ハイツ、コーポはどんな物件?マンションやアパートとの違いも解説 Top » お役立ち情報 » ハイツ、コーポはどんな物件?マンションやアパートとの違いも解説 集合住宅の名称として使われることが多い「ハイツ」や「コーポ」。 昭和や平成初期などの懐かしさを感じさせる名称です。 最近はレトロブームとも言える状況なので、興味を抱く若い方もいらっしゃるかもしれません。 街中でもハイツやコーポはよく見かけますが、その名称に明確な意味や定義はあるのでしょうか。 そこで今回はハイツ、コーポの意味を紹介。ハイツ、コーポのメリット・デメリット、向いている人・向いていない人についても解説しています。 目次 Toggle ハイツ、コーポの意味とはハイツ・コーポの歴史ハイツ・コーポ以外に使用されることが多い外国名ハイツ、コーポと「マンションやアパート」との違いハイツ・コーポのメリット家賃が安い木造の場合は、独特の温かみがある災害などの際に逃げやすいご近所のコミュニティが作りやすい引っ越ししやすいレトロさが味わえる物件もハイツ・コーポのデメリット構造の堅牢性が今一つ防音性・防振性が高くない場合も気密性が低いケースもセキュリティ面の不安がある築年数が古いケースもハイツ・コーポに向いている人ハイツ・コーポに向いていない人まとめこの記事を書いた人関連投稿: ハイツ、コーポの意味とは ハイツ、コーポの意味は以下の通りです。 コーポ(Cooperative house) コーポは、英語の「cooperative house(共同住宅)」が語源となっています。そのため、比較的低層の共同住宅につけられていることが多いです。 ハイツ(heights) ハイツは、英語の「heights(高台)」が語源です。一般的には、プレハブの2階建て共同住宅(アパート)につけられていることが多いですが、必ずしも高台にある建物とは限りません。 ハイツやコーポといった言葉は、集合住宅の名称としてよく耳にする言葉ですが、実は明確な定義は存在しません。 一般的に、アパートと似たようなタイプの建物につけられることが多い言葉ですが、建物構造や規模など、これといった決まりがあるわけではありません。 ハイツ・コーポの歴史 ハイツやコーポの名称は、少なくとも戦後間もなくには存在していました。 東京都新宿区の都営住宅の先駆け的な存在である「戸山ハイツ」は、1948年に入居申し込みを開始しています。 また、同じく東京都新宿区の「四谷コーポラス」は、国内民間初の分譲マンションで、1956年に分譲がスタートしました。 以前は、「◯◯荘」「◯◯庵」といった名称の集合住宅が多く見られましたが、時代とともに「ハイツ」や「コーポ」など、より洋風でおしゃれな名称が好まれるようになったと考えられます。 ハイツ・コーポ以外に使用されることが多い外国名 建物に使用される外国名は、ハイツやコーポ以外にも多くあるので、その一例をご紹介します。 フランス語由来 メゾン (maison): 「家」を意味し、高級感や洗練されたイメージを与えます。マンションや住宅だけでなく、美容室やカフェなどの店舗名にもよく使われます。 シャトー (château): 城を意味し、歴史的な雰囲気や重厚感を表現します。ワインの銘柄や高級住宅などに使用されます。 イタリア語由来 カーサ (casa): イタリア語で「家」を意味し、温かみのある家庭的なイメージを与えます。住宅やレストランなどに使用されます。 ヴィラ (villa): 別荘や邸宅を意味し、優雅で贅沢なイメージを与えます。高級住宅やリゾート施設などに使用されます。 パレス (palace): 宮殿を意味し、壮大で豪華なイメージを与えます。ホテルや高級マンションなどに使用されます。 英語由来 パーク (park): 公園を意味し、緑豊かな環境や開放的なイメージを与えます。マンションや住宅団地などに使用されます。 ガーデン (garden): 庭園を意味し、緑豊かな環境や落ち着いたイメージを与えます。マンションや住宅などに使用されます。 ヒルズ (hills): 丘を意味し、高台に位置する住宅地や高級住宅街のイメージを与えます。 ドイツ語由来 ハイム(heim):「家」「家庭」「ふるさと」などを意味する言葉です。温かみのある、居心地の良い場所、そして心の拠り所といったイメージが強く結びついています。 ハイツ、コーポと「マンションやアパート」との違い 一般的な不動産サイトでは「アパート・ハイツ・コーポ」を同じものとみなしているケースも多いです。これらとマンションの違いは以下の通りです。 アパート・ハイツ・コーポ: 構造や工法が木造もしくは軽量鉄骨造りで、2階程度までの 建物が多い。 マンション: 鉄骨鉄筋コンクリートや鉄筋コンクリートなどの堅牢な構造で、3階以上の建物が多い。 ただし「ハイツ」「コーポ」はあくまでも建物の名称で、大家さんや管理会社のセンスによって自由につけることができます。 そのため実際には、アパートだけでなく、マンションにつけられている可能性もあります。 ハイツ・コーポのメリット ハイツ・コーポあるいはアパートには、マンションと異なる様々なメリットがありますので、 1つずつチェックしていきましょう。 