【賃貸防音対策】防音性の高い物件の選び方からトラブル解決まで!

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賃貸における代表的なトラブルである騒音。防音性の高い部屋を借りることは、騒音トラブルの防止に役立ちます。

今回は、賃貸物件における「防音」について、防音性の高い物件の選び方、防音対策の方法、騒音を出さないための工夫、賃貸物件の防音面のチェックポイント、騒音トラブルが発生した場合の対処法まで、幅広く解説します。

賃貸集合住宅は、部屋が隣り合う構造のため、騒音トラブルが発生するケースも少なくありません。

特に賃貸物件は分譲物件と比較して防音性能が劣ることもあるため、注意が必要です。

ご自身そして周囲の住民も気持ちよく過ごせるように、物件を借りる際は防音性にも着目してみましょう。

賃貸で防音性を重視する人とは

賃貸で防音性を重視する人は「周囲からの騒音に悩まされたくない人」「自らが騒音を出す可能性があり、迷惑をかけたくない人」に大別できます。

具体的には以下のような人が、賃貸で防音性を重視すると考えられます。

・テレワークで自宅にいる時間が増えた方
・自宅で仕事をする自営業者の方
・お子さんがいらっしゃる家庭
・1日をほぼ自宅で過ごす高齢者の方
・ペットを飼っている方
・楽器演奏する方
・過去に賃貸物件で騒音トラブルにあった方 など

賃貸で気になる騒音の例

賃貸で気になる騒音の例としては「普段の生活で発生する音」「ペット」「楽器」「外からの音」などが考えられます。

普段の生活で発生する音

人は普段普通に生活しているだけでも、様々な音を出しています。

具体的な生活音の例は以下の通りです。

・足音
・話し声(電話での会話を含む)
・テレビの音
・椅子を引く音
・くしゃみ
・洗濯機や掃除機などの動作音
・風呂・シャワー・ドライヤーの音
・子供がおもちゃで遊ぶ音
・赤ちゃんの泣き声 など

ペット

ペットの騒音としては、以下のようなものが挙げられます。

・鳴き声や吠え声
・走り回る音
・猫が爪を研ぐ音 など

楽器

楽器の騒音としては、以下のようなものが挙げられます。

・ピアノ
・シンセサイザー
・ギター
・ベース
・ドラム など

外からの音

物件の中だけでなく、外から騒音が発生するケースもあります。外からの騒音としては、以下のようなものが挙げられます。

・車の走行音
・電車の走行音
・人の声
・工事の音
・飛行機やヘリコプターの音
・近隣施設の騒音 など

防音性の高い賃貸物件の選び方

防音性の高い賃貸物件を選ぶためには、それなりの知識が必要です。

最も防音性が高いのが「鉄筋コンクリート造」

コンクリートに鉄筋を埋め込んだ「鉄筋コンクリート造」は木造建築よりも防音性能が高いです。

日本建築学会の遮音等級(L値)によれば、鉄筋コンクリート造は「大きい音は聞こえるものの、通常の生活音は聞こえない(L-50)」のに対して、木造建築は「通常の生活も聞こえやすい(L-75)」と評価されています。

防音性能を求めるなら、鉄筋コンクリート造の賃貸物件から選ぶと良いでしょう。

床や壁の厚さ

床や壁は薄いほど、音が隣の家に聞こえやすい(隣の家の音が聞こえやすい)傾向です。

防音性能を求める場合は、最低でも厚さ15cm以上を目安にすると良いでしょう。

床や壁が厚ければ、特に、話し声やテレビの音など空気を伝わる音(空気伝播音)の防音に効果的です。

サッシの構造

床や壁が厚くても窓が薄いと、そこから音が侵入する可能性があります。

一方、サッシが以下のような構造になっていると、通常の窓よりも高い防音性が期待できます。

二重サッシ
二重サッシは、窓枠内に2枚のガラスを組み込んだ構造です。ガラス間に空気層があるため、防音効果が高くなります。

防音サッシ
防音サッシは、ガラスの厚みを増したり、特殊なコーティングを施したりしたサッシです。二重サッシよりもさらに高い防音効果が期待できます。

トリプルサッシ
トリプルサッシは、窓枠内に3枚のガラスを組み込んだ構造です。二重サッシよりもさらに高い防音効果が期待できますが、費用が高くなります。

部屋の位置​

以下のように部屋の位置も、防音性を左右する重要な要素の一つです。

角部屋
角部屋は、左右に他の住戸がないため、騒音の影響を受けにくいと言われています。

最上階
最上階は、上階に他の住戸がないため、足音などの騒音の影響を受けにくいと言われています。また、地上の喧騒も比較的届きにくいです。ただし、屋上からの音や、風雨などの音はよく聞こえる可能性があります。

