選ぶことが期待できます。

レトロな雰囲気が味わえる

近年は、Z世代の若者たちを中心にレトロブームが勢いを増しています。

一部の築古物件には、新築〜築浅物件には出せない昭和や平成初期の雰囲気が残っている場合もあり、レトロ好きにとっては非常に魅力的と言えるでしょう。

新築に引けを取らないキレイな物件もある

築古物件は、新たな借り手を確保するために、リノベーションやリフォームを施されているケースも少なくありません。

リノベーションやリフォームから間もない物件は、新築〜築浅に引けを取らないほどキレイな状態になっていることもあります。

築古物件のデメリット

築古物件は、築年数を重ねたために発生するデメリットを、カバーしきれないケースもあります。

築古物件を探す前に、以下のデメリットを知っておきましょう。

耐震性に不安があるケースも

すでにご紹介したように、築年数が古い物件は、最新の耐震基準を満たしていない可能性があります。

近年では、南海トラフ地震などのリスクが年々高まっているとも言われており、地震に対する不安がある方には無視できないデメリットです。

設備が古い傾向

築古物件は、設備が古い傾向にあります。

例えば築古物件のトイレは和式の場合もあり、洋式しか使ったことのない方や、温水洗浄便座を使いたい方には不便でしょう。

また、築古物件でもカメラ付きインターホンなどが付いているケースがありますが、古いタイプで「画像が鮮明でない」「相手の声が聞きづらい」などの不都合が感じる可能性も考えられます。

設備の新しさを求める場合は、新築〜築浅物件の方が探しやすいケースもあります。

防音性・断熱性が低いことも

築古物件は、新築〜築浅物件と比較して、防音性や断熱性が低い場合があります。

防音性が低い場合、周囲の部屋・物件と騒音トラブルになりやすかったり、車や飛行機の音などが大きく聞こえるなどして安眠が妨害される可能性も考えられます。

特に建物の構造が木造や軽量鉄骨であれば、防音性が低いリスクがあるでしょう。

また、断熱性が低い場合、冷暖房が効きづらく、電気代が余計にかかる可能性もあります。

ゴキブリなどの虫が出やすいことも

築年数が古い物件は、ゴキブリなどの虫が出やすい場合があります。

理由としては、戸の隙間・壁のひび割れ・古くなった配管など、虫の発生源や侵入ルートが増えるためです。

特に、低めの階数に住む方は用心が必要です。

非常に古い物件は、立ち退き勧告される可能性も

耐用年数を下回り、老朽化がかなり進行した物件は、住んでいる間に大規模修繕や解体が必要となる可能性があります。

この場合、建物からの立ち退きが求められることになります。

立ち退きに際しては、数ヶ月分の立ち退き料が支払われることが一般的ですが、高齢者や収入が不安定な方などの場合、次の物件が見つかりにくい恐れもあります。

狙い目の築古物件を探すポイント

築古物件のデメリットは、住んでからカバーすることが難しいため、物件探しの段階で気をつけておきましょう。

最後に、狙い目の築古物件を探すポイントをご紹介します。

メンテナンスが行き届いているか

定期的なメンテナンスが行われている物件は、築年数が経っていても、建物の状態が比較的良いことも多いです。

逆に外壁のひび割れが目立ったり、雨漏りが見られる場合などは、建物のメンテナンスが行き届いていない可能性も考えられます。

管理が行き届いているか

管理がしっかりしている物件は、トラブルが起こった際にも迅速に対応してもらえます。

一方、掲示板にゴミ捨てのマナーや騒音、共用部分でのタバコなど、トラブルに関する注意の張り紙などが多い場合は、管理会社がトラブルに対応できていない可能性も考えられます。

また、エントランスや駐車場・駐輪場をはじめとする共用部分の掃除や、庭木の剪定などがきちんとできていない場合も、管理が行き届いていない可能性が考えられます。

過去に補強工事が実施されたことがあるか

過去に補強工事が実施された物件は、耐震性が向上している可能性があります。

特に旧耐震基準で建築された物件の場合は、過去の補強工事の有無で、耐震性が大きく左右されると考えられます。

構造が鉄筋コンクリート構造/鉄骨鉄筋コンクリートか

木造や軽量鉄骨造よりも、鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造の方が、堅固で地震に強いと言われています。

また、防音性能や断熱性能も、鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリートのほうが高い傾向で、築古物件でも快適に暮らせる可能性が高まります。

まとめ

賃貸物件は、築年数によって様々なメリット・デメリットが生じます。

一方、賃貸物件には一つ一つ個性があるため、築年数だけでは測りきれない部分も多いです。

そのため、しっかり内見したり、管理の品質やメンテナンスの状況についてもよくチェックするようにしてください。

そして、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、お値打ちな物件を見つけましょう。

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