家賃が安い ハイツやコーポ、アパートは、一般的にマンションに比べて家賃が安い傾向にあります。 これらの建物は、木造や軽量鉄骨造で低層のため、鉄筋コンクリート造りなどで高層のマンションなどと比較して建築コストが低いためです。 さらに、維持管理コストもマンションと比較して安く抑えられることから、管理費や共益費なども安い傾向です。 木造の場合は、独特の温かみがある 木造のハイツやコーポは、温かみのある雰囲気が魅力です。 コンクリート造のマンションでは出せない、温かく懐かしい雰囲気が好きな方にはメリットと言えるポイントでしょう。 災害などの際に逃げやすい ハイツやコーポ、アパートは、低層の建物が多いので、火事や地震などの災害が発生した場合でも避難しやすいです。 高層マンションでは、地震によってエレベーターが止まった場合などは避難がとても大変になりますので、それと比較しても大きなメリットと言えます。 ご近所のコミュニティが作りやすい ハイツやコーポ、アパートは、マンションに比べて住戸数が少なく、住民同士の距離感も近く感じられます。 また大家さんが同じ建物に住んでいるケースも多く、大家さんを通じて住人同士の交流が生まれるケースもあります。 このようにハイツやコーポ、アパートは、比較的コミュニティが作りやすい環境ということができるでしょう。 引っ越ししやすい ハイツやコーポ、アパートは、マンションと比較して家賃が安いため、気軽に引っ越ししやすいというメリットがあります。 そのため、仕事の関係で色々な場所に引っ越す可能性がある方、 色々な街に住んでみたい方などにもおすすめです。 レトロさが味わえる物件も ハイツやコーポ、アパートは比較的、築年数の古い物件も多く、レトロな雰囲気が好きな人には大きな魅力です。 なお、近年建てられた建物でもハイツやコーポと名付けられることがありますので、レトロな物件に住みたい方は名称だけで判断しないようにしましょう。 ハイツ・コーポのデメリット ハイツ・コーポには多くのメリットがある一方、デメリットもありますので、物件を探す前によく理解しておきましょう。 構造の堅牢性が今一つ 木造や軽量鉄骨造りの建物が多いため、コンクリート造のマンションに比べて、構造の堅牢性に欠ける場合があります。 特にハザードマップなどで災害リスクが高いと判断されている地域などの場合は、不安材料の一つとなるでしょう。 防音性・防振性が高くない場合も ハイツやコーポ、アパートは木造や軽量鉄骨造であるため、鉄筋コンクリートなどと比較して防音性や防振性が低い傾向です。 特に家賃が安い物件では壁が薄いケースもあり、このような物件では騒音トラブルが発生しやすい可能性があります。 また、建物が幹線道路や商業施設、線路などに近いと、常に車や電車などの振動が感じられる可能性もあります。 気密性が低いケースも ハイツやコーポ、アパートはその構造のため、マンションよりも気密性が低いケースも多いです。 そのため、エアコンが効きにくい可能性があります。 セキュリティ面の不安がある ハイツやコーポ、アパートは、オートロックや防犯カメラが設置されていない物件も多いです。 そのため立地や管理体制などによっては、空き巣などに狙われる恐れも考えられます。 築年数が古いケースも 築年数が古い物件が多く、設備が古かったり、修繕が必要な箇所がある場合があります。 このような場合、ただレトロなだけでなく、生活上の不都合が生じる可能性も考えられます。 ハイツ・コーポに向いている人 以下のような方は、ハイツ・コーポに向いている向いていると考えられます。 家賃を抑えたい人 温かみのある住まいを求めている人 ご近所とコミュニティを築きたい人 レトロな雰囲気が好きな人 引っ越しが多い人 など ハイツ・コーポに向いていない人 以下のような人は、ハイツ・コーポに向いていない可能性があります。 建物の構造の強度を重視する人 防音性を重視する人 小さなお子さんがいらっしゃる 人 セキュリティを重視する人 最新設備を求める人 高層階に住みたい人 など まとめ ハイツ、コーポは、建物構造や規模といった明確な基準で区別されているわけではありません。 ただし一般的にハイツやコーポは、マンションに比べて家賃が安く、温かみのある雰囲気が魅力です。一方、構造の強度や防音性、セキュリティ面で劣る場合があります。 実際には、物件ごとに特徴が大きく異なるため「ハイツ」「コーポ」などの名称に惑わされず、しっかりと内見をした上で、ご自分のライフスタイルに合った物件を選ぶことが大切です。 この記事を書いた人となりの不動産相談室 編集部宅地建物取引士、管理業務主任者、ファイナンシャルプランニング技能士、簿記、上級ウェブ解析士など様々な分野の資格を保有している編集部スタッフが「暮らし」に役立つ知っておきたい情報をお届けします。 関連投稿: 【後悔しない選択】エレベーター無し賃貸が向いている人/向いていない人 賃貸退去の「立会い」完全ガイド! トラブルを防ぐ方法も解説 引っ越しで自転車をどうする? 選択肢別の手続きや注意点