1階
1階は、下階に他の住戸がない分、騒音の影響を受けにくいと言われています。

部屋の間取り​

部屋の間取りも、防音を考える上で大切な要素となります。

他の家と居室が隣り合う間取りでも、間に収納・クローゼットなどがある設計ならば、お互いの生活音が響きにくい可能性があります。

一方、鉄筋コンクリート造でも、洗濯機が設置された部屋と居室が隣り合うような設計の場合、音が壁や床を直接振動させて伝わる(固体伝播音)ため、音が伝わる恐れがあります。

賃貸物件を検討する際は、可能な限り、隣の部屋の間取りも考慮した上で決定することが望ましいです。

防音性を高めるための方法

防音対策には、ご自身でできることもあります。

物件の防音性能をさらに高めたい方は、ぜひ実践してみてください。

テレビを置く位置を工夫する​

テレビは、隣の部屋を背にして設置することが効果的です。

隣の家からの音を相殺することができる一方、音そのものは前方に出るため、隣の部屋に迷惑をかけることはありません。

ただし、テレビを壁にくっつけて設置すると、隣に直接音が伝わる恐れがあるため注意が必要です。

心配な場合は、テレビの背面に防音パネルを設置したり、テレビ台と一体化した防音家具などを利用すると良いでしょう。

マットやカーペットなどを敷く​

床にマットやカーペットを敷くと、足音や床の振動を吸収することが可能です。

厚手のマットやカーペットを選ぶと、より高い防音効果が期待できます。

カーテンを厚手にする

カーテンを厚手にすることで、窓からの音を遮断することができます。

なお近年では、防音のカーテンレールもあるため、気になる方はチェックしてください。

防音グッズを使う

近年では、以下のように様々な防音グッズが発売されていますので、必要に応じて利用すると良いでしょう。

防音シート
壁や床に貼ることで、音の透過を防ぎます。

防音パネル
壁や天井に設置することで、音の反射を抑えます。

防音テープ
窓やサッシの隙間を埋めることで、音漏れを防ぎます。

防音マット
床に敷くことで、足音や床の振動を吸収します。

防音カーテン
窓に吊るすことで、窓からの音を遮断します。「遮音1級・遮音2級」といった、防音性能の等級が設けられているカーテンもあります。

防音室を設置する

楽器演奏をする方、オンラインミーティングなどに集中したい方などは、防音室の設置も検討すると良いでしょう。

現在は、賃貸物件などにも設置できる簡易的な防音室も販売されています。

ただし「楽器演奏不可」の物件では、防音室を設置しても楽器演奏が認められない可能性が高いです。

騒音を出さないための工夫

住む方のちょっとした心遣いや工夫も、騒音防止につながります。

賃貸物件に住む際のマナーに関わる部分ですが、いくつかご紹介します。

入浴時間に配慮する

シャワーやドライヤーの音は想像以上に響く場合があるので、夜遅い時間帯や早朝の時間帯の入浴は避けた方が無難です。

窓を開けたまま会話や掃除をしない

窓を開けたまま会話や掃除をすると、音が外に漏れてしまうことがあります。

なお、人によっては窓の開閉音自体をうるさく感じるケースもあるため、静かに開閉することを心がけましょう。

テレビやオーディオの音を上げすぎない

テレビやオーディオの音は、周囲の迷惑にならない程度に控えましょう。

特に、夜遅い時間帯や早朝の時間帯は、音量を小さくしたり、イヤホンを使用するなど、さらなる配慮が必要です。

家具・家電を買い換える

古い家具は、軋みや振動が発生しやすいため、騒音の原因となることがあります。

また、古い家電も動作音や振動が大きくなっている可能性が考えられます。

家具・家電が古く、 騒音が発生している場合は、 買い替えも検討すると良いでしょう。

ペットはしっかりしつけ、ストレスを溜めないようにする

就寝時間帯や早朝などに聞こえるペットの鳴き声・足音は、周囲に大きな迷惑をかけることがあります。

しっかりとしつけるとともに、防音性の高いペット用ケージや、鳴き声対策グッズなどの利用も検討すると良いでしょう。

また、ペットがストレスを溜めると、無駄吠えの原因となるケースも考えられます。

そのため、十分な散歩をする・しっかりスキンシップするなど、ペットがストレスを溜めないように配慮することも大切です。

楽器禁止の物件では、楽器を演奏しない​

楽器演奏が禁止されている物件では、比較的音量が小さな楽器でも、演奏を避けましょう。

楽器演奏が禁止されている物件は、もともと建物自体の防音性能が弱い可能性があるためです。

楽器演奏ができるのは「楽器演奏可」「楽器応相談」などの物件だけです。

これらの物件でも、全ての楽器演奏が可能なわけではないため注意が必要です。

例えば、ドラムは非常に音量が大きく、演奏可能な物件は少ないと考えられます。

賃貸物件の防音面のチェックポイント

賃貸物件を見学する際には、以下のポイントをチェックしましょう。

部屋の上下左右の家族構成をチェック

部屋の上下左右に住んでいる人の家族構成を確認することで、騒音のリスクをある程度把握することができます。

例えば、小さな子供がいる家庭や、ペットを飼っている家庭があれば、騒音トラブルが発生する可能性があります。

周囲の家族構成については、不動産会社や大家さんなどに聞いてみると良いでしょう。

壁の厚さを確認

壁の厚さは、軽くノックすることでチェックすることができます。

ノックをして音が響いたり、軽い音や高い音がした場合は、壁が薄い可能性が考えられます。

一方、音が響かず、硬く詰まったような音であれば、壁が厚く、防音性が高いと考えられます。

部屋で手を叩く

部屋の中で手を叩いてみて、音が響かない場合、音が外部に抜けている可能性も考えられます。 つまり、防音性が高くない可能性があります。

一方、音が反射する場合は、音が外部に漏れていないため、防音性能の高さが期待できます。

なお、吸音加工された壁であれば、音が響かなくても、防音性能の心配はあまりありません。

物件周辺の環境を確認する

物件周辺の環境も、騒音の原因となる可能性があるため、以下のような施設等の有無をチェックしておくと良いでしょう。

・道路
車の走行音やクラクション音などが発生する可能性があります。

・線路
電車や新幹線などの走行音などが発生する可能性があります。

・駅
駅近の物件は利便性が高い反面、近すぎると駅周辺の喧騒が聞こえる可能性があります。

・工場や倉庫、物流施設
機械の音や大型トラックの出入りなどの騒音が発生する可能性があります。

・飲食店
特に繁華街など飲食店が集中するエリアなどでは、道路での会話や車の行き来などの喧騒が発生する可能性があります。

・公園
子供たちの声や遊具の音が気になる可能性があります。

・保育園・幼稚園・学校
子供達が多く集まるため、遊び声や部活の音、イベントの練習音などが気になる可能性があります。

・病院
特に救急設備のある病院の場合は、深夜などに救急車などの音が聞こえる可能性があります。

・商業施設・ショッピングセンター
多くの車や自転車などの行き来に伴う喧騒が発生する可能性があります。

・空港・基地
飛行機やヘリコプターの飛ぶ音が頻繁に聞こえる可能性があります。

物件を複数回チェック

1回の見学だけでは、全ての騒音を把握することは難しいです。

「夕方以降、上から子供の走り回る音が聞こえる」「近くに学校があり朝の通学時間帯に騒音が発生する」「近くに商業施設があり平日は静かだが、週末は騒がしい」など、曜日は時間帯によって、騒音レベルが変わることも珍しくありません。

そこで、時間帯や曜日を変えて、複数回物件を見学することがおすすめです。

共用スペースやエレベーターなどの張り紙をチェック

共用スペースやエレベーターなどに、騒音に関する張り紙がないか確認しましょう。

騒音トラブルへの注意を促す張り紙が貼られている場合、現在進行形で騒音トラブルが発生している可能性が考えられます。

また、騒音に関する張り紙が複数貼られている場合、トラブルが深刻化している可能性も考えられるでしょう。

気になる場合は大家さんや管理人、不動産業者などに事情を聞いておきましょう。

騒音トラブルが発生した場合の対処法

防音性の高い物件を選んだとしても、騒音トラブルが発生してしまう可能性はゼロではありません。

まず、どこかの部屋から騒音が発生している場合は、以下のような対処法があります。

騒音の記録やデータを取る
可能であれば騒音の様子をスマートフォンなどで録音したり、騒音の頻度をメモするなどしておきましょう。

大家さんや管理会社に相談する
記録やデータを持って、大家さんや管理会社に相談しましょう。仲介役として、トラブル解決に動いてくれます。騒音を出している住人との付き合いがない場合、個人間で解決しようとすると大きなトラブルに発展する恐れもあるため、避けた方が良いでしょう。

自治体窓口など第三者に相談する
大家さんや管理会社がうまく対処できなかった場合などは、自治体窓口、弁護士などの第三者に相談する方法もあります。


一方、他の住人からご自身に騒音のクレームが入った場合は、事実関係を確認します。

場合によっては 騒音の原因が自分の部屋ではない可能性もあるためです。(子供がいないのに「子供の足音がうるさい」など)

心当たりがある場合は、速やかに対策を施して今後、騒音が発生しないようにします。

騒音を出し続け、相手の心身に害を与えたと認められる場合、損害賠償請求される恐れもあります。

まとめ

賃貸物件を選ぶ際には、防音性も重要なポイントの一つです。

防音性が高い物件ならば、自分の生活音あるいは周囲からの生活音が伝わりづらく、騒音トラブルが回避できます。

快適な生活を送る基礎となりますので、物件選びの際にはぜひ「防音性」に着目してみてください。

この記事を書いた人